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第31話(5)

作者: 北川とも
last update publish date: 2026-05-19 14:00:16

 低く抑えた声が空気を微かに震わせる。和彦の肩も。

「会長の……、様子が気になったものですから……」

「そうか。だったら部屋に入ってくれ」

「……いいんですか?」

「いいも何も、あんたは医者だろ」

 歯を剥き出すようにして南郷が笑う。バカにされたように感じたが、単なる被害妄想かもしれない。考え過ぎということにして、わずかに開いた襖の隙間から、守光の部屋を覗く。スタンド照明のほのかな明かりのおかげで、休んでいる守光の様子を見ることができた。

 さらに襖を開けた和彦は、身を滑り込ませるようにして部屋に入る。逡巡したが、結局、襖を完全に閉めてから、守光が横たわっている布団に静かに歩み寄った。

 傍らに座ると、眠っているとばかり思っていた守光が目を開ける。驚いて咄嗟に言葉が出ない和彦に、守光が話しかけてきた。

「様子を見に来てくれたのか、先生」

「……すみません。脈だけ測らせてもらおうと思
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  • 血と束縛と   第31話(10)

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  • 血と束縛と   第15話(6)

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