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第8話(35)

Author: 北川とも
last update publish date: 2025-12-10 08:00:17

「……そこの車道脇で車を停めてくれ。降りる」

「不愉快なのは、お互い様だ。マンションまで我慢しろ」

 鷹津の言葉の一つ一つが、神経に障る。敵意という剥き出しの棘に切りつけられているようだ。和彦を脅してくるという点で秦も同じだが、少なくともあの男は、言動だけは柔らかく、蜜のように甘い。

 それに、寸前まで和彦は、秦と――。

 よりによって最悪の男に、最悪の場面で出会ってしまい、和彦は激しく動揺する。せめてもの救いは、暗い車中ということで、蒼白となっている顔色を見られなくて済むことだけだ。

「お前、少し前までは、大きな美容クリニックで働いていたんだろ。その前は、救急病院にいた。軽く調べてみたが、医者として評判は悪くなかった。若いのに、腕もよかったみたいだな。それに、親兄弟は――」

「ぼくの家族のことは言うなっ」

 声を荒らげて和彦が睨みつけると、ちらりと一瞥した鷹津は唇を歪めるようにして笑う。

「俺も、お前の家族になんざ興味はない。俺が興味あるのは、長嶺だけだ」

 ウ
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  • 血と束縛と   第1話(12)

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  • 血と束縛と   第2話(3)

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    last updateLast Updated : 2026-03-17
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