まるで、嵐のような慌ただしさ──。 想像しさが無くなったあとには、リビングに静寂が戻る。 唖然としていた髙野辺は、誠司と胡桃が出て行った玄関に目を向け、信じられないとでも言うように呟いた。 「──社外秘の内容じゃないか……。こんな、俺みたいな部外者がいる前で話す内容じゃない……」 髙野辺の呆れたような声がリビングに落ちる。 全くその通りだ。 もみじは髙野辺に顔を向け、苦笑い混じりに謝罪した。 「申し訳ないです、髙野辺さん。その……あの子はまだ学生気分なもので……」 「若いとは言え……社会を知らなさすぎます……彼女のような子供を、どうして新島さんの夫は会社に関わらせて……?」 全く理解が出来ないのだろう。 髙野辺の表情は、今まで見た事がないほど呆然としていた。 「デザインが流出なんて……社の命運を握る大事だ。……経営者ならそれくらい──」 ぶつぶつ、と呟いていた髙野辺は、そこまで言葉にしてはっとして口を噤む。 (新島さんは俺を一般社員だと思っているんだった……衝撃的な展開過ぎて、危うく口を滑らす所だった……) 髙野辺はほっと胸を撫で下ろしたが、誠司も胡桃も去ってしまった以上、既婚者であるもみじとこれ以上密室で2人きりでいるのは不味い。 まだ、もみじと色々話をしたかった髙野辺だったが、家をお暇する事を決める。 「その……新島さんの旦那も出て行ってしまいましたし、俺も失礼しますね……」 「──あっ、大したおもてなしも出来ず、ごめんなさい髙野辺さん!その、送っていただきありがとうございました!」 髙野辺が椅子から立ち上がった事で、もみじもはっとして椅子から立ち上がる。 玄関に歩いて行く髙野辺を見送るために彼の後を着いていく。 「新島さん、またどこかでお茶でもしましょう」 玄関で靴を履いた髙野辺がくるりと振り返り、もみじにそう告げる。 髙野辺の言葉に、もみじは素直に頷いて言葉を返した。 「ええ、また。今度は私がお支払いしますからね!今日はありがとうございました。ご馳走様でした」 「ふふ、どういたしまして。では、失礼します」 お互いぺこり、と頭を下げ合い、髙野辺はもみじに見送られて家を出た。 歩き出した髙野辺の背後で、玄関の鍵がかかる音が聞こえた。 それまで優しげな笑みを浮かべていた髙野辺の顔から、すうっと笑みが引き、無
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