どのくらいの時間、どのくらい距離を走ったのか? 気付けば、アルは領主館の見える場所に転び出ていた。「はあっ……、はあっ……」 館が見えたことで、少し冷静さを取り戻して、足を止める。 握っていた剣を見ると、刃毀れが酷い。 額を拭い、息を吐く。 よろよろと厩へ向かい、井戸から水を汲むと、そのままざぶりと頭から被った。「アルフォンス様、どうしました?」 そこで、馬に飼葉を与えていたマークが、アルのただならぬ雰囲気に声を掛ける。「なんか……出た……」「なんか……とは、なんでしょう?」「わからん……」 要領を得ない発言に、マークは戸惑っているが── アルとて、今は冷静に状況を話せる状態ではない。「おーい!」 朗らかな声が聞こえ、アルとマークはそちらに目をやる。 馬に乗ったクリスともう一人、フードを被った男を連れてこちらに向かってきていた。「到着日時を知らせておいたのに、出迎えもなしか〜?」「今日の午後か、明日の朝とのお話でしたが?」「そうだっけ?」 クリスはケロッとした顔で返し、とんっと馬を降りる。 後ろの男も馬を止め、静かに降りた。「ご要望の召喚士を連れてきたぞ」「召喚士?」 クリスの後ろの男が、マントのフードを外す。「お久しぶりです、アルフォンス様」「カイルじゃないか」 アルは驚いたが、マークは当然と言った顔で、カイルに歓迎のハグをしている。「どういうことだ?」「なんだ、聞いてないのか? マークが開墾地の整地がしたいから、使役獣を呼び出せる召喚士を連れてきてくれと連絡を寄越してきたんだ」「いつの間に……」「だが&hel
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