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第54話

Penulis: Hayama
last update Tanggal publikasi: 2026-02-15 12:00:00

「そんなところで何してるの?」

声が背後からふわりと届いた。

その瞬間、心臓が跳ねた。

風の音に溶けていた静けさが、彼の声で一気に現実に引き戻される。

「壱馬さん、」

名前を呼ぶだけで、喉が少しだけ詰まった。

お風呂上がりの壱馬さんは、髪がまだ少し濡れていて、肌もほんのり赤くて……

その姿が、直視できないほどにかっこよかったから。

思わず目を逸らしてしまう。

見てはいけないものを見てしまったような、そんな気まずさがあった。

「風邪引くよ?」

壱馬さんの声はいつも通り優しくて、でもその優しさが、今は少しだけくすぐったかった。

「お花が、綺麗で」

なんとか言葉を絞り出し、視線を花に戻す。

枯れかけていたはずなのに、水をやったせいか、ほんの少しだけ元気になったように見えた。

「あぁ、貰ったんだよ」

壱馬
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