夫も息子もあの女を選ぶんだから、離婚する!
夫の初恋の人は、もう助からない病気にかかっていた。
夫の神谷雅臣(かみや まさおみ)はよく星野星(ほしの ほし)に向かってこう言った。「星、清子にはもう長くはないんだ。彼女と張り合うな」
初恋の人の最期の願いを叶えるため、雅臣は清子と共に各地を巡り、美しい景色を二人で眺めた。
挙句の果てには、星との結婚式を、小林清子(こばやし きよこ)に譲ってしまったのだ。
5歳になる星の息子でさえ、清子の足にしがみついて離れなかった。
「綺麗な姉ちゃんの方がママよりずっと好き。どうして綺麗な姉ちゃんがママじゃないの?」
星は身を引くことを決意し、離婚届にサインして、振り返ることなく去っていった。
その後、元夫と子供が彼女の前に跪いていた。元夫は後悔の念に苛まれ、息子は涙を流していた。
「星(ママ)、本当に俺(僕)たちのこと、捨てちゃうのか?」
その時、一人のイケメンが星の腰に腕を回した。
「星、こんなところで何をしているんだ?息子が家で待っているぞ。ミルクをあげないと」