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第五話 キャンプ用品巡りデート(その二)

last update publish date: 2025-06-02 10:31:43

 ——そうこう言っている内に最初の目的地着いた。

場所は、いつも行き慣れている大型ホームセンター。

目的は木炭と薪などの購入、ドラムコードの下見をする予定だ。

早速入り口から入ると、季節ものが堂々とコーナーとして設けていた。

今はバーベキューやピクニックに使うレジャー用品がメインになっている。

やはりレジャーシーズンになると、置いている用品がより多く揃っていた。

「空、木炭は十キロのもので良い?」

「うん、あと、薪があったらそれも二束ぐらいあればお願い」

「OK!」

当然のことだけど、炭や薪にも色んな種類がある。

木炭は我が家でよく使うバーベキュー用の炭のことだ。

(これが安定した火力が出来るから、扱いやすいのよね)

薪は、広葉樹・針葉樹と二種類ある。

我が家では特にこだわりはないけれど、どちらかというと針葉樹が多い。

焚き火など火のつけ始めの回りが早いからだ。

もちろん、火力や燃えやすさ、燃焼時間に違いがある。

(針葉樹のいいところは、着火した後の速さと火力。広葉樹は、火力の安定感から薪ストーブにいいらしい)

どちらとも良いところと苦手なところがある。

その良いところを活かすのが私達の工夫や使い方だろう。

(そうだ、これも買っておこう)

他に次々と欲しい品物をカートへ入れていき、日用品も買い足していった。

キッチンペーパーやラップ、ウェットティッシュとかも最近買いに行けてなかったからだ。

「ここでの買い物はこれぐらいかな?」

「うん、多分……大丈夫と思う」

必要なものを一通り買い揃えることが出来た。

だが……。

(あ、ドラムコードがある。そういえば、この前……)

先日、LIMEでドラムコードについて話していたことを思い出す。

「ねぇ、恭弥さん」

「ん? どした?」

「ドラムコードはどうする?」

「あぁ、そうだなぁ。一回、見てみるか」

ドラムコードが置いているコーナーを見に行くことにした。

けれどこの店舗では、種類はそんなに多くなかった。

「うーん……。値段はまぁ良いんだけど……」

「うん?」

「俺、思ったのはドラムコードよりも電源ポータブル的なものが良いんじゃないかなぁ? どうなんだろう?」

こちらも、一長一短で悩ましいところだ。

そんな中で彼の判断はこうだった。

「今回は保留?」

「悩みどころだけど、一旦保留だな。他は大丈夫?」

「うん」

「じゃあとりあえず、これで会計行こっか」

会計へ向かったらセルフレジで全て精算し終え、店をあとにした。

 ◇ ◆ ◇

次は、ホームセンターから車で十五分くらいの場所へ走らせた。

近くにある大型ショッピングモールの方だ。

どうやら恭弥さんは、ちょっと寄りたいアウトドアショップがあるということで向かっている。

「俺、ちょっと店員さんと話すことあるから、その間何か見たいものあったら見てきて良いよ」

「あ、うん……。わかった」

返事を返した後、彼はレジカウンターへ向かった。

ひとまず彼が会話している間、ショップ内の商品を一通りに見ていこうと思う。

クッカーや焚き火台・ランタンなどが各コーナーごとに並べられている。

(まずは、ランタンから……。アイデアやデザインなど色々と考えてるなぁ……)

それぞれの会社で工夫していると、感心しながら見ている。

ランタンもヴィンテージ的なデザインがある。

他にも、灯りプレートの取り外し可能といった画期的な使い方が出来るランタンも展示されている。

(へぇー、こんなやり方や器具もあるんだね)

今は昔からあるオイルやガス缶だけではなく、LEDタイプの充電式など電気で灯りも取れる時代だ。

キャンプ用品も年単位のペースではなく、日々進化している。

(次は焚き火台コーナー……。ん?)

あるメーカーが製作した、聖火台みたいなデザインの焚き火台が目についた。

その焚き火台を見て、ふと思う。

(エンスタ映えの為の物かな……? それにしても、凄くオシャレな形だなぁ)

私もエンスタグラムで写真投稿出来たら良いなぁ……とは思う。

けれど、自信を持って人に見せる勇気がないと思ってしまった。

なぜなら、恭弥さんみたいにセンスがないからだ。

(それに……これを使った後の片付けや手入れする場合も大変だろうなぁ)

やはり一番は手軽さといった実用的なことを考えてしまう。

見本用に置かれた展示品のテントも見回り終えると、今度はある道具を目にした。

(あっ、あのケースに入っているものって、確かナイフとかかな?)

ふと見つけたのは、ショーケースに並べられた刃物関連のコーナー。

ここも、色んなメーカーから展示している。

刃を折りたたまず専用のケースで覆うシースナイフ。

取手の中へ折りたたむものはフォールディングナイフ。

他にも、薪割り用に使用するナタや大小さまざまの斧も一緒に売り物として置かれている。

(そろそろ、もう一本、フォールディングナイフを買いたいなぁ)

なぁんて、頭の中で使っているシーンを想像しながら思ったりしている。

そうなると、定番で売れているメーカーが製作しているナイフの方が良いのかなと迷っちゃう。

(それにしても、恭弥さん……まだ女性の店員さんと楽しそうに話してるなぁ……)

私がそう思って羨ましそうに見えたのが、彼なりに気づいたみたいだ。

恐らく私からの視線を感じただろう、ようやく切り上げようとしている。

そして彼は店員との話を終わらせ、紙袋を持ちながら小走りに駆け寄ってくる。

「ゴメン、空。長々と待たせてしまったな」

「……ううん、大丈夫」

「ん? 空、体調悪いのか?」

「そっ、そんなことないよ、本当に大丈夫、だから……」

少し誤魔化したけど、今日は連休の最終日。

だから、ちゃんとお買い物デートを楽しまなきゃ。

無理矢理だけど気を取り直して、別の店へ巡って行った。

(本当はもっと傍にいて、一緒に商品を見ながら色々話したかったなぁ)

本音を心の中で呟きつつも、彼に悟られないようにしまっておくことにした。

——こんな貴重なデートの時間なんだから大切にしたい、と。

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