気づいたら棚がモンスターで埋まっていた。俺は昔から手にとって細部を観察するのが好きで、マンティコアのフィギュアにもいろいろな売り方を見てきた。小規模なメーカーは工夫を凝らしていて、たとえばレジン製の
ガレキを限定数だけ出して、ナンバリングや作者サインをつけることで希少価値を高めている。完成品とはまた違う「自分で仕上げる楽しさ」を前面に出す戦略だ。
一方で中堅の玩具メーカーは、一般店頭向けにリーズナブルな価格帯でシリーズ展開を行い、色違いや装甲違いのバリエーションを複数用意してリピート購入を狙う。海外のメーカーではパッケージに背景設定のカードを同梱して、世界観ごとコレクションさせる手も効果的だと感じた。限定版は金属塗装やクリアパーツを使って付加価値を付け、イベント先行販売に回すことで話題性を作る。
さらに最近はクラウドファンディングを使う事例も増えていて、そこでは最初から豪華なボーナスパーツや大判のジオラマベースを特典にして資金を集める。どの方法も「どの層に届けたいか」という問いに対する答えの違いで、マーケティングの多様性がそのまま商品の形になっているのが興味深い。