遠くへ嫁いで七年、私は後悔した
東条理人(とうじょう りひと)のために、私は何不自由ないお嬢様としての暮らしを捨て、はるか遠い土地へ嫁ぎ、彼を中心に生きる妻になった。
七年後、理人は初めて私の実家に一緒に帰ると約束したのに、妊娠した愛人を優先して、あっさり私をすっぽかした。
その若い女子学生はSNSに投稿していた。
【東条先生、パパになるんだよ!】
添えられていたのは、陽性反応が出た妊娠検査薬の写真と、東条家の一家全員と彼女が一緒に写った写真だった。
よそ者の私を何かにつけて煙たがっていた義父母は、彼女を見る目だけがやけに優しかった。
私は何も言わず、ただ「いいね」を押しただけだったのに、理人から問い詰めるような電話がかかってきた。
「朝倉芙美香(あさくら ふみか)、お前いつあいつと繋がったんだ?俺に付きまとってる以外に、やることないのか?
友達も家族もいないのかよ。俺を監視して楽しいのか?
美月ちゃんが怯えてお腹まで張ったの、分かってるのか?お前、本当にやりすぎだ!
なんで俺はあの時、こんな女と付き合ったんだろうな!」
私は静かに答えた。
「だったら、一緒にいなければいいでしょう。
理人、離婚しましょう」