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5.フレンドリーファイア!

last update تاريخ النشر: 2025-08-03 16:13:42

俺はその日のうちに、小神野先輩のいるチームに招かれた。

「ようこそ、新入り君! 歓迎するぜ。俺は3年の萩原俊(はぎわら すぐる)、よろしくな!」

まるでゲームのチュートリアルに出てくる人みたいに言ったのは、前にいい人そうだなーと思っていた萩原先輩だ。まとめ役っぽい雰囲気はあったけれど、どうやら3年生だったらしい。

次に、隣に並んだよく似たふたりが背の高い方から順にあいさつをしてくれた。

「同じく3年の椎名玲(しいな れい)、よろしく。ここ、兄弟だから下の名前で呼んでくれ」

「2年の椎名律(しいな りつ)だよ、よろしくね~」

「よろしくお願いします」と同じように自己紹介をすると、律先輩から「なんて呼べばいい?」と尋ねられた。

「えっと、何でも……」

「うーん……じゃあ、いおりんにしよう!」

明るく言って、にっと笑う律先輩。

あだ名をつけるのが好きなんだろうか?

小神野先輩との出会いが強烈すぎたせいか彼のことばかり考えていたけれど、他の先輩方は親しみやすい人が多いみたいだった。ほっと胸を撫で下ろす。小神野先輩はともかく、このメンバーなら連携が必要なゲームでも上手くやっていけそうな気がした。

『ゼロ・グラウンド』は一人称のシューティングと戦略ストラテジーとが合わさったウォーゲームだ。どの国のものでもない空白都市『サイファラス』を巡って、4つの国の特殊部隊がひとつの都市の中で戦いを繰り広げる。

ゲームが開始されると、俺たち5人にはひとつの本拠地が与えられるようになっている。そこを防衛しながら、他チームが守る3つの拠点をすべて占領できれば、俺たちの勝ちだ。

俺たちが敵の拠点を制圧しに行くように、敵チームもまた俺たちの本拠地を攻めてくる。ときには基地に戻って防衛部隊と合流することもあるし、占領する拠点が増えれば、防衛部隊の誰かが本拠地以外の護衛に当たることもある。

とにかく、ゲームの中で俺たち5人は同じ国の仲間だ。みんなでプレーする以上、連携が欠かせない。

腕を組みながらメンバーを見回していた萩原先輩が、まとめるようにして言った。

「とりあえず、最初の試合は来週の金曜だ。それまでに少しずつこのメンバーでのプレーに慣れていこう!」

「わかりました」

「いおりん、ちなみにだけど……うちのチームの隊長はオカピ先輩なんだ。最初はちょっとやりにくいかもしれないけど、まぁ、そのうち慣れるんじゃないかな」

「あのリーダー、言い方はキツイけど、指示は的確だからな」

「神谷は谷内先生からイエローカードもらったんだってな! ケンカには気をつけろよ~」

萩原先輩が豪快に笑っていると、話題に上っていた小神野先輩が席に戻ってきた。

「……じゃ、とりあえず今日からこのメンバーな。数をこなして、お互いのキャラクターの特性や立ち回りについて確認すること」

(いちおう、リーダーらしいことは言うんだ……)

俺に対しての、敵意剥き出しって感じの態度とはまったく違う。

前に立ってみんなを引っ張っていく、副部長としての姿に見えた。

「俺たちの使ってるキャラも少しずつ覚えていってね、いおりん!」

そう話す律先輩に返事をして、俺は小神野先輩の隣に座る。

(何にせよ、この部でいちばん強いチームでプレーできるんだ……!)

期待で胸が高鳴った。4チームが揃ってすぐにゲームが開始され、俺は指示通り小神野先輩と西側の港を制圧しに行った、のだが……。

「神谷っ! そこ邪魔っ!!」

トラップを仕掛けて敵と撃ち合いをしていると、ヘッドセットの奥で先輩が叫んだ。その瞬間、俺のキャラクターのHPが半分くらいに減る。

「はぁ!? 俺、先輩に撃たれたんですけどっ!!」

「んなとこ立ってるからだっ! まじで邪魔!!!」

「だって、こっちに敵がいるんだからしょうがな……あっ! 先輩そこダメですっ!!」

叫んだが、遅かった。

小神野先輩は俺がさっき仕掛けた地雷に引っかかっていて――。

「おいっ、俺死んだんだけど! ふざけんなよっ」

「だからダメって言ったじゃないですかっ! 人の言うことちゃんと聞いてくださいよ!!」

「んだと、表出ろやっ!」

さっそく言い合いになった俺たちに、玲先輩の呆れるようなため息が聞こえてきた。律先輩が大笑いして言う。

「わぁ……! すごいや、見事なフレンドリーファイア」

「同士討ちなー。このゲーム、撃とうと思えば仲間も撃てるから」

「ふたりとも、わざとやってんのかな???」

「さぁ……気が合わないんじゃない??」

仲間である先輩方からも、散々な言われようだった。何も不思議じゃないのが悲しかったが――俺たち攻撃チームは案の定、まったく息が合わなかった。(ただ、お互いを撃つのだけはなぜか上手かった)

その日も、次の日からも……みんなで息を合わせるよう頑張ったけれど、俺と先輩だけがまったく噛み合わない。

何とか殴り合いのケンカだけは避け、練習を続けた1週間後。オンラインでの練習試合、俺たちは犬桜高校に手も足も出ず、見事なまでに惨敗した。

okaPは強いプレーヤーだ。それは俺がいちばんよく知っている。そして、俺も単体ではかなり強いはずだった。

(なのに、足を引っ張り合うばかりで……お互いの強みを少しも活かせない、なんて)

悔しいのは俺も先輩も同じだけど、それでも、どうやって歩み寄ればいいかはわからない。

悶々とした気持ちで過ごしていると、ある日、部長が「話がある」と俺たちを呼び出してくれた。

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  • 神ゲーマーふたりは今日もオンライン   20.グランドファイナル

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  • 神ゲーマーふたりは今日もオンライン   19.決戦の前に

    暑さも本格的になってきた7月。新葉高校は予選を無事に勝ち抜け、2位で関東ブロックの代表に選ばれた。全国大会になると、レベルがいちだんと高くなる。初戦の中部ブロックとの試合に何とか勝利した俺たちは、ついにグランドファイナルと呼ばれる決勝戦へとコマを進めた。ゼロ・グラウンドは4つの国が争うゲームということもあり、今年から決勝は4チームで行われるらしい。参加する高校は去年とほぼ同じ。京都の犬桜高校、仙台の白雲高校、東京の新葉高校、そして前回大会で優勝した強豪・横浜の龍鳳高校。関東ブロックの代表を決める決勝戦でも、俺たちは龍鳳高校に負けた。だが、ま

  • 神ゲーマーふたりは今日もオンライン   18.戻ってきた日常

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  • 神ゲーマーふたりは今日もオンライン   17.週末の話(悠馬side)

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