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模試が近づき、放課後は蒼人を道連れにして学校へ残るようになった。 図書室は人が多いので、いつもの教室で勉強する。 向かい合わせに座っていても、会話はほとんどない。 シャーペンが紙を走る音だけが静かに響く。 きっと、お互い負けたくない。 そんな空気が流れていた。 ◇ 休憩しようと顔を上げる。 夕日に照らされた廊下を、男女二人が並んで歩いていた。 女の子は吹奏楽部の子だった気がする。 男の子はその隣で、重そうな楽器ケースを当たり前のように持っている。 最近、毎日のように見る光景だった。 部活終わりなのか、いつも楽しそうに笑い合いながら帰っていく。 隣にいることが当たり前。 その距離感が、とても自然だった。 「いいなぁ……。」 気づけば、声が漏れていた。 「何が。」 参考書から目も離さず、蒼人が聞いてくる。 「あ……あの二人。」 窓の外を指差す。 「付き合ってるのかなって。」 蒼人も一瞬だけ目を向ける。 「関わったことないから知らない。」 「だよねー……。」 それだけの会話。 また教室は静かになった。 シャーペンを持ち直す。 でも、問題文は頭に入ってこない。 樹くんにとって。 私も、あんなふうに隣にいるのが当たり前の存在になりたかった。
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-08-09
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