Alle Kapitel von 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない : Kapitel 251 – Kapitel 260

297 Kapitel

心配事はそれぞれに

「お館様」 ルビンスが真剣な顔つきで僕を見る。「なにか心配事でも?」「それはたくさんあるのですが……」 そんなにあるの?「仮に、この村が仲間になるのを拒絶した場合、どうなさるおつもりですか?」「どういう意味で言っている?」「この旅の計画ではこの村ともう一つ、二つの村を勢力下に収めると言うのが目論見です」「そうだったね」「この村が拒否した場合、出口を塞がれる形になってしまいもう一つの村どころではなくなります」「そだね」「そうだねではありません。どうなさるおつもりですか?」 そう繋がるのね。「そうだねぇ……武力制圧?」「そ、それではズラカルト男爵と変わらないではありませんか」 あれ? 案外青い?「もちろん、説得など武力行使をしない努力はするけど、最後は武力がモノを言うでしょ」「…………」「そうならないように、しっかり交渉しないとね」「……そうですね」「あー、ところで寝る訳だけど……やっぱり三人一部屋なのか?」「そうですね」 うむ、オギンの声が硬い。「念の為、交代で見張りましょう」「お、おぅ……」「オギン、なぜ見張りをしなければいけない?」「ルビンス様の心配事には提案に対する村の拒絶はあっても、寝込みを襲われることはないんですか?」 ね、寝込みを襲う……。「な、なるほど、言われてみれば可能性はあるな」「本来ならば三交代がいいんですけどね、お館様にさせる訳にはいきません」「え? いいよ。僕もやるよ」「…………」 なに? その嫌そうな顔。「確かにお館様にさせることではないな。お館様、ここはワタシたち二人でつとめさせていただきます」「そ、そう?」 なんかモヤモヤするけど仕方ないよな。「では、お館様。おやすみ
Mehr lesen

事業の見直しはにっちもさっちもいかなくなる前にした方がダメージは少ない-前篇-

 翌日の午前中は質疑応答で始まった。  村長以外に三名が立ち会っている。  おじさん二人とおばあさんだ。  メリットデメリットの話である。  僕はにこやかに笑っている担当。  基本的にはルビンスが答えてオギンが補足する。  質問は多岐にわたっていた。  ルビンスは丁寧に説明責任を果たしている。  兵役のこと、税制のこと、村の改革などびっくりするくらい誠実に過ぎて、笑顔が引きつることもある。  純朴な村との交渉だからいいものの、ルビンスは交渉ごとに向いてないのがまる判りだ。  ルビレルの方が年の功というかもう少し老練だろうけど、これじゃ貴族の中で世渡りするのは大変だったろうなと思うよ。 ひと通り疑問を解消し、村側の質問が出尽くしたのを見計らって僕が昨日同様に締めくくる。「どうやら質問は出尽くしたようですね。こちらは誠実に答えさせていただきました。できれば色よいお返事をいただきたいものです」「ぜ、善処します」 うん、手応えは悪くないようだ。「村を視察させてもらっていいですか?」「え? あ、あぁ……なにもない、いたって平凡な村ですけど」 ホント、純朴だねぇ。  もし、敵対したら攻められることになるんだけど。  ま、この調子だと、十中八九今回の交渉は成功だろうな。  僕らは村長の家を出て村を散策する。  村の大きさは奥の村と同程度、ここも二百人くらいにはできる村だ。  各家庭でクッカーやジップが飼われていて、家の周りは自家栽培の野菜などが育てられている。  ざっと家の数から現在の人口を推察するに五、六十人といったところだろうか?  子供の数が少ないなぁ。  昨日通ってきた耕作地は広いけれど、ルダーの管理する畑と違って成りが悪い。  今年は奥の村の代官やってもらっているから無理だけど、ここも農業改革してもらわなきゃならないよなぁ……。  それにしたって町にこもっていた時はたくさんの人材がいるつもりだったけど、他の村を管理しようとしたら途端に人材不足が露呈した。
Mehr lesen

事業の見直しはにっちもさっちもいかなくなる前にした方がダメージは少ない-後篇-

(今、領有しているのは二ヶ村で、ここが受諾すれば三ヶ村になる。当初の予定ではもう一ヶ村降す予定だったけど、支配下に置くには人材が足りないんだ)(人はいっぱいいるのに?)(信頼できる有能な人材がいない)(じゃあ、どうするの?)(そこを今考えていてさ、とりあえず今年はこの村だけで諦める。この村も来年までは直接支配下には置かない)(あら、じゃあ無駄足?)(いや、この旅は無駄じゃないよ。課題が明確になった。あとは課題をクリアしていくことにリソースを割く)(人材育成だ)(うん。それと……三つの村を見て判ったことがある。村のままじゃあ防衛ができない)(町みたいに柵を作るの?)(どうするかは僕一人じゃ決められないかな。ジョーが戻ってきたら戦略会議を開くことにする)(あら、課題山積っぽいのにずいぶん楽しそうね) 知らないうちに笑っていたようだ。  僕はその後も日が暮れるまで農作業を手伝って村長の家に戻る。「農作業をちゃんと見たのは初めてだったのですが、大変な作業ですね」 帰りがけにルビンスがそう感想を述べてきた。「初めて?」「ええ、視察などで村々を回ることは何度かありましたが、通り過ぎるばかりで見ていたとは言えません。お館様の下に降った後も町中にいるばかりで畑仕事がどういうものかは見ておりませんでした」 そういえば、事務仕事や僕の稽古に付き合わせるばかりだったかもしれない。「村に戻ったら、時々農作業を手伝うといい。どれほど大変か判るから」「……そうですね」 なんだ、その間は。  騎士のプライドかなにか?  人の心の内はよく判んねぇんだよなぁ……特に生まれ育ちが違うとさ。  僕は何不自由なく過ごした幼少期、バブルを謳歌した高校時代から不況が直撃した社会人時代という前世と、田舎の不便極まりない農村で過ごした少年時代を持っていて、他の人よりは生まれ育ちに理解があるつもりだけど、この世界の街の暮らしは知らないから
Mehr lesen

旅の予定変更って日本だと結構大変なことなのだけど

 第五中の村が僕の傘下につくと決めた後、いくつかの取り決めをするのに一日、ルビンスとオギンに方針転換を説明してこの後の計画を変更するのにさらに一日の時間を要した。  当初の計画ではこの後、第三中の村へ行く予定だったのだけど現状これ以上村を増やしても統治できないので、一旦領土拡大を白紙にして有用な人材を登用するために商都ゼニナルへ向かうことにしたのだ。  スケジュール的には秋までに帰ることができればいいのだけど、それでもオグマリー市には行けそうもないのが残念だ。「オグマリー市は勘弁してください。顔の知れていないお館様はともかく、ワタシは元々オルバック家の家臣だったんですよ」 あ、そうよね。 商都ゼニナルはズラカルト男爵領最大の商業都市だ。  オグマリー区には代官オルバック家のいるオグマリー市とゼニナルの他に二つの町、十三の村がある。  というと、日本人としてはずいぶん広いように感じるかも知れないけど、村ってのは感覚的には○○町××集落とか、字××的な存在で、いうなれば集落だ。  立地の悪いオグマリー市の代わりにオグマリー区の農産物を集積していたらいつの間にか男爵領最大の商都になっていたということらしい。  日本的に考えるとオグマリー市が中心市街地でゼニナルは商業地、二ヶ所の住宅街と十三の農業集落で構成されたズラカルト県オグマリー町みたいなもんかな。  ゼニナルはオグマリー市と違って人の出入りが激しい町なので、人材のスカウトにうってつけじゃないかと思ったのだ。  ということでゼニナルに出発するという朝、ベハッチ村長が、なにか言いたそうな顔で見送りに出てくれる。「何かありましたか?」 と、ルビンスが訊ねると、「あの……こんなことを言うのは筋違いかと思うのですが、ここ数年、奥の村へ行く旅人が多くてですね……」 おおっと!?  ベハッチが言うには政情不安による(実際には便乗した)増税で、ただでさえ苦しくなっている食料事情の中、奥の村に向かう旅人に供する食料が多大なる負担である、と。「なるほど」 そいつぁ盲点だった。  
Mehr lesen

田舎モン、街に出る

 僕らはゼニナルへの旅を行く。「結界の寝袋使う必要なくなっちゃったね」 と、僕が言う。  必要だったのは第三中の村の途中だったのだ。「使わなければ、使わないに越したことがありません」 と、オギンは素っ気ない。「寄るのは第四中の村と第六先の村だったよね?」「はい、第四中の村までは徒歩で二日、第六先の村は片道一日の距離です。その先、二日の旅程でゼニナルです」 森林を切り開いただけの山道はお世辞にも歩きやすい場所とは言えない。  街道の整備が遅れているのは誰のせいだろうか?「なんで街道を整備しなかったんだろう」 僕の問いにルビンスは「田舎道を整備するといいことがあるのですか?」 と訊いてくるし、オギンは「辺境の農村地域にそんな投資はしませんよ」 と言う。  ここいら辺が中世水準なんだな。  でも、古代ローマは街道整備に相当注ぎ込んでたよな?  あれ?  じゃなんで中世の街道に「ひどいイメージ」があるんだろ?  まぁ、いいか。  第四中の村、第六先の村をつつがなく通り過ぎ、僕らは商都ゼニナルに到着した。  その名に違わない盛況ぶりだ。  久しぶりに人で賑わっているのを見た。  町の人口も増えてきたとは言え二百人に満たない。  そこ行くとこの街は六三〇〇人規模の立派な街だ。  出入りの人たちも数えれば、常時一万人はいるのだと言う。「さて、お館様。まずは何をいたしますか?」 オギンがホルスの手綱を曳きながら訊ねてくる。「まずは宿の確保だな」「それなら、アテがあります」「ルビンス様、大丈夫ですか?」「ん? 大丈夫だろう。ところでなにが大丈夫なんだ?」 あは、以外に天然よね。「オギンに頼もう」「はい」「え? なぜですか?」「本当に判ってないの?」
Mehr lesen

必要な人材

「で? お館様自らお越しになられた理由はなんですかね?」「ヘッドハンティング」「なんですか、それ」 ああ、そうよね。「要は優秀な人材を捜そうと思って」「どんな人材ですか?」 僕は指折り数えて必要な人材を数えていく。  ルビンスがそれを紙に羽ペンでリストにしていく。  ちょいちょい「あ」とか「また」とか呟くのはなんだ?  思いつく限り出し切ったら「ずいぶんな人数ですねぇ」 確かにずいぶんな人数になった。  一度にスカウトできそうな人数じゃないので、リストを見ながら優先順位をつけようと紙を覗き込むと「なんじゃこれ!?」 思わず声に出しちまったが、紙がボロボロになっている。「すいません。ペン先が引っかかって……」 ああ、紙質と羽ペンの相性が悪いんだな。  僕は自分の鞄から木炭に粘土を混ぜて成形したなんちゃって鉛筆と新しい紙を渡す。「おかみさん、オギン。このリストの職業で人材にアテのあるものは?」「武器の鍛冶屋にはアテがあるよ。学者先生ってのは具体的にどんな物知りがいいんだい?」「読み書き算盤ができればひとまずいいかな? 子供たちに教える人材だから、教え方が上手だとなおいい」「商業都市だから、まあその手の人材に事欠かないだろうけど……」「じゃあ、地理に明るいと言う条件を追加しよう」「地理ですか? さすがお館様ですね」 さすがにルビンスは意図が読めたらしい。「どういうことですか?」「地形、植生、季節ごとの特色などを知っていると戦術を立てやすいんだ」「戦ですかい?」 おかみさんが鼻白む。「ゼニナルじゃまだ無縁かい?」「そりゃあ、商業都市ですからね。噂はたくさん入ってきますよ。なんでも今、この街に王族が潜伏しているとか」 はい?「いまさら王族でございなんて言われてもねぇ」 王権の失墜こ
Mehr lesen

仲間集めと避けられなかった運命

 翌日、僕らはまず女将さんの紹介状を持って鍛冶屋を訪れる。  鍛冶屋の親方は紹介状を受け取ると質問一つすることなく一人の男を連れてきた。  名前はサイコップ。  小柄な体躯だが両手で掴んでも指を回しきれないほど太い腕を持つ男だ。(ドゥワルフの血が入ってるみたいね) と、リリムがささやいてくれる。(ドゥワルフ族と人族は交配できるのか)(ナルフ族と人族も交配できるのよ。でも、不思議なことにドゥワルフ族とナルフ族間では交配できないのよね) 不思議だね。  親方からサイコップにはほとんど説明がなく「今日からこの人に仕えろ」 と、唐突にぶっきらぼうに言われたようで、いかつい顔に困惑の表情を浮かべている。  仕方ないので次の人材に会いにいく道々、ルビンスに説明させる。「てことは、ワシを独立させてくれたってことですか?」 そうとも言える。  現金なもんだ。  やる気に満ち溢れ出したぞ。  もう一か所は六階建てのアパートのようだった。  木造建築で六階建てって結構チャレンジングじゃないか?  入り口脇の管理人室で在宅を確認し、階段を五階まで上ると、ドアをノックする。  出てきたのはなかなか整った顔立ちの中年女性だった。  頬がこけていて手足も細く栄養不足感が拭えないが、ちゃんと栄養をとればそこそこの美人さんだと思うがな。  中年とはいえ美人さんに胡乱な目つきで見られるのは居心地が悪いな。  僕は目配せでルビンスに事情を説明させる。  最後まで話を聞いた後、結構な数の質問をしてきた彼女はやがて目をすがめて腕を組んだ。  あー、玄関先で立ち話させるだなんて、学者先生は日常生活がこれだ。  なんて思っていると「判りました。こちらの条件を全て呑んでいただけるのでしたらその町とやらに同行しましょう」 と、言ってくれた。  その後、アンミリーヤと名乗ってくれた学者先生は、僕らを部屋に入れて条件提示に入る。  ここら辺
Mehr lesen

懐に飛び込んできた窮鳥-前篇-

「ごめんなさい」 僕の上に倒れ込んだ少女はハスキーな声でそういった。  身分が高いのか走りにくそうな格好だ。「サラ様っ」 護衛なのか、がたいのいい男が声をかけてくる。  すでに怪我だらけのようだ。「追われてるのか?」「え? ええ……」「オギン、ルビレル」「承知」 オギンはサッと目の前から姿を消す。「なにをすれば?」 そうだよな、何をするのが最善だ?「繁華街は?」「こちらです」 ルビンスが先導に立つ。「お前たちは」 護衛の男が問う。「詮索してる暇ある?」「む……」 襲ってくるやつが迫っているのに護衛は一人、素性は判らなくても助けてくれるというやつの提案。  さて、のるかそるか?「任せた」「ダイ!?」 腹が据わってんな。  つーか、覚悟を決めた、か。「このジャン・ロイ、あなたに代わって守り通そう」 ダイと呼ばれた護衛がうなずいたのを確認した僕は、サラと呼ばれた少女の手を引いてルビンスの後を追う。  背後から戦闘の音がする。  立ち止まり、振り返ろうとするサラを少し強引に引っ張りメインストリートに出る。  ひとまず人混みに紛れることには成功したけど、サラのこの格好は庶民の中だとやっぱり目立つ。「服屋は?」「さぁ」 ルビンス、使えない。「こちらです」 オギンの声が背後から聞こえる。  ますますかげろうのお銀じみてきた。「オギンより地味に見繕え」「かしこまりました」 二人を店に突っ込むと、ルビレルと二人店先で待つ。  追手は見ていないが、人探しの物騒な人物という見立てで周囲を警戒する。  二人が出てくるまでに四半時間あったけれど、それらしいのはいなかった。  オギンの先導でな
Mehr lesen

懐に飛び込んできた窮鳥後篇-

 部屋に入ってきたサラは憔悴しきった表情でうつむいている。  たぶん、護衛全滅が判っているのだろう。  年の頃は十代、僕とあまり変わらないだろう。  体のラインがまったく判らない今の庶民服はともかく、出会った時の衣装から考えて細い感じのコだ。  下敷きにされた時もそんなに重みを感じなかったしな。  髪は適当に切られたようなおかっぱなので、長い髪を何らかの事情でつい最近バッサリ切ったんだろう。  笑うと愛らしい表情になるだろう好みの顔立ちだ。「さて、僕はジャン・ロイ。二人はルビンスとオギンだ」「……サラです」「君を守り通すとダイと約束したわけだけど、訳も判らず守り通すのは難しい。事情を説明してくれないか?」 長い沈黙が続き意を決したサラは改めて自己紹介してくれた。「王位継承権第九位だったフラタイ・マグタンの一人娘サラ・マグタンです」 あー、もう伏線回収しちゃうのね。「サラ自身の継承権は?」「百六十二、三位だったかと」 いやいや、どこまで継承権広げてんの!?  そりゃあ国も乱れますがな。「今は二十番手くらいですね」 と、オギンがいう。  えっと、つまりざっと百三十人位亡くなっちゃってんのね?  ルビンスの補足によると、ソクタンカ仲爵が自分が庇護していた王位継承権を持っていたかも怪しいヨワーネという王族を討って以降、王族が次々と討たれているという。  自力で領土を守っている王族は現在一応戴冠している簒奪王と三人の僭称王のみ。  みんな正当性は疑わしい。  血縁・姻戚関係にある一部貴族は継承権者を庇護してそれを大義名分に覇を唱え、それ以外の貴族は下克上を狙って王族の血縁者を見つけては討つという情勢らしい。  継承権を持つ王族は今や三十人位とのことだ。  それでもまだ結構多くない?「で、誰の庇護下にもいないサラは粛清対象として狙われている。という認識でいいのかな?」「はい。父が不
Mehr lesen

こんなところ

「というこで、僕はサラを庇護して覇を唱えることになった」 と、同席していたルビンスとオギンに宣言すると、サラが目をぱちくりさせる。  あら、かわいい。「あの、ジャンは一体……」 どこの馬の骨だと思われてるのかしら?「ご存知ないのも仕方ありません。この方は昨年ズラカルト男爵に反旗を翻した農民の頭領です」 そ、そうね、貴族に判りやすく説明するとそんな感じになるよね。  なんかモヤッとするけど。「まぁ、ではオグマリー市で噂に聞いた叛逆者」 うわっグサっとくる、ちょっと怯えた感じなのグサっとくる。  どんな尾鰭がついて噂されてるんだ?  そしてなにか望まぬ決意をしたような表情になるのショックだわ。「と、とにかくだ、僕らはこの街に人材を求めにやってきた。明日も心当たりを二ヶ所訪れることにしているわけだけど、どうしよう?」 サラを連れ歩くわけにはいかないけど、一人で宿に残すわけにもいかない。「たしか、学者先生候補がもう一人と軽業師でしたね」「軽業師ですか?」 サラが不思議そうに訊ねてくる。「そう、軽業師」「優秀な人材に心当たりでもおありですか?」「城館に出入りしていた軽業師のお弟子さんに有望だと褒められていた兄弟がおりましたが、こんなところまで逃げ落ちてしまいましたので……あ」 こんなとこ……この規模の街がこんなところっていうんなら、僕の町は何と呼ぶんでしょうね? リリム。(この世の果て?) グッ……。  あながち間違っていないのが悔しい。  精神的大ダメージをくらってなかなか立ち直れない僕に代わって、オギンが情報を詳しく聞き出してくれる。
Mehr lesen
ZURÜCK
1
...
2425262728
...
30
CODE SCANNEN, UM IN DER APP ZU LESEN
DMCA.com Protection Status