パーティーで死にかけている
婚約者の幼なじみは、私が先天性心疾患を抱えていると知ると、わざと私のシャンパンに高濃度のエナジードリンクを混ぜて入れた。
それを口にした途端、心拍数は急激に跳ね上がり、心臓を締め付けられるような激痛が何度も襲ってきた。
慌てて唯一持っている救急薬を取り出したが、薬を飲むための水は高濃度のレモネードにすり替えられている。
それを一気に飲み干した瞬間、私の顔から血の気が引き、ついに耐えきれずその場に崩れ落ちた。
「レモネードにはビタミンCがたっぷりで、酔い覚ましにも健康にもいいんでしょ?」
シャーロットはこれ以上ないほどおかしそうに笑い、腕を組んで私の婚約者、ロールストーンギャングのボスを見やった。
「イーサン、あなたの婚約者はさすが女優ね。本当に演技が上手いわ。
私は長年医者をしてきたんだけど、シャンパンとレモネードを少し飲んだだけで、そんなに苦しむ人なんて見たことないわ」
私は血が滲むほど唇を噛みしめ、苦しさで溢れそうになる涙をこらえながら、目の前に立つイーサンのズボンの裾を掴んだ。
「お願い……救急車を呼んで。私、もうダメなの……」
イーサンの瞳に一瞬の動揺が走ったが、すぐに周囲の客たちの声にかき消された。
「いい加減にしろ。シャンパンとレモネードで死ぬ奴がいるか?」
「そうだそうだ。シャーロットの昇進が妬ましくて、祝杯を挙げたくないだけだろう?」
イーサンは瞬時に冷徹な表情に戻ると、一歩横にずれ、彼の裾を掴んでいた私の手を無情にも振り払った。
「シャーロットは医者だ。彼女がいる限り、パーティーでお前に何か起きることはない」
私は彼に縋るのをやめ、父に助けを求めるメッセージを送った。