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最終話 恋するチューリップ《2》

ผู้เขียน: 砂原雑音
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-05-25 19:52:41

近頃毎朝、一瀬さんと一緒に開店時間前にブーケ作りの練習をしている。

うちで出るブーケは大抵スィーツセットのミニブーケだが、それは季節ごとに花の種類を決めて四パターンから選択するようになっているから問題ない。

だけどお客様からオーダーされた場合の花の合わせ方は、不安が残る。

こればっかりは経験とセンスだし、色んな組み合わせを自分で考えて実際に作ってみるのが一番だ。

なので、毎日一つ、一瀬さんに自分で考えてもらった花束を作ってもらうことになった。

「え、もしかしてそれ、マスターが作ったってこと?」

「そうです! 可愛いでしょう?」

はっきり言って私は役得だ。

当分の間、毎日一瀬さんから花束をもらえることになったんだから。

「へー……なんとかなるもんだね。ここんとこマスターまで朝早く店に降りてるのは、その為かあ」

「なんとかなると思います。一年目は夕方には私もお店にいるし……二年目は多分、学校の方に専念させてもらいますけど」

春までひと月ほどあるし、それまでに毎日作っていれば、急なオーダーの時にも対応できるんじゃないかと思う。

話しているうちにいつの間にかヒーターが効いて、車内の足元は随分温かい。

ふと窓の外を見ると、相変わらず雪が視界を埋め尽くしているが家の近くまで戻ってきているのはわかった。

「ってことはさ。卒業したら?」

「勿論、またフルタイムで働かせてもらうつもりです。マスターが了承してくれたら、ですけど」

「マスターだってそのつもりでしょ。だから自分がブーケ作るって言い出したんじゃないの」

「えっ?」

「綾ちゃんの場所ちゃんと残しとく為じゃないの?」

あ……と、思い当たる節に顔を上げた。

新しいバイトの子は、できるだけホールに専念してもらいますから、と一瀬さんが言っていた。

勿論、その子が長く勤めてくれれば、ずっとそういうわけにもいかないだろうけど。

「そうだったら、嬉しいな」

もしも一瀬さんが本当にそう思ってくれたなら。

にへにへと顔が緩むのがこらえられなくて、両手で頬を覆っていると運転席から「あーあ」とわざとらしい溜め息が聞こえた。

「綾ちゃん、振られたって言ったくせに。なんか、そのあとの方がいい雰囲気なんじゃないの?」

「えええそんなことはないですよ」

「顔緩み過ぎじゃない?」

呆れた声でそう指摘され、きゅっきゅっと自ら頬を手で押さえて誤魔化した。

あの
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