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第388話

Author: ルーシー
玲奈は少し驚いたものの、「うん」と返事をした。

まだ時間は早く、春日部家の人々は誰も帰っていなかったが、使用人たちはすでに夕食の準備に追われていた。

昂輝は贈り物を渡し、玲奈の顔も見た。

それでも、帰るそぶりをまったく見せなかった。

そして七時になり、春日部家の面々がようやく揃って帰宅した。

昂輝は夕食に引き留められ、断らずに応じた。

食事の間、健一郎はずっと昂輝に話しかけていた。

最初はごく普通の質問ばかりだった。

だが会話が弾み始めると、健一郎は昂輝の家庭のことまで尋ね始めた。

「家では一人っ子なのか?」

「はい」

「ご両親は健在?」

「はい。

ふたりとも働いています」

「ご両親の年齢は?」

「健一郎さん、父はもうすぐ六十で、母は五十六です」

健一郎は、声を少し伸ばして「へえ、そうか」と言った。

質問しているのは健一郎だけだったが、秋良と直子もしっかり耳を傾けていた。

ひと通り聞き終えると、健一郎はそれ以上は深追いしなかった。

だが、その表情からすると、昂輝の条件にはかなり満足しているようだった。

昂輝も鈍いわけではない。

春日部家が自分を好意的に見ていることは理解していた。

そこで食事の半ば、彼は立ち上がって順番にお酒を注いで回った。

ひと通り終えると、最後に玲奈へ酒を差し出し、言った。

「玲奈、君の前途が明るく、これからすべてが順調でありますように。

そして......」

愛情にも、たくさん恵まれますように。

そう続けたかったが、その言葉だけはどうしても口にできなかった。

食事が終わると、昂輝は春日部家の人たちとしばらく談笑した。

だが、そろそろ長居すべきではない時間になり、これ以上邪魔をしてはいけないと思い立つ。

席を立ち、みんなにひとりずつ挨拶をした。

挨拶を終えると、春日部秋良が突然玲奈に向かって言った。

「玲奈、東君を送ってきな」

その意図は明らかだったが、玲奈は従うしかない。

「わかったわ」

昂輝を連れて春日部家の外へ向かうあいだ、ふたりは一言も話さなかった。

家の門に着いてようやく、昂輝は振り返って尋ねた。

「......大丈夫か?」

玲奈の瞳には戸惑いが浮かんだが、彼女は小さくうなずいた。

「うん、大丈夫」

昂輝の目は深く揺れていた。

何度も何か言いかけ、結局飲み
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智恵子
行かなくていいんじゃね?
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