結衣は、そんな反抗的な性格ではない。だが、思春期になれば反抗期が来ないとも限らない。その時の光景を想像し、二人は顔を見合わせて思わず笑い出した。運転していた健太も、つられて微笑んだ。湊は首を横に振った。「結衣ちゃんの性格は、お前にそっくりだ」「当たり前でしょ、私の娘なんだから」結衣は遥と同じように、見た目は柔らかくて大人しそうだが、芯の部分には強い意志と確固たる態度を持っており、一度決めたことはそう簡単には曲げない。結衣が真由美と一緒に買い物に出かけた時も、真由美に「好きなおもちゃを選んでいいわよ」と言われると、一つだけ選び、それ以外のおもちゃには一切目もくれなかった。その潔さは、まさに遥そのものだった。湊は、遥の手をギュッと握りしめた。願わくば、自分も彼女に選ばれたもう二度と変えることのない選択肢であってほしい、と。……家に戻ると、遥は久美子に二人の考えを伝えた。久美子はホッと息を撫で下ろした。「お母さんもここにいると少し気兼ねしちゃうからね。あんたたち、まだ結婚式も挙げてないし。でも、真由美さんは本当に結衣を可愛がってくれて、まるで自分の目の中に入れても痛くないといった様子だわ」久美子はうつむいて編み物をしながら、口元に笑みを浮かべた。「最初はね、あんなに甘やかして結衣がワガママにならないか心配で、しばらく様子を見てみようと思ってたのよ。でも意外だったわ。修さんも真由美さんも、ちゃんと結衣を叱る時は叱るのね」愛を与えることは、決して容易なことではない。だが、無条件の愛を注ぎながらも、適切な教育を忘れないことこそ、本当に得難いことなのだ。「結衣が朝ご飯を食べてた時、自分で箸を使おうとして落としちゃって、癇癪を起こしたのよ。そしたら真由美さんがね、そんなことしちゃダメよ、お箸さんも痛い痛いって泣いてるわよって教えたの」湊さんのお父さんも、真由美さんが子供を叱るのを止めるどころか、自分も一緒にお箸を放り出して、痛い痛い、お箸さんが痛がってるぞって言うのよ」二人がまるで漫才のような掛け合いをして、結衣に自分の間違いを気づかせたのだ。久美子はそれを見て、とても嬉しく、安心した。結衣を幼稚園に送っていく時、彼女はこっそりと久美子に耳打ちをした。「綺麗なおばあち
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