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第二段階へ

last update Date de publication: 2025-07-01 21:34:19

 真剣な瞳で僕の瞳をのぞきこんだカエンは、フッと顔を伏せるとおもむろに僕の乳首を口に含んだ。

「っ!」

 うっこれは……じんじんするというか、じわじわくるというか。むず痒さに混じって鈍い快感が、胸元から体の中に浸食していく。

「……あのさ、そこ、弄る必要ある?」

「必要かと言われるとそうじゃないけど、でも俺が触りたいからさ。ダメか? ここ気持ちいいんだろ?」

「……ぅ」

 確かに気持ちはいいけれど。そんなところ普段触られることがないから、変な感じだ。

 だんだんとむず痒さより快感の方が優ってきて、変な声を上げそうになるのを必死にこらえた。

「声、我慢してるだろ。聞こえた方が興奮するからさ、聞かせてよ」

「んな……は、うっ」

 片胸に吸いつかれ、もう片胸の尖りをぐりっと押されて声が跳ねる。

 カエンは気をよくしたように笑いながら顔を上げると、タオルの下から手を入れて、兆しはじめた僕のモノを撫でた。

「あっ!」

「一回イッておくか?」

「う、あっ、はぁ……」

 カエンは上手かった。先走りで濡れた鈴口を優しくなぞってみたり、絶妙な力加減で竿を扱いたりしながら、的確に僕を追いつめていく。

「うぁ! もう、ヤバい、やっ」

「いいから、出せよ、ほら」

 嫌だ、いくらなんでも早漏すぎる! そう思うのに、ピストン運動にあわせて僕も腰を動かして、体は貪欲に快感を得ようとしてしまう。

「ひ、あ……ああぁっ!」

 トドメとばかりに、カエンが乳首に歯を立てたものだから、もう止めようがなかった。重く溜まっていたものが勢いよくほとばしり、僕の腹を濡らした。

「ふ、う……あぁ」

「いい子だな拓海。続きをするから、そこに横になって」

 よしよしと頭を撫でられ、言われた通りにベッドに横たわる。拓海が上からのしかかってきて、美麗な顔が目の前へにくる。また心臓がドキリと音を立てた。

 カエンは今の僕にとって、誰だかよくわからない男だ。けれど僕の体は彼を拒絶していない。それに彼は優しいし、僕への好意を感じる。

 そう思うと、今から体を拓かれることに抵抗感はなかった。少しばかり怖くはあったけれど。

 ジッと左右対称の顔を眺めていると、カエンはクスリと笑った。

「拓海は俺の顔、好きだよな」

「……そうみたいだ。特に、その目が」

 彼の深海のように深い青色の瞳を見続けていると、吸いこまれそうになる。

 どこまでも深い場所へ、まるでこの世の奈落の底を覗きこんでいるかのような気分になる。

 けれど惹かれる。不思議だ……きっと彼とは初対面じゃない。記憶を忘れる前から知っていて、親しい仲なんだろうなと感じた。

「拓海は青が好きだから」

「そうなのか?」

「そうだよ」

 カエンは泣きたいような、諦めているかのような複雑に感情が入り混じった笑みをこぼすと、俺の腹についた白濁液を指先で掬い、尻の間に近づけた。

 くちり、と音をたてながら尻穴に指先を当てられる。反射的に体がこわばった。

「怖い?」

「……まあね」

「だよな。大丈夫、優しくする」

 カエンにあやすように髪を撫でられると、なんだか大丈夫な気がしてくる。

 こんなよくわからない状況で、よくわからないやつに尻を探られるなんてと理性が警鐘を鳴らしていたが、僕は体の力を抜くように努力した。

 記憶を思い出さないことには、この先どうしたらいいかわからない。

 カエンの指先が穴の中に侵入した。思ったより抵抗なく、指がぬぐぬぐとゆっくり奥へ進んでくる。

 特に快感も不快感もなく、触診でも受けているような妙な気分になる。

「……」

「……」

 僕もカエンも無言になる。カエンは慎重に指を奥に進めながら、僕の様子をうかがっている……ん!? そこ、は

「うぁ!」

「あ、あった」

 コリコリとしたしこりをグイッと押されると、腰が跳ねた。腹の奥から感じたことのない快感がほとばしり、じんと体全体にいき渡る。

 なんだこれ、すごい。続けざまに擦られると、口から溢れるように嬌声が出てしまう。

「んっ、ひゃ、あっあん! あ、あっあぁ!」

 嫌々と首を振ってシーツを蹴ってずりあがろうとするも、カエンに頭を抱き抱えられて、それもできなくなる。

「いいよ拓海、好きなだけ乱れても。俺しか見てないからさ」

 楽しそうにカエンが言う。恥ずかしい、けれど止まらない。

「も、いったん、止まって、とま……っあぁ!」

「拓海、すごくかわいい」

 カエンの言葉にかあっと顔が火照る。愛しさがふんだんに乗せられた声音に、体中が歓喜に震えている。

 自分の反応に驚く間もないくらいに、カエンは僕を追いたてた。

 射精欲が限界まで高まり、身をよじって抵抗する。

「もうイク、イク、待って」

「いいよ、イッて」

「いやぁっ、こんな、お尻でなんて、っあぅ」

「なんで? いやらしくて、すっごくいい眺めだけど? ね、イキ顔見せてよ」

 カエンに胸の尖りをつねっていじめられると、もう堪えようがなかった。

 堰をきったように、ぴるると精子が宙を舞う。カエンはうっとりとした表情で、僕のあられもない顔を見ていた……やめてよ。

「拓海、好きだよ」

 カエンは一言呟くと、僕に噛みつくようなキスをした。情熱的なキスにつられるようにして舌を絡めると、貪欲に貪りつかれる。

「ん……」

 ものすごくキスが巧みだ、また勃ってしまいそう。

 僕をイかせるのも手慣れすぎているし、カエンはめちゃくちゃモテるんだろうな。

 今まで何人の女の子を、男の子かもしれないが、弄んできたのかとぼんやり思う。

 こくりと溢れた唾液を嚥下すると、また記憶を思いだした。

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