偽りの十年に終止符を
私、白石優芽(しらいし ゆめ)は血の繋がらない従兄の笹川祐輝(ささがわ ゆうき)が好きだった。
しかし彼は、同窓会の席で皆が見ている前で、私の親友である佐伯恵瑠(さえき える)にプロポーズした。
幸せそうな二人を見ていたら、私は急にひどく疲れてしまった。
そこで、ずっと私のそばにいてくれた幼馴染の清水悠楓(しみず はるか)を結婚相手に選んだ。
結婚してからの十年、悠楓は来る日も来る日も私を愛し、甘やかしてくれた。私たちには可愛い娘の清水結月(しみず ゆづき)も生まれた。
ところが今日、家族の食事会で、恵瑠の息子の笹川陽斗(ささがわ あきと)がわざと結月に向けてロケット花火を放ち、怪我をさせたというのに、悠楓はなんと結月を突き飛ばし、陽斗を抱き上げてそっちの怪我の具合を確かめた。
結局、結月は花火のせいで一生消えない傷を負い、陽斗は手に軽い火傷を負っただけで済んだ。
悠楓を問い詰めようとした矢先、彼が祐輝に話しているのを偶然聞いてしまった。
「恵瑠と結婚できなかったのは俺の一生の心残りだ。彼女がいなければ、誰と結婚しても同じさ。
しかし、優芽は抱き心地がいいし、他の男に譲りたくないからな」
こらえきれず、大粒の涙がこぼれ落ちた。
この十年の愛情は、徹頭徹尾、残酷な嘘っぱちだったのだ。
彼の心に私が一度も存在しなかったのなら、この関係を根底から清算してやる。