読み書きを習い始めて判ったことは、この国の文字が表音文字だってこと。 それもアルファベットより仮名文字に近い。 これはすごくありがたい。 なにがありがたいって表意文字より圧倒的に覚える文字が少なくて済む。 そして仮名文字の最大の特徴は文字の並びで発音・読み方が変わらないってことだ。 「knight」で「k」を発音しないとか、ある意味余計なことを覚えなくて済む。 ただし母音だけで三十あるとか、拗音促音濁音に半濁音まで発音全部に文字が当てられているのが、二十六文字しかないアルファベットや五十音と呼ばれる仮名文字との違いだ。 最初はどの文字がどの発音を表しているのかを覚える。 ザイーダに指さされた文字の発音を答える。 間違えると罰ゲームで、僕は腕立て伏せや腹筋。 子供達は広場を一周だ。 なかなかにスパルタ教育だ。 次に地面に棒切れで黙々と文字を書いて覚える「書き取り」。 次に絵物語を読む……といった具合でまさに初等科教育さながらだ。 三軒目の家が完成する頃には四人とも一通り書物が読み下せるようになっていた。 なるほど、確かに僕は人よりちょっと優秀にしてもらっている。 前世の経験も生きているのだろうけど、四人の中で一番物覚えが早かった。 さて、大量の書物を読んで判ったことは、まずこの国がウズルマサル大陸にある八カ国(と、一自治区)の一つリフアカ王国だってこと。 国名は知ってたけどね。 大陸の南東部に位置していて、四カ国と国境を接している。 そのうちの一つがジョーの出身国ラシュラリア王国だ。 この村は王国内の北北西、二つの山脈の麓に当たる僻地で、山脈を超えればブチーチン帝国。 まぁ、今まで山脈を超えて行き来が行われた記録はないらしいので必然的に山脈からこっち側が王国で向こう側が帝国という国境線が引かれているようだ。
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