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第183話

作者: 風待 栞
「確かにあの子は言うことを聞かなかったわ。でも、だからって見殺しにするなんて許さないわよ!雅だって、あなたのために怒ってくれたんじゃない!あの水琴は浮気した上に、慰謝料までたんまり持って出て行ったのよ。雅があなたに代わって仕返しをしてくれたっていうのに、あんたは何を言ってるの!」佳乃は臣に指を突きつけて捲し立てた。

紗夜もそっと歩み寄り、臣の腕に軽く触れて宥めた。「臣さん……佳乃様の言う通りよ。それに、仮にも雅さんはあなたの妹じゃない。今回のことが表沙汰になれば鷹司家の名前に傷がつくわ。前回の騒動でも、世間から随分と心無い言葉を浴びたでしょ。これが二度目となれば、株価にも影響するかもしれないし……」

紗夜にしてみれば、雅がどうなろうと知ったことではない。彼女が守りたいのは、自分がいずれ手に入れる『鷹司家』の輝かしいブランドだけだ。

佳乃は涙ぐみながら紗夜の手を握った。「紗夜さん……あなたって本当にできた人ね。家のためを思ってくれるなんて」

臣は深く息を吐き出した。

そんなことは百も承知だ。相手が水琴一人なら容易い。だが厄介なことに、水琴の背後には常に高遠灼也の影がちらついてい
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