บททั้งหมดของ 触れるたびに溺れる浅ましさ: บทที่ 41 - บทที่ 50

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 式典を終え館に戻ったところで、アルとマークそれにカイルはジュリアンに呼び出された。「なぜ、旧第七分隊の騎士が、あんなにいたんだ?」「彼らは、ローデン泉館を運営するに辺り、募集に応じてやってきた〝従業員〟ですが」 アルがしれっと答える。「それがなにか? みたいな顔をするな! ちらと見ただけで五人は見たが、本当は何人来ている?」「連れては来ていません。実際に、希望者のみです」「それに、必要な人材の起用に関して、ジュリアン様は一任されたじゃないですか」 カイルが、先日ジュリアンがサインをした書類を出した。「待て。私は、村人に充分な報酬を出せるようにと、これにサインを……」「私は、現場で働く者と、それをまとめて指揮をする者を雇う……と言いました」 ジュリアンは頭を抱える。「それで……本当は何人来ているんだ?」「元第七分隊の者は、……全員です」 マークが、現状報告のように告げる。 当時、ジュリアンが指揮していたのは〝分隊〟だが、全部で十五人ほどいたはずだ。「現役の騎士が……、いきなり十五人抜けた……だと?」 額を抑えて、ジュリアンは椅子にどさりと腰を下ろした。「ジュリアン様。ローデン泉館で働きたいと言っている者は、第七分隊の者だけではございません」「はっ?」「ジュリアン様が務めておいでだった警邏隊や、王都で巡回をされていた地域の商店主など、こちらで働きたいと言ってる者は数多おります」 とうとうジュリアンは、返事もできずに口をぱくぱくさせるだけになる。「村への移住希望もございます。領民の受け入れに関しては、ジュリアン様のご判断が必要ですので、待ってもらっているところです」「無茶を言うな! そもそも十五人もいきなり増えて、食料はどうしているんだ? 騎士のような厳つい者が現れ
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 ローデン泉館の噂は、すぐにも広まった。 なにより、ジュリアンが式典で杖を手放していたことが、大きな宣伝効果をもたらしたのだ。「第三騎士団の遠征隊が、帰路に立ち寄ってくれているのも大きいですが」 ジュリアンの左腕をマッサージしながら、アルが言った。「個人的に休暇を取って、湯治に来てくれている者もいるな。村の集会場を、簡易な宿泊施設にしてくれているが、近々もっときちんとした宿を作らなければ」「芋以外の収穫物も増えていますし、湯治に来る者は、自身で食料を用意してくれています。そろそろローデン泉館に、飲食用の施設も追加して大丈夫なんじゃないですか?」「それは良いんだが……、また王都から、人を連れてくるなよ?」「以前にも言いましたが、こちらが引き抜いているわけではありません」 手首から肘、肘から肩と、香油を塗った肌を少し力を込めてマッサージされると、ビリビリと痺れるような感覚が走る。「んう……」「すみません、痛かったですか?」「いや、痛いわけじゃないんだ」 全く動かせず、ただぶら下がっていただけの左腕が、最近、わずかだが動くようになった。「痛覚が残っていたから、奇跡の泉の効果が出たのかな?」 ジュリアンの左手に、アルが自身の右手の指を絡めてくる。 目を上げると、アルの顔が間近に迫っていた。 求められるままに、唇を開く。──アルフォンスの唇が、気持ちいい……。 そこから、肌へと繋がる愛撫。 触れる指先も、唇も。 最初から一貫して、アルはジュリアンを宝物のように扱う。「私は……、きみに相応しくはないのに……」「それを決めるのは、俺ですよ」 耳朶を食んでいたアルが、そう言葉を返してきて。 ジュリアンは、自分が思ったことを言葉に出していたことに気がついた。「……私は
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11-2

 王都。 ヴァレンティン伯爵家のタウンハウスの前に、馬車が停まっていた。 窓のない黒塗りの馬車には、騎士団の紋章が描かれている。「それでは、失礼いたします」 襟に憲兵の徽章を付けた二人の騎士が、敬礼をして玄関先から辞す。 二人はそのまま、黒塗りの馬車に戻ると馬にムチを入れて走り去った。「奥様、ギルバート様が帰宅されました」 執務室の窓から、騎士団の護送馬車が立ち去るまでの一部始終を見ていたアデラインは、執事の報告にちらと目線をやる。「身支度をさせたら、寄越してちょうだい」「かしこまりました」 アデラインの執務机の上には、騎士団から送られてきた報告書が置かれている。──我がヴァレンティン家の嫡男が、なんてこと……。 窓辺から執務机に戻ったアデラインは、眉間を抑えてため息を吐く。 何度見直しても、内容が変わるわけではない。 マンティコアの護送における失態をきっかけに、ギルバートの醜態が次々と明らかになった。 いや、ギルバートのあれこれを、アデラインが知らなかったわけではない。 ただ聞こえてくる噂の内容と、派閥をまとめる能力を比較し、醜聞よりも能力が上回っている──引いては騎士団を、伯爵家を運営する力があると見做していた。──若い頃に、羽目を外すのは誰にでもあること……。 貴族として、裏の駆け引きは必要悪であり、それはアデライン自身も社交界を泳ぎ渡るために使っている。 しかし……。──あの哀れな子供に、なんてことを……。 報告書を手から離し、アデラインは両手でこめかみを抑え、止まらぬ頭痛に顔をしかめた。「奥様、ギルバート様がおいでになりました」「通しなさい」 扉を開いて入ってきたギルバートは、少しやつれた様子をしていたが。 瞳だけはギラギラと、異様に光っていた。「報告書を読みまし
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 ローデン泉館の入口に立ち、ジュリアンはラファエルから説明を受けていた。「先日、その向こうの開墾地に、簡易の宿泊施設の建設が終わりました。現在、皆が湯上がりに休憩用スペースとして使っている場所を、飲食ができるように改装する準備を進めています」「食料は足りているのか? 村から無理に徴発したりはしてないだろうな?」「とんでもありません。ローデン泉館で働く者たちの食料は、クリストファー様が王都の商会から買い付けたもので賄っています。また、飲食スペースで提供する食事は、一部の荒れ地を開墾して、野菜を栽培し、それで賄う予定です」「うん、それなら……」 表で騒ぎが起きているような喧騒が聞こえ、ジュリアンは会話を中断して振り返る。「様子を見て参りましょうか?」「いや、私が自分で行こう」 表の扉を開くと、そこで汚らしい男とアルがもみ合っていた。「アル、どうした?」「イアン様?!」「出てきたな、この穢らわしい娼婦の息子めがっ!」 アルを突き飛ばし、ジュリアンの正面に立った男を見て、ジュリアンは──咄嗟に全身が強張るのが止められなかった。 やつれた顔に、ギラギラと光る瞳。「あ……にうえ……」 ブルネットの髪にヘーゼルブラウンの瞳、大柄な体格までも、父ヴィクトルの姿形を受け継いでいる、腹違いの兄──ギルバート。「ギルバート様……?」 アルも、ラファエルも、そこにいる騎士団に所属していた──一度はギルバートを見たことがある者の全てが、ジュリアンの言葉を信じられないようにギョッとする。 それほどギルバートの姿は、騎士団当時とは様変わりしていた。「おまえが! 娼婦の性根の貴様の所為で! この俺がこのざまだっ!」「お待ち下さい。一体、ジュリアン様がなにをしたと言うのです?」 割って入ったラファエルを、ギルバートは乱暴に突き飛ばす。「寄るな! この平民風情がっ!」
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11-4

 アルは、ジュリアンの指が左右に振れたのを見て、ただ剣の柄を強く握るに押し留めた。──このクソ野郎。いますぐブッ殺してやりたい……。 と思っていたが。 もし本当に〝ブッ殺す〟としても、ジュリアンの目のないところですべきだ……という、理性も残っている。 だが、実際に縊り殺したいと思っているのは、本音だった。 ギルバートが今までジュリアンに強いた理不尽の数々は、決して許せるものではない。 ましてや、アルの知らないところで、体も尊厳も貶めるようなことまでしていたなどと……。 更にそれを、領民がいる場で蔑みながら嘲り、揶揄するギルバートに、腑が煮え繰り返る思いだ。 しかしそのギルバートを前に、ジュリアンは微かな動揺を見せはしたものの、冷静さを欠くことなく、淡々と対応している。 そう、思って抜剣をせずに耐えていたのに。「兄上が、この地も地位も欲しいとおっしゃるのでしたら、それをお渡しするのは、やぶさかではありません」 易々とギルバートの無体に応じるようなジュリアンの発言に、アルはもちろん、場にいる一同が狼狽え、ざわめきが波紋のように広がる。 だが、それに続くジュリアンの言葉に、ざわめきが静かに引いた。「今後一切、私の人生に関わりを持たないでいただきたい」──ああ、イアン様は本気で怒っているんだ。 ジュリアンは、唯々諾々と流されているのではない。 ただ湧いた怒りを、わざわざぶつけることすら煩わしいと思っているのだ。「なん…だと?」 ギルバートの顔に浮かんだのは、動揺だった。──なんだこいつ。イアン様が目障りなくせに……。 そう思ったのだが。 ギラギラした瞳で、ジュリアンの顔を……体を、執拗なまでに見つめる様子に、アルは気がついた。──違う。目障りなんじゃない、執着してるんだ。「貴様&hell
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12-1

 ローデン泉館でなにか騒ぎが起きたと聞き、マークはその場に駆けつけた。 だが、その時には既に、クリスとラファエルがギルバートを押さえつけ、ローデン泉館の外へ追い出していたところだった。「貴様ら、俺にこんなことをしてただで済むと思うなよっ!」 喚くギルバートを、ラファエルは蔑んだ顔で、クリスは呆れた顔で見やった。「もう一度言いますがね、元第一騎士団所属、大隊長殿。あんたもう、騎士でもなけりゃ貴族でもないんだよ。ここで諍いを起こしたら、ただの〝平民の喧嘩〟です。更に俺らが証言したら、あんたは〝領主様に暴言を吐いた〟罪に問われますよ?」「ちっ!」 舌打ちをしたギルバートの背中に、コツンとなにかが当たる。 騒ぎを聞きつけ、集まっていた領民の子供が、しゃがんで石を拾っていた。「このガキっ!」「ご領主様をいじめるな!」 別の方向からも、礫が飛んだ。 それを皮切りに、集まっていた領民から罵声が上がり、礫が次々に投げつけられる。「帰れ!」「立ち去れ!」「ローデンフェルの領主は、ジュリアン様だ!」 最初は唖然としていたラファエルとクリスだったが。 ギルバートの眉間に礫が当たり、血が滲んだことに気づき、慌てて民衆の抑制に走る。「よさないかっ!」 だが、そんな声で収まるわけもなく、ギルバートは両手で頭を庇いながら駆け去った。 やんやの声が上がり、ますます騒ぎが大きくなる中、マークは場の収拾に参加せずにギルバートの後を追う。──このまま、放っておいては災いになる。 第三騎士団第七分隊で、ジュリアンと共に戦ってきたマークは、ギルバートが執拗な嫌がらせをしていたことを目の当たりにしている。──全部、あの男の所為ではないか……。 よろよろと歩くギルバートの後を追い、マークはタイミングを伺った。 領境から少し離れた、人気のない街道に出るのを待つ。 距離を取りつつ後を付け、林に挟まれたカーブで一瞬、ギルバ
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12-2

 領民の興奮を抑え、ようやく場が落ち着いたところで、クリスは皆に囲まれている。 ジュリアンは既に領主館に戻り、泉館にはラファエルとカイルが残っていた。「ギルが平民って、本当なのか?」「ああ、本当だ。一刻も早くこの知らせを届けようと、王都から馬を走らせてきたんだからな」 クリスは一枚の新聞を取り出した。 ヴィクトル騎士団長の引退式典を報じたものだ。「次期騎士団長は、副団長だったマーベラス? ルイじゃないのか?」「いや、マーベラスも来年定年だろ。ギルバートの件でヴァレンティン伯爵家に悪い噂が付いたから、マーベラスを中継ぎにするつもりじゃないか? そもそも次男のルイがヴァレンティン伯爵を継ぐのに、色々あるだろうしな」「なるほどな。今までは長男様として幅を利かせていたギルが、突然いなくなったわけだしな」 突然、ローデン泉館の扉が開き、中にマークが駆け込んで来る。「お? どうした血相変えて」「……あ、……あの……」 皆の顔をぐるりと見回してから、マークは言葉をつまらせる。「おい、落ち着け」 狼狽え、自身を失っているようなマークに、クリスは立ち上がって傍に寄り、ラファエルはコップに水をくんで持ってきた。「ほら、これを飲め。なにがあった?」 渡された水を一気に飲み干し、マークは息を吐いてから改めて皆の顔を見る。「ギルバートが、殺された」「なんだとっ!」 場にいる者が全員、気色ばむ。「おい、本当か?」「まさか、マークがやったのか?」「違う! いや……違わないが、違う!」「意味がわからん、殺ったのか?」 クリスが冷静な声で問うた。 マークは一度黙り込み、ごくりと唾を飲み下してから口を開く。「あのまま返しては、今後必ずこの領への災いになる。だから……」
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12-3

 ラファエルを残して、クリスとカイルはマークと共に現場に向かった。 本人は付いて来たがったが、ローデン泉館を仕切っているラファエルがフロントを離れるのは、目立ちすぎるために留守番を任されたのだ。「その、カーブを行った先の……」 先頭を走っていたマークが、そこで言葉をつまらせる。「どうした?」「まさか!」 ほとんど悲鳴に近い声を上げ、マークは青ざめた。「しっかりしろ!」「ない! ギルバートの死体が……」 マークは、なにもない地面に膝を付き、オロオロしながら地面を叩いた。「ここに! 確かにここに倒れていたんだ! 胸から血を流し、目を見開いて!」「なにも……ないな……」 カイルの言葉に、マークは激しく頭を振る。「いや! そんなはずは……。あった……はずなんだ……」「落ち着け!」 クリスは腕を組み、しばらく周囲を見回しながら考え込むように口を噤む。 マークは呆然とクリスを見上げ、カイルは立ち尽くしていた。「……マークの見間違いの可能性は、一番最後に回すとして」 不安げなマークを安心させるようにクリスが言うと、カイルも同意を示して頷く。「確かに。マークの性格的に、それが一番ありえない」「本当に……信じてくれるのか?」「当然だ。と言うか、ギルを殺るなら、相談しろ」「クリストファー様は、止めると思いまして」「ギルが騎士団長の息子で、伯爵家の跡取りである限り、止めたさ。恨みを晴らすことよりも、アレを殺したあとに発生する面倒が大きすぎたからな」 アルやマークと違い、クリスはギルバートがジュリアンに行っていた暴行の詳細を知っている。 その反吐が出るような内容に、憤
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13-1

 しばらく、穏やかな日常が続いたある日。 執務室に、慌ただしい足音とともにアルが駆け込んできた。「イアン様!」「アル。ノックをしなさい」 嗜めるジュリアンに、アルがぶるぶると頭を振る。「落ち着いてる場合じゃありません! ヤバイの来ました!」「そんな家名、知らないんだけど、どこの誰?」「違います! ヤベーのが来たんですよ! ヴァレンティン伯爵家の奥方……じゃない、引退した奥様です!」「えっ? アデライン様がっ?」 ジュリアンは独立した準男爵家であり、ローデンフェルはその領地だが。 ヴァレンティンの姓を名乗っている以上、無縁とも言い切れない。 父のヴィクトルならともかく、本家の直系であるアデラインが来たとなれば、アルの狼狽えも大げさとは言えない。 ジュリアンは廊下を早足で急ぎ、扉の前で服の埃を払ってから、応接室へと入った。「アデライン様。ご無沙汰をしております」「こんにちは、ヴァレンティン卿。突然の訪問、すみませんわね」 ジュリアンが最後にアデラインに会ったのは、入団試験を受けるために王都に旅立った日だ。 アデラインは相変わらずきりと背筋を伸ばしていたが、その黒髪に白いものが混ざり始めている。「このような田舎まで足をお運びくださり、恐縮です」 茶器をやや乱雑に扱いながら、ぎこちない仕草でアルがお茶を運んできた。「なにもありませんが……」「気遣いは不要です」 向かい側のジュリアンを、アデラインは真っ直ぐ見つめてくる。 その後ろには、アデラインの腹心である老齢の執事が立っていた。 ギクシャクしながらテーブルから離れたアルに、ジュリアンはちらと視線を送る。 それに気付いたアルは、トレイを持ったままぴしりと気をつけのポーズで扉の傍に立った。「それで、ご要件はなんでしょう?」「今日は、あなたに謝罪に来ました」 ローデンフェルの所有権を主張
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13-2

 寝室のベッドの上で、ジュリアンは自分の左手を眺めていた。 全くの飾り物だった時に比べれば、肘や手首が曲がるようになったのは、まさに奇跡だと思う。 が、未だ指はうまくうごかない。「イアン様。お呼びですか?」 扉にノックが響き、アルの声がする。「うん。入って」 応えると、扉が開いてアルが部屋に入ってきた。「こんな時間に、呼びつけて済まないね」「どうしました?」「きみと、キスがしたくて」 しれっと言ったジュリアンに、アルが眉をひそめる。「また、俺をからかってるんですか?」「違うよ。今夜、きみともっと近くなりたい」「なんですか、それは! また、俺が生理的な欲求を溜め込んでるとか、言いたいんですか?」「ごめん。違うんだ」 ジュリアンは手を伸ばすと、アルの耳に触れ、それから髪を漉き、最後にその体を引き寄せて唇を重ね合わせる。「んむ……」「ありがとう。……そして、済まなかった。……私、きっとすごくきみの気持ちを蔑ろにして、踏みにじっていたよね?」 唇を離し、ジュリアンは両腕をアルの肩に乗せて、額をくっつけた。「……いえ……。イアン様がされた、酷い扱いを慮らず、一方的に気持ちや行為を押し付けたのは、俺です」「でも、きみは必死に、私の尊厳を取り戻そうとしてくれていた」 ジュリアンを見つめる榛色の瞳が、微かな希望を抱いたように笑んだ。 腕が、ジュリアンの体を抱き、ベッドの上にそっと倒す。 そしてアルからのキスを、ジュリアンはすんなりと受け入れた。「いやに、素直ですね」「言っただろう、きみとキスがしたかったって」 肩に掛けた両腕に力を込めて、ジュリアンはアルに抱きついた。「イアン様?」「様付けはやめてくれ、アルフォンス」
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