縁が結ぶ影 〜神解きの標〜「退屈な日常が、いっそ歪んでしまえばいい──」
気だるげな高校生・浅生輝流(あさい・あきる)が抱いた破滅的な願いは、禁足地『神鳴山(かみなりやま)』で、最悪の形で現実となる。
軽い気持ちで参加した肝試しをきっかけに、彼は山を支配する怪異『百貌様(ひゃくぼうさま)』と、理不尽な縁を結ばされてしまうのだ。
その日から、輝流の日常は歪み始める。
手には、捨てても戻ってくる呪いの証『涙型の黒曜石』。
そして、これまで見えなかった、この世ならざるモノたちを視る『目』。
彼は、神の『所有物』となった。
しかし、神の悪意は、輝流の幼馴染・穂乃果(ほのか)を次の『生贄』として指名する。
神の謎を解き明かす『標(しるべ)』とは何か。
理不尽な運命を断ち切り、少女を救い出すことはできるのか。
これは、神に選ばれてしまった少年の物語。