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第37話(28)

作者: 北川とも
last update 公開日: 2026-07-01 20:00:58

「お前、顔怖い。……口説かれてるというより、脅されてるみたいだ」

「先生が頷いてくれないなら、脅すよ」

 じゃれついてくる犬っころのようだった青年は、絶妙のタイミングで本性を露わにしてくる。目的のためなら手段を選ばないという、怖い男の本性だ。

 和彦は片手を伸ばして、手荒く千尋の頬を撫でる。

「やっぱり長嶺の男たちはよく似てる。ぼくから欲しい返事をもぎ取ろうとするんだ」

「そのほうが、先生にとっても楽でしょ?」

 千尋の指摘の鋭さに微苦笑が洩れる。鋭いところも、長嶺の男らしい。

 ベッドの上で抱き合いながら激しく濃厚な口づけを交わす。すでにもう興奮を抑えきれなくなっている千尋がもどかしげに下着を脱ぎ捨て、高ぶった欲望を和彦の腿に擦りつけてくる。着ているトレーナーをたくし上げられ、露わになった胸元に噛みつく勢いで吸いつかれる。

 痛い、と危うく声が出そうになったが、必死な様子の千尋を見ていると、行為を止めるようなことは言えなかった。代わりに、囁くような声でせがむ。

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