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第15話(3)

Author: 北川とも
last update publish date: 2026-01-31 14:00:05

「大丈夫よ。難波組長、もう先生のこと警戒してないから。バカ息子の鼻を治してあげたんでしょ?」

 思いがけない由香の発言に、聞いていた和彦のほうがぎょっとしてしまう。由香は、やけに赤い舌をチロッと覗かせて笑った。

「ナイショね、今言ったこと」

「……ぼくだって命が惜しいからね」

「わたしだって惜しいよ。だってここ、怖い人もけっこう来てるし」

 由香の言葉の意味をすぐに理解し、和彦は小さく声を洩らす。由香は楽しそうに目を輝かせ、周囲を見回す。

「難波組長と、ときどき一緒に飲んでいる人も、何人か来てるみたい。女の人たちのほうは、なんとなく水商売っぽいよね。奥さんを連れて来てる人もいるのかな」

 内覧会の招待客は、大半が長嶺組の人脈によるもので、和彦はリストを見せられて頷いただけだ。美容外科クリニックを経営するとなれば、派手な広告は必要なくても、やはり患者を呼び込まなくてはならない。昼間の営業がカムフラージュだからこそ、健全で良心的なクリニックをアピールする必要があるのだ。

 患者
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