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第26話(6)

作者: 北川とも
last update 公開日: 2026-04-19 14:00:46

 しっかりと腰を抱え込まれて、内奥で賢吾の欲望が脈打ち、爆ぜる。熱い精をたっぷりと注ぎ込まれ、その感触に和彦は軽い絶頂状態に陥る。きつく目を閉じ、眩暈に耐える。

 内奥から賢吾のものが引き抜かれ、体をひっくり返される。手荒く頬を撫でられて、ようやく和彦は目を開けることができた。顔を覗き込んできた賢吾に唇を吸われ、ぎこちなく応える。優しい声で問われた。

「俺が今言ったこと、しっかりと頭に叩き込んだか?」

 頭がぼうっとしているが、それでも和彦は頷く。

「お前は、俺の大事で可愛いオンナだ」

「あ、あ……。ぼくは、あんたのオンナだ。ぼくは、あんたには逆らえないし、逆らうつもりもない」

「そういう言われ方をすると、俺がまるで暴君みたいだな」

 声同様、優しい表情を見せた賢吾にもう一度唇を吸われ、そのまま舌を絡め合う。その間に、賢吾の指が内奥に挿入され、注ぎ込まれたばかりの精を掻き出される。発情している和彦の内奥は、物欲しげにその指を締め付けていた。

「本当に、お前はいいオンナだ&h
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  • 血と束縛と   第26話(16)

    ** 組員二人が乗った車が走り去る光景を、和彦は玄関前に立って眺める。 てっきり一泊して帰るものだと思っていただけに、リビングで三田村とわずかな時間話しただけで、車に引き返す姿を見て驚いたのだ。この別荘には離れがあるため、組員二人が宿泊したところで、手狭になることも、存在が気になることもない。それでも慌ただしく帰っていったということは、賢吾に厳命されているのかもしれない。 もしくは、組員たちが気をつかってくれたのか――。「……余計な手間をかけさせたみたいだな……」 和彦がぽつりと洩らすと、車を見送って戻ってきた三田村にこう言われた。「そんなことを言われたら、夜中だろうが遠慮なく先生を叩き起こして、仕事をしてもらっている俺たちの立つ瀬がない。先生にゆっくりしてもらうためだ。あいつらも、手間どころか、先生を休ませてやれると、ほっとしているさ」「ぼくにつき合わされるあんたも同じ気持ちか、気になるところだ」 いつもの三田村であったなら、誠実で優しい言葉で応じてくれるはずだ。だが今日は、違った。 ふっと表情を曇らせた三田村が、らしくなく視線を逸らす。「先生のバッグを、二階に持っていこう。部屋はもう整えてある」 目の前を通り過ぎた三田村の背を、訝しみながら和彦は見つめる。三田村の様子が、明らかにおかしかった。いつもであれば、こちらが気恥ずかしくなるぐらい、真摯で優しい眼差しを向けてくれる男が、和彦を直視しようとしないのだ。「三田村――」 階段に足をかけようとした三田村に声をかけようとしたところで、外で車のエンジン音がした。和彦は足を止めて振り返る。「まさか、総和会からつけられた護衛の人間……」「俺よりも早く来て、いろいろと準備をしてくれていたようだ。先生と親しくしているということで、つけられたんだろ」 総和会から派遣された護衛は、もしかして南郷ではないだろうかと身構え――怯えていた和彦だが、三田村のその言葉を聞き、それは杞憂だったと知る。 ほっとすると同時に、玄関の扉の

  • 血と束縛と   第26話(15)

    ** 連休初日から慌ただしいと、後部座席のシートに体を預けた和彦は、ほっと息を吐き出す。 賢吾に言われるまま、数日分の着替えなどを急いでバッグに詰め込み、急き立てられるように車に押し込まれたのだ。 じっくりと服を選ぶ余裕もなく、和彦の今の格好は、ジーンズとTシャツ、かろうじて掴んできたジャケットという軽装だった。車で移動するだけなので、ある意味、正しい選択だったかもしれない。 業者の到着を部屋で待つという賢吾とは、玄関前で別れた。長嶺組組長という多忙な身でありながら、〈オンナ〉の部屋にまで気を配らないといけない立場というのは、少しは同情してもいいのかもしれないが、和彦の連休の予定をすべて無視してくれたことで、差し引きゼロといったところだ。 もっとも、台無しにされたといって怒るほど、立派な計画を立てていたわけではないのだが――。 和彦はわずかにウィンドーを下ろす。外は雲一つない晴天で、初夏らしく気温は高いが、車内に吹き込んでくる風は爽やかだ。ドライブ日和ともいえ、こういう日に自分で運転をして、好きなところに出かければどれだけ気持ちがいいだろうかと、つい想像してしまう。 ただ最近は、運転は組員任せが当たり前になってしまい、かつてほど自分で運転してみたいという衝動が薄れた気がする。 朝食を抜いたこともあり、途中、目についた店に立ち寄って早めの昼食をとった以外では、車はひたすら走り続ける。観光地巡りが目的ではないので、これは仕方ないだろう。連休ということで、めぼしい場所はどこも混雑しているため、そもそも車を停めてもらう気にもならない。 賢吾や千尋が同乗していないということもあり、組員に許可をもらった和彦は、ウィンドーを全開にする。 スモークフィルム越しではない景色をしっかりと目にすることができて、それだけで非常に満足だ。「普段の送り迎えのルートだと、先生には息苦しい思いをさせていますからね」 そう声をかけてきたのは、助手席に座っている組員だ。和彦の護衛として、クリニックの送迎もほぼ彼が務めているため、そのことを言っているのだ。 和彦は風で乱れる髪を掻き上げ、笑いながら応じる。「決まっ

  • 血と束縛と   第26話(14)

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  • 血と束縛と   第26話(13)

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  • 血と束縛と   第26話(12)

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  • 血と束縛と   第26話(11)

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  • 血と束縛と   第5話(18)

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  • 血と束縛と   第5話(28)

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  • 血と束縛と   第5話(16)

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  • 血と束縛と   第5話(14)

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    last update最終更新日 : 2026-03-20
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