取り囲んできたのは男女入り混じっていたが、やはり男子学生の方が圧倒的に多かった。皆のすごい勢いに押され、こんな経験は初めてだったので、真琴はお人好しにも携帯を取り出し、QRコードの画面を見せてしまった。「普段は仕事が忙しいので、返信は遅くなったり、できなかったりするかもしれません。でも、タイムラインで定期的に専門知識をシェアしますね」それを見た一明が、慌てて割って入った。「はいはい皆さん、連絡先の交換はここまで!辻本先生も、こんな人数とは交換しきれませんからね。後でアークライトの公式サイトで辻本先生のツイッターを公開しますから、そちらをフォローしてください!」そう言って半ば強引に真琴の携帯を取り上げ、学生たちを散らした。そして、画面に表示されたすべての申請をスルーして携帯を返すと、呆れたように言った。「こんな大勢、一人一言送ってきただけでパンクするぞ。仕事にならん」真琴は額を押さえ、苦笑した。「まさかこんなことになるなんて……私たちが学生の頃は、先生の連絡先を聞くなんてありえなかったのに」一明は言った。「今の子は情熱的でストレートだからな。大半は君を狙ってるんだよ」こういうことに関して、一明は経験者だ。彼も一時期、女子学生から毎日のようにコーヒーや菓子の差し入れをもらい、同僚に冷やかされたことがあった。真琴はただ笑うしかなかった。控室に戻る途中、貴博と鉢合わせた。傍らには竹中学長もいる。学長に挨拶した後、真琴は貴博にも丁寧に挨拶した。「お疲れ様です、五十嵐さん」貴博は熱心に手を差し出した。「辻本さん、さっきの講演、すごく素晴らしかった。専門的だけど心がこもってて、かなり聞きごたえがあったな」真琴は軽く握り返した。「恐縮です」その時、学長が二人に言った。「昼は学内のレストランを用意したよ。貴博くん、今日は断らんでくれよ。同窓会だと思ってさ」貴博は笑って応じた。「ちょうど食事時ですし、竹中学長のお言葉に甘えます」真琴と一明はあくまで「お供」の立場なので、偉い人たちの手配に従うだけだ。こうして、全員で移動することになった。帝都大学は国内屈指の名門校で、構内には学生食堂の他に、接待にも使えるようなきちんとしたレストランもいくつかある。安くて味も良い。レスト
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