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第7話

Author: 星摘み
雨はさらに激しさを増していた。

透の傘は、少しもぶれずに私の頭上を覆っていた。透自身は、私と尚弥のあいだに体を割り込ませている。

その声は、ひどく冷たかった。

「澪は話したくないって」

「どけ」

尚弥はさらに一歩踏み出した。

雨水が顎を伝い、ぽたぽたと落ちる。

「澪、話を聞いてくれ……」

透は片手を上げ、尚弥の胸元を制した。

力は強くなかった。

それでも、その姿勢には一歩も退く気配がなかった。

「会いたくないって言ってるだろ」

尚弥の呼吸が荒くなった。

「どけと言ってるだろ」

尚弥は突然、透の襟元をつかんだ。

次の瞬間、もう片方の手が振り上げられる。

透の体が横に傾き、膝が地面に打ちつけられた。

「透!」

私は駆け寄り、彼のそばにしゃがみ込んだ。

透は肘をついて起き上がろうとしていた。もう片方の手で顔を押さえている。

私は手を伸ばして支えようとした。

そのとき、透の指の隙間から血がにじんでいるのが見えた。

「血が出てる」

声が震えた。

透の顔は真っ青だった。

それなのに透は、地面に倒れていた傘をとっさに拾い上げ、私の頭上へ差しかけた。

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