Alle Kapitel von 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない : Kapitel 261 – Kapitel 270

297 Kapitel

ジャン、サラと街をぶらつく

「名前は確かケーンとギンヌ。バクロサという軽業師のもとで助手をしながら修行していました」「バクロサ?」「知っているの? ルビンス」「ああ、有名な軽業師だ。しかし、だとすると……」 なんだなんだ?  いわくがありそうな物言いだな?「いや、バクロサ一門ならそれこそこんなところには来ないだろうから、頭の片隅に留めておくだけにしよう」「お館様、サラ様を助ける際に気になる人物を見かけたので探したいのですが」「どんな人物だ?」「以前あくどいキャラバンで用心棒をしていた女なんですが、腕は確かで根はいいやつなんですよ」「名前は?」「キャラです」 はい、採用。  美人だといいなぁ。「しかし、そうなるとますます困ったぞ」「何を困っているの?」 箱入りだったのか?「まず、元々の予定だった二ヶ所の訪問と人探しにサラの警護。どう振り分けるべきかと思ってね」「二手に分かれましょう」「簡単にいうなよオギン」「簡単ですよ。サラ様だとバレなきゃいいんでしょう?」 翌日、僕らは僕とサラ、オギンとルビンスに分かれて行動することになった。  サラはオギンに変装を施されてどこにでもいそうな町娘になった。  目の覚めるような美人や、印象に残ってしまう不美人にはしない特殊メイクってのは実はなかなか難しいことだと思うんだけど、そこは優秀な情報戦士うまいさじ加減だ。  ついでに僕もメイクをしてもらって別人になりすます。  これで僕自身の印象もなくなったろう。  そんなこんなで学者先生のところへ行ってスカウティングをしていてふと、(あれ? あさって集合した時別人だったら学者先生困んじゃね?) とか思ったけど、ええい、ままよ。  その後、ホルス市を見て回っていてふと、気になったのでさらに質問をする。「ホルスには乗れる?」「え? あの……」 はいはい、乗れそう
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突然美人との縁が続くのはやっぱり不幸の始まりなのか

「大丈夫? 顔色悪いよ?」 半日過ごして話し方が砕けた結果、雰囲気女子高生化しているサラが訊いてくるが、「大丈夫」を連呼する以上のことができない。  これ以上挙動不審で注目を浴びるのは得策じゃないので宿に戻ることにした。  その帰り道のことだ。  気になる一団を発見した。  女ばかりの四人組。  色っぽいナイスバディの長身美人とガラが悪いというか荒事の好きそうな女たち。  庶民とは一線を画したボディラインを強調する動きやすそうな格好に、これ見よがしな武器の携行。  これは気になる。「なにを見てんのさ」 おっと、じろじろ見てたつもりはなかったのだけど、絡まれてしまったぞ。  ここはどう対処するのが最善なんだろう?  その一、目をそらしてそそくさとその場を去る。  その二、言い訳をしつつそそくさとその場を去る。  その三、馴れ馴れしく話しかけて……いやいや、こんな手段で「なろう展開」に持ち込めるわけがない。  現実はそんな甘いもんじゃないだろ。  そもそも、そんな交渉力は持ち合わせちゃいない。「何とかいったらどうなんだい!?」 やべ、対応を悩んでいたら逃げられない状況に追い込まれる。「あ、いや、そこのお姉さんがキレイだったものでつい、すいません」「へぇ」 声まで色っぽいじゃあありませんか。「その顔で女連れてるだけでもありがたいくらいなのに、あたいらに色目使うとかふざけんなよ」 ずいぶんな言われようだなぁ、おい。「そもそもあんたのことはそんなにじっくり見てないぞ」 ちょっとムッとしちゃったんで思わず言い返しちゃったよ。  やばいやばい。  なんというか、堪え性がないな僕。「なんだとコラ」「やめな」「キャラ姐さん」 今なんと!?
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見抜く目

「キャラ?」「なんだい? あたいのこと知ってるのかい?」 トゲがあるのに艶っぽい。  さっと、取り巻きが攻撃的な気配を強くする。  いやいやいや、喧嘩っ早すぎるだろ。  今にも飛びかかってきそうな女たち相手に丸腰でどうにかなるとは思えない。(小刀があるじゃない) 確かに肥後守みたいな小刀は村を焼け出された時も持っていた農民必携のアイテムで今も懐にはあるけれど、これはあくまでも日常生活用であって戦闘用じゃないぞ。  こんなので相手の短剣に勝てる気はしない。  そもそも僕の得物は基本竹刀だ。  しかも今はお姫様を守る必要もある。  あんまり大事にしたくない。  目立つのは得策じゃないのだから、勝ち味のない大立ち回りになる前に知恵を絞らなきゃ。「えと……オギンに聞いてたもんだから」「オギンって、ジョーのキャラバンにいたオギンさんかい?」「そう、そのオギン」 警戒心を解かない三人と違い、キャラの気配だけが少し緩む。「誰なんですか? そのオギンって」「あたいの恩人さ。で? あんたはオギンさんとどういう関係なんだい?」 さて、どう答えるのがいいんだ?  素直にすべて答えるのはこの場合得策じゃないよな。  でも、嘘やごまかしもこの後の関係に影響するよな、絶対。「主従関係?」 なぜ、疑問文にした、自分。「しけた手下だね。そのオギンって見る目ないんじゃない?」 あれぇ?「ホタル、見る目がないのはあんただよ」「キャラ姐さん!?」 くくく、いい気味だ。  しかし、なるほどオギンが是が非でも接触したいと思うわけだよ。  頭もきれるようだ。  他の三人も戦闘力はあると見た。  なまじな男よりよっぽど強いだろう。  僕でも一対一で勝てるかどうかって感じかな?  命かけるつもりは毛頭ないけど。
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強運だろ?

「じゃあ、オギンさんはこの街にいるんだね?」「いる。今は用があって別行動をしているけどね」「別行動ねぇ」 ホタルったっけか? 信じてねぇの?  少し情報開示しないとな。「そ。昨日、そこのキャラさんを見かけたとかで、今探しているんだ」「あたいを?」 あれ? 打つ手を間違えたか?  キャラの気配が硬くなったぞ。「あ、ああ。あくどいキャラバンで用心棒をしていたんだって? 根はいいやつだからって心配してた」「オギンさん……」 鼻で笑う姿が妖艶だ。「あんたについて行けば、オギンさんに逢えるのかい?」 僕は、無意識でサラを見たらしい。「あんたはあたいを信用していない?」 すごい洞察力だよ、まいったね。「あくどいキャラバンからは抜けたよ。うちらを助けてくれたんだ」 大きな胸をやたら強調した格好の女がいう。  嘘じゃなさそうだ。「お互い警戒しなきゃいけないことがあるってことだな」「みたいだね」「僕はジャン。明日の昼にオギンを連れてくるよ。場所を指定してくれ」「いいよ」 待ち合わせの場所を聞いて僕らはその場を離れると、サラの手を引き人混みの中を歩く。  キャラたちもそうだけど、サラの追手の警戒が今は最重要だ。  宿に戻ったときにはまだ二人は戻っていなかった。  戻ってきたのは日が暮れた後。  だいぶ捜したようだけど結局見つからなかったようだ。「えっ!? 遭ったのですか?」 強運だろ?「判りました。明日、ご一緒いたします」「うん」「では、明日はワタシがサラ様を護衛すればよいのですか?」「明日も誰かに会う予定あったっけ?」「いえ」「じゃあ、宿で待機」「え?」「宿で待機」「わ、判りました」 なんで残念そうなのかな
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そりゃあ簡単には信用は勝ち取れないよね

 翌日、午前中は昨日と同じ変装をして四人で旅の準備として色々と仕入れ、昼に合わせて待ち合わせの場所にオギンと移動する。  待ち合わせの場所に近くなるとオギンがため息をつく。「……よほど警戒されていますが、なにをしでかしたのですか?」「え? 何もしてないよ」 なにその信用していない目は?  待ち合わせの場所は人気のない空き地で、キャラが一人で立っていた。  なるほど、他の三人は僕らをずいぶん前から見張っていたのか。  キャラに近づくと後ろから一番喧嘩腰だったホタルと胸の大きなコチョウが、キャラの背後から一番肌の露出度が高いキキョウが現れる。  あ、名前は昨日帰り際に聞いている。「久しぶりだね」 最初に口火を切ったのはオギンだった。「お久しぶりです。オギンさん」 キャラが丁寧に応じる。  その後は互いの旧交を温め、世間話に花が咲く。  それによると、悪徳キャラバンにいい加減嫌気がさしていたキャラはある晩男たちに襲われかけたホタルを目撃、その男たちを叩きのめす。  それに手を貸したのがキキョウとコチョウだったようだ。  どうもキャラ以外の三人は戦闘員としてより女としてキャラバンに囲われていたってことなんだろうな。  確かにゲスだな。  で、武器どころか着るものもろくにきていない男どもは叩きのめせたが、いくら戦闘力が高くても多勢に無勢、逃げの一手とここまで逃げて来たということのようだ。  なるほど、警戒されるのも無理はないし、やたら突っかかってきたのも一種の虚勢、自己防衛反応だったってことだな。「──それで? オギンさんはあたいらをどうするつもりで捜していたんです?」「あたいの下で働いてもらいたくてね」「ジョーのキャラバンにはいないですよね? 今は一体なにをしてんです?」「この人の元でちょっとね」「え? こいつが主人なんですか!?」 やっぱ見る目ないね、ホタル。
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一を聞いて十を知る部下

 出発の朝、僕らの泊まっている宿にキャラがやってきた。  オギンがサラのメイク中だったので僕が対応する。「オギンさんか……どっかで会ったかい?」「会ったもなにもここのとこ毎日会ってるんだけど?」「お館様!?」 あー、そうか今日はメイクをしていないんだったな。「こっちの顔で覚えてくれ。で?」「はい。昨日から怪しい連中が街をうろついていたので、念のためお知らせにきました」「それは僕じゃなくサラだな」「サラというと、最初にお館様とご一緒だった少女ですか?」「うん。僕もそれなりにお尋ね者だけどね」 こっちは顔のろくに知られていない田舎の反乱者、向こうは王位継承権を持ち追われているお姫様だ。  と、ざっと説明する。「なるほど」「ホタルたちは?」「はい、念のため連中をキキョウに見張らせ、ホタルとコチョウには宿の周りを見張らせています」 有能!  今後の方策を検討するためにキャラを部屋へ通し、五人で話し合うことにする。「ごめんなさい。私のせいで」 と、早速謝りにかかるサラ。「気にすることはありません」「そうそう、倒すだけなら造作もないんだ。残りは五人だったよね?」「はい」 オギンが頷く。「五人ですか?」 キャラが疑問を呈する。「何人いたんだい?」「三人でした」 それはあれだな、この街の南北にある門に張り付いてるんだろう。  ここは男爵領内最大の商都だから街の規模もなかなか大きい。  見張りが一人なら振り切ることも容易だけど、問題はそのあとなんだよなぁ……。  できればこの一、二年はひっそり力を蓄えたい。  だから出来る限りそろっと逃げ出したいんだよ。  ということで、オギンとキャラに囮になってもらおうと提案するが、「無理がありませんか?」 なんでよ? ルビンス。
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今頃かよっ!

「あれで作戦が判るんですか?」「たいてい思った通りに動いてくれるね」 たぶん今回もサラが着ていた服をホタルに着せて、程よく逃げて回って僕らに合流してくれるだろう。「さすがオギンさんですね」「さて、僕らは予定通りに北門から出るよ」 オギンの代わりをキャラに任せるため今後の予定を説明し、身支度を済ませて宿を出る。  僕らが乗ってきたホルスが三頭。  うち二頭にこの街で仕入れた荷物を載せる。  残り一頭は有事の際の騎乗用だ。  待ち合わせの場所に行く途中でコチョウが合流する。  待ち合わせ場所にはすでに鍛冶職人サイコップと文学者のアンミリーヤが待っていた。  到着するとすぐにルビンスたちが交渉に当たっていた医者のソルブ・ドーザーとジャンヌ夫妻が、デミタという植物研究家を連れて現れた。  ありがたいことだけど、みんな荷物が多すぎないか?「案の定、みんな荷物が多いな」 と、いいながら最後に現れたのは歴史学者のウォルターである。  彼は、ナート、ヨーコという二人の助手にホルス二頭立ての荷車をひいてこさせている。  荷車にはずいぶんと空きがある。「ほれ、さっさと荷を載せて出発しようではないか」 ウォルターに促されてみんな荷車に荷を積み込む。  そこにキキョウが現れキャラに耳打ちをする。「お館様、喰いついたようです」 オギンが首尾よく北門から見張りを引き剥がし、仲間と合流させたようだ。「よし、じゃあ出発しよう」 総勢十三名の大所帯になった一行は北門を出て帰路につく。  帰路も好天が続いて徒歩なりに順調に旅は進む。  第六先の村、第四中の村を通って第五中の村への道程半ば、夜営の準備をしているところにオギンとホタルが合流した。「遅くなりました」 なんていうけどむしろ早かったと思うね、僕は。「首尾は?」「上々です」「ご苦労」 ちらりと見たホタルはいつものホタルだった
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旅はいつでも驚くことばかり

 第五中の村についた日、ベハッチは僕らの人数に驚いていた。  そりゃそうだ。  行きは三人帰りは五倍、五倍ながらも通りゃんせってなもんだ。  村を立つ前に町に飛行手紙で食糧の件を頼んでおいたのが二日前に届いていたようだけれど、村長宅に泊まれる人数じゃないからだろうな。「寝泊りはキャラバンと同じ扱いでいいよ」 と、いった時の安堵の表情ったらホント、笑っちゃうくらいの胸のなでおろしっぷりだった。「ここも、お館様の領地なんですか?」 と、訊ねてきたのはデミタである。  植物研究家の彼女には植生などいろいろ興味もあるのだろう。「まぁ、一応領地になる話はついているんだけどね」 なんとも歯切れの悪い僕に代わってオギンが新人さんたちに事細かに説明してくれる。  なんたる敏腕秘書っぷり。「お館様の家臣たちを見ると、ワタシはなにを学んできたのかと落ち込むことが多くて……」 その気持ち、よく判るよルビンス。  でも、ルビンスもこと戦闘力では僕の家臣で五指に入る実力者だよ。  しかも我流ではなく騎士として指南役から教わったものらしいきれいな太刀筋のおかげで、僕の剣術稽古が捗る捗る。  昔の勘をようやく取り戻せたから感謝感謝だよ。  第五中の村から中一日で奥の村へ。「よぉ! ようやく帰ってきましたね」 と、ルダー一家に迎えられ。「なんですか、この無駄に立派な建物は!?」 と、開口一番びっくりしていたのはアンミリーヤだ。  そういや、この国では高額納税者だけがルンカー造りの家に住めるんだっけね。「僕の領地では基本、新規建設分は百パーセント全戸ルンカー造りだ」「てことは、ワシらの家もルンカー作りにしてくれるということかね?」「もちろんだよ」 僕の領地に来た移住者が最初に僕に感謝するのはやっぱコレよね。「あ・もちろん希望するなら木造でもいいよ」 そこは自由と平等の民主主義を(前
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共通の趣味は盛り上がる

「割り振り……ですか?」 と、訝しそうに聞いてきたのはイラードだった。「そう。町にだけ人材を集めてもダメだからね」「なるほど」 ここに来るまでの七日ほどの間、僕は出来る限りコミュニケーションをとって人となりや能力の把握に努めてきた。  それを基に町と村どちらに割り振るかを大体決めては見たんだけど、今日ここでルダーとイラードに試案を精査してもらおうと決めていたわけだ。「で? どう割り振ってみたんです?」 やっぱりルダーの頭の回転は速いらしい。「まず、文学者であるアンミリーヤと鍛冶屋のサイコップ、医者のソルブ・ドーザーと奥さんのジャンヌに植物研究家のデミタをこの村に残そうと思っている」「植物研究家! そりゃいい」 と喜んだあたり、百姓の血でもうずいたか?「植物学に興味があるの? 嬉しいね。わたしは街中で評価されずに鬱屈してたから、子供たちに読み書き教える気はないか? って、ジャンヌに誘われてさ、もうそれもいいかと思ってついてきたんだけど」「なんてもったいない! 植物の研究がどれほど人類に有意か判らないなんて、この世界の人間はなんて愚かなんだと思っているんだ」 …………。「意気投合して盛り上がるのはまた後でやってくれないか?」 二人が盛り上がりまくって話が進まなくなったので、二人の話の腰を折る。「ああ、すまんすまん」「お館様の人選にはどんな理由が?」 知的興味か、実務の都合か、イラードが訊いてくる。「アンミリーヤには読み書き算盤の先生を、医者を残すのは町には魔法が使えるチャールズがいるから。植物研究家は今見た通りだ。ついでに貨幣経済導入促進のためもある」「なるほど。治療費は金で払えと……。しかし、金がかかるとなれば読み書き算盤など習わせないと考えるものも多いかと思われますが?」 ここを出るときはイラードちょっとどうなの? って思ってたけど、思考の怜悧さはこういう時には遺憾なく発揮されるね。「うん、義務教育として僕
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そんなつもりじゃないからぁ!!!!

「うん、義務教育として僕が払う」「は?」 なんて間の抜けた声を出したのは金がらみで存在を否定されかけたアンミリーヤ。  他の人も意味が判っていないようだ。  一人ルダーだけはにたにたと笑っている。「読み書き算盤は僕の考える国づくりの基礎の基礎だ。すでに成人してしまっているものには無理強いはできないけど、子供たちには学びたいと思う子たちに学びの機会を作る。そのための費用を国で出すのも僕の国づくり。大人たちには子供たちに学びの機会を提供する義務がある」「子供たちに読み書き算盤を教えるとどんないいことがあるんですか?」「いい質問だよ、ホタル。子供たちを教え育むと実に多くが優れた人間になるのだ。これを教育という」「足りない人材を他所から連れてくるのではなく、自分たちで作るというのですね」 さすがはサラ。「町の方はどうするのです?」「大丈夫、ウォルターは歴史学者だ。当然読み書き算盤を教えられる」「読み書き算盤くらい助手の二人で十分じゃよ」「じゃああんた、なにやんだよ?」「ワシか? ワシはもちろん歴史の研究じゃよ。最奥の村は我が国建国の歴史に関わっておると言われておるでの。来てくれと言われて一も二もなく話に乗ったわ」 言ってウォルターはガハハと笑う。  歴史に触れたら腰を抜かすだろうね。「で? 残りの女性陣は全部後宮行きか?」 ゔはっ!!「ルダー!?」「いいじゃねぇか。一国一城の主人になんだろ? そろそろ嫁もらわねぇとカッコもつかないだろう」 イラード、ヘレン! うんうんとうなずかない!  アニーも一緒になってうなずかなくていいから!!  そこ! ルダー以外に見えないからって腹抱えて笑うんじゃない!「彼女たちはオギンの下で働いてもらう諜報員だから! 違うからね!?」「わ、わたしに諜報は無理です」「サ、サラぁ!?」「後宮に入るのはサラ様だけですかね?」
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