Onlyéのブランド名の由来は、ダーマコードのホームページにも載っていた。「Onlyéの名前の由来は『唯一のあなたへ』だったよね」 澪が仁の言葉を遮って言うと、仁はうなずいた。「対外的には、な」「対外的って、どういうこと?」 仁の目を見つめて問いかけると、仁は目を逸らすことなく澪の目を見つめ返した。「Onlyéのコンセプトは、澪が知っているとおり『あなたの肌が、あなただけの答えを知っている』だ。これは、澪の肌質をSNSで探る中で感じたことなんだ。ひとりひとり、肌質は微妙に違う」 真剣な顔をしている仁は、研究者そのものだった。「うん、そうだよね。あたしもいろんな化粧品を試して、しっくりくるものがなくて探すのに苦労したもん」「そうだ。澪がSNSでそうつぶやいてたから、少しでも多くの人の肌悩みに寄り添いたいと思った。俺の原点は全部、澪のためなんだよ」 澪は膝の上で手を組んだ。「……その話と、Onlyéの名前の由来って、つながってるんだよね」「まあ、ブランドのコンセプトも名前の由来も、聞かれたときにすんなり答えられるようには設計したな。けど――」 仁は言葉を切り、息を吸った。 畳の縁を、夕方の光がゆっくりと横切っていく。「Onlyéの本当の名前の由来は、『Only+é』だ。『é』は、澪のイニシャルであるMをフランス語で読んだ『エム』を表している」 え、と声が出かかって、喉の奥で止まった。「『唯一の、澪へ』。……澪だけのために、っていう意味でつけた」 仁の言葉が頭の中をすり抜けていった。今、なんと言ったのか、すぐには理解できなかった。視線をさまよわせたあと、ようやく仁と目を合わせる。仁の顔は真剣そのもので、嘘や冗談を言っている様子はなかった。「あたしだけの……ために」 そう口
Zuletzt aktualisiert : 2026-09-20 Mehr lesen