嫌われ者の私が死んだ後、皆は共に滅んだ
七歳のとき、両親は仕組まれた交通事故で命を奪われた。
兄は冷たい言葉をかけて、私の泣き叫ぶ声も聞かず、私を孤児院に送り込んだ。
兄はそう言った。「春乃、僕のそばには危ないから、全部片づいたら迎えに来るからな」
しかし、私が送られたのは悪質な孤児院で、そこで私は何度も死にたくなるほど苦しんだことを、彼は知らなかった。
だが、私がいなくなったら兄がきっと悲しんだ。そう考えると、私はどうしても死ねなかった。
十八歳のとき、ついに兄が養妹の西村奈々(にしむら なな)を連れて、私を迎えに来てくれた。
兄は奈々の手を握りながら、申し訳なさそうに言った。「春乃、奈々は僕と一緒にずっとつらい生活を暮らしていた。あなたみたいにのんびり過ごさなかったんだ。だから、彼女に少し思いやりをして」
私は笑って頷いたが、心の中では思っていた。もう、誰かが兄と一緒にいられた。私、やっと安心して死にできた。
その後、私は病床で兄に泣かれ、声が枯れるほど「見ていてくれ」と頼まれた。だが、私はもう二度と目を開けられなかった。