和枝の体がガタガタと震えた。「婦人科……!?彩葉、一体何の病気だというの?」悦子は彩葉を一瞥すると、隠そうともしない嫌悪を滲ませて言い放つ。「何の病気だと思います?外で男遊びでもして、変な病気でも貰ってきたんじゃないですか?」「彩葉、どうしてあの男とあんな場所へ行ったんだ!?」蒼真の視線が彩葉を突き刺し、その声は低く、冷たく響き渡る。顔色が蒼白なぶん、充血して赤く潤んだ瞳の赤さが一層際立っていた。彼女は残った力を振り絞り、痛む手首をねじって彼の手を振りほどこうともがく。「あなたには関係ないわ。放して!」さっきまでは半信半疑だった蒼真だが、今の態度を見て疑念は確信へと変わりつつあった。その瞳に、凶暴な光が宿る。「ハッ、俺の想像の斜め上を行く女だな。どこまで堕ちれば気が済むんだ!」「勝手に思えばいいでしょう。誰も気にしないわ」彩葉は心の底からそう思っていた。彼女の心はとっくに冷え切り、感情が枯れ果ててしまっていた。むしろこの機に乗じて、さっさと縁を切ってしまいたいとさえ願っていた。蒼真は激昂し、こめかみに青筋を浮かべたが、それでも彼女の手を放そうとはしなかった。雫は二人が激しく対峙する様を見つめながら、スカートの裾をきつく握りしめた。焦りで胸が焼けつくようだ。彩葉の不倫相手がここまで蒼真の顔に泥を塗ったのだ。蒼真なら人前だろうと構わず、彩葉の頬を張るはずだと思っていたのに。なのに、どうしてまだ言い争っているの?ここまでされて、まだこんな汚れた女が必要だとでも言うの?早く離婚してよ!「蒼真。本来これはあなたたち夫婦の問題、夫であるあなたが決断すべきことだわ。私だって、彩葉が氷室家に子供を産んでくれたことを考えて、最後の情けくらいはかけてあげたかったの。あまり醜態を晒したくはなかったわ」雪美は冷笑を漏らす。入念に化粧を施されたその目には、陰険な色が浮かんでいた。「でもね、彩葉。あなたは反省のかけらもなく、不倫をしておいて堂々としている。見ているだけで腹立たしいわ!私には蒼真というたった一人の息子しかいないの。幼い頃から心血を注いで、大切に、大切に育ててきたわ。誰よりも優れた息子なのよ。あなたのような女に弄ばれ、踏みにじられていい相手じゃないの!」彩葉の額は再び熱を帯び、体はふらついていた
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