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第11話(25)

作者: 北川とも
last update 公開日: 2026-01-04 17:00:08

 両足を抱え上げられ、内奥から賢吾の欲望が引き抜かれる。熱くなって喘ぐ場所に、賢吾はたっぷりローションを垂らし、再び押し入ってきた。和彦は声を洩らし、はしたなく腰を揺らして逞しいものを奥まで呑み込む。精を放つのとはまた異質の、深い快感を味わっていた。

「あっ、あっ、賢吾さんっ……」

「ああ、最高だ、先生」

 両腕を伸ばして賢吾にしがみつくと、手荒く頭を撫でられる。喘ぐ和彦の唇をそっと吸い上げてから、悪戯を持ちかけるように楽しげな口調で賢吾が囁いてきた。

「――先生、そんなに鷹津とのキスが気に入ったんなら、あの男を堕としてみるか?」

 和彦は目を見開き、賢吾を凝視する。

「堕と、す……」

「鷹津は、刑事としてはとっくに〈堕ちた〉男だから、〈オトす〉というべきだな。篭絡するんだ、先生が。地べたを這いずり回るサソリを」

 賢吾の言葉の真意を探るため、大蛇が潜んだ目を覗き込む。常にある怜悧さは今はなく、肉欲と好奇心によって熱っぽさを湛えていた。
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