◆◆◆◆◆ ――岩に沈む王たちの影。冷たい空気が石の間をすり抜け、刻まれた封印陣の中心に光が集まっていく。 「遥……」 その声に、遥はゆっくりと顔を上げた。夢の中。彼は、青白く透けたアーシェの姿を見つめていた。 「この先にある。僕の兄が眠る、あの場所が……」 言葉と共に視界が揺らぐ。浮かび上がったのは、広大な石造りの広間。壁には古代文字が刻まれ、床には複雑な魔法陣。高く昇る天井の奥は、薄闇の中に沈んでいる。 「君が来てくれるなら、道は開かれる。……指輪が、君を導くだろう」 光が揺らぎ、アーシェの姿が淡く滲んでいく。その指先に手を伸ばそうとした瞬間―― 霧が立ちのぼるように、彼の姿は静かにかき消えた。 (……ああ、ここが……封印の地) ◇◇◇ 「……っ」 遥はまぶたを震わせ、ゆっくりと目を開けた。 部屋の中には、夕暮れの光が差し込んでいた。厚いカーテンの隙間から、赤く染まった空が見える。少し肌寒い風が、頬を撫でた。 すぐ隣には、金の髪。 コナリーが椅子に座ったまま、眠るように目を閉じていた。けれど遥が動いたのに気づくと、すぐに瞳を開き、柔らかな笑みを浮かべる。 「……目覚めて、良かった」
ปรับปรุงล่าสุด : 2025-05-13 อ่านเพิ่มเติม