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第34話:遠くの雷鳴と、極甘なバックハグ

last update publish date: 2026-06-24 17:51:00

 ――大陸の覇者たる、巨大帝国の首都。

 その中心にそびえ立つ白亜の宮殿、玉座の間にて。

「ひ、ひぃぃぃぃぃぃっ! へ、陛下ぁぁぁっ!!」

 昨日、ヴェラの元へ派遣されたはずの使者が、豪華な衣服を泥と汚物でドロドロに汚しながら、床を這いつくばって転がり込んできた。

「なんだ、その見苦しい姿は」

 玉座に腰掛ける皇帝が、不快げに眉をひそめた。

「魔女はどうした。まさか、たかが小国の女一人を連れ帰ることもできなかったというのか?」

「む、無理でございます!! あ、あれは……っ、あの魔女の側にいる銀髪の男は、人間の姿をした悪魔です!!」

 使者は、白目を剥きそうになりながら、ガタガタと激しく痙攣していた。

「近づけば、国ごと灰にする、と……! へ、陛下! 絶対に、あの魔女に関わってはなりませぬ! 帝国が……我々が、滅ぼされてしまいますぅぅっ!!」

「ええい、黙れ!!」

 
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