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第117話

작가: ドドポ
「気をつけて帰れよ。着いたらラインしろ」

「うん、分かった」

洵は千雪が車に乗り込み、ピンクのスポーツカーが道の果てに消えるまで見送っていた。

「入るぞ」

ようやく洵が澪に話しかけてきたが、巨大な花束が顔を隠しており、今の彼がどんな表情をしているのか澪には見えなかった。

澪は洵の横について旅館内へ入っていったが、道すがら何度もくしゃみをした。花粉のせいだ。

洵は気づきもせず、尋ねもしなかった。

旅館は景色が美しく、空気も澄んでいて、休暇には最適の場所だった。

日が暮れ、三方を山に囲まれた温泉旅館に明かりが灯ると、静けさが一層深まった。

洵はずっと無言で、澪と話すつもりはないようだった。

「洵、離婚の件だけど……」

澪が耐えきれずに切り出すと、洵は顔を隠していた花束をずらした。

今回ようやく、彼の表情が見えた。

洵は生まれつき口角が上がっており、笑っていなくても微笑んでいるように見える。

だが今、洵の口角は下がっていた。

それは怒っている表情に近かった。

「爺さんを死なせたくなかったら、一言も口にするな」

洵の口調は強くはなかったが、いつものように感情が
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