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映画好きな年長の観客として観点を変えて話すと、作品の由来を確認するのが好きなんだ。
『ワイルドストロベリー』は1957年に公開されたベルイマン作品で、彼自身が脚本を書いているオリジナル映画だ。だから小説が原作というわけではなく、出版社に「原作小説として刊行された」という履歴は存在しない。映画史の文脈ではこうしたケースは珍しくないし、観客が「原作は?」と尋ねるのは自然な反応だと思う。
比較のために挙げると、『ノルウェイの森』は明確に小説が原作で映像化された事例だが、『ワイルドストロベリー』はその逆で、映像が先にあって体系化された脚本や研究書が後から書籍化されるタイプに属する。だから出版社を探すよりも、脚本集や研究書がどの出版社から出ているかを確認するのが現実的なアプローチになると僕は考えている。
混同しやすい話題だから丁寧に整理しておくよ。
私が調べた限り、『ワイルドストロベリー』はそもそも映画作品で、原作の小説が存在するわけではない。正式なスウェーデン語タイトルは『Smultronstället』で、イングマール・ベルイマンが脚本と監督を務めたオリジナル映画だ。だから「原作小説がどの出版社から出たか?」という問いには、厳密には答えがない。小説としての原典が存在しないため、出版社名は存在しないのだ。
それでも混乱が生まれるのは、映画作品が後になって脚本や解析本、翻訳本として書籍化されるケースがあるためだ。そうした書籍がどの出版社から出ているかを探すのは意味があるけれど、それは「原作小説」ではなく脚本集や研究書という扱いになる。僕は映画史や脚本集を何冊か見てきたけれど、『ワイルドストロベリー』の「原作小説」は存在しない、という点だけは明確に伝えたい。
確認しておきたいのは、私の結論はシンプルだということ。
『ワイルドストロベリー』は小説が原作の作品ではない。イングマール・ベルイマンの脚本を基にした映画であり、したがって『原作小説がどの出版社から出たか』という問いに対しては「該当なし」と答えるのが正しい。実務的には、その映画に関する書籍や脚本の翻訳が出版社から出ている場合があるが、それらは原作小説ではなく二次的資料だ。
映画が原典となっているケースは意外と多く、観る側が混乱しやすい。例えば脚本段階でまとめられたテキストや解説書が書籍化されれば、それがあたかも「原作」のように扱われることもあるが、元々の創作形態を基に判断すると『ワイルドストロベリー』に原作小説は存在しない、という点に落ち着く。
図書館でタイトルを探す癖がついているので、この手の混乱にはちょっと敏感なんだ。
端的に言えば、『ワイルドストロベリー』に関しては原作小説という形の出版物は存在しない。作品はイングマール・ベルイマンによるオリジナル脚本を基にした映画であって、後から小説化されたオリジナル作品ではないからだ。だから「出版社はどこか?」という質問は、存在しないものを尋ねていることになる。
たとえば同じく映画オリジナルの作品である『パンズ・ラビリンス』も最初は脚本・映像作品であって、後から関連書籍が出ることはあるけれどそれらは派生物に過ぎない。『ワイルドストロベリー』についても、脚本集や解説書は出版社から出ているかもしれないが、それらは「原作小説」ではない、という認識で探すと迷いが減るよ。