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ピロトーク:厳かなブランチの僕と俺2

ผู้เขียน: 相沢蒼依
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-07-06 21:17:38

「涼一、ちょっとがっつきすぎだ。喉を詰まらせたらどうする?」  

(こうして俺が作ったものを、いつも美味そうに食べてくれて嬉しいけどな……)  

「あ、うん。でも……仕事の話の邪魔になるんじゃないかと思って」  

 目の前でナポリタンを頬張りつつ、チラチラ鳴海の顔色を窺う。

(――そうか、涼一なりに気遣ってたのか) 

 「悪いが鳴海は客じゃねえ。手土産も持ってこないヤツの面倒は、俺は見ねえよ」 

(しかもコイツは、いい場面を見事にぶち壊しやがったからな!) 

「桃瀬先輩、そんな冷たくしないで! お願い! 企画書を見てくださいって!」  

「見てあげたら? 困ってるのに」  

 涼一が助け舟を出したことに、俺の機嫌がめっちゃ悪くなった。

「さすがは人気作家の小田桐センセ! すげぇ優しい!」  

「いや、別に。郁也さんがせっかく早上がりしたのに、遠慮なく押しかけてくるのどうかなって」  

 レタスをバリバリ食いながら、ぽつり呟く。事実を突きつけられた鳴海は、思いっきり固まった。 

 「ぷっ! やられたな鳴海。手土産なしだとこうなるんだぞ」  

(――やっぱり涼一は優しいな。俺のことをちゃんと気遣ってくれてる)  

「キレイな顔してズバッと言うんすね。俺、帰った方がいいっすか?」 

 苦笑いする鳴海の目の前に、そっと右手を差し出した。

「とりあえず、三木編集長に出す前に見せてほしいんだろ。褒めねえから覚悟しろ」

「ありがとうございます! 編集長のツッコミ、実はすごく苦手で……」

「あー、まあな。でも間違ったツッコミはしねえし、指示は的確だろ」 

 三木編集長。専務のコネでジュエリーノベルに引っ張られて来た逸材。編集部に顔を出し、現在刊行している雑誌を手早く読んで、バッサリ言いやがった。

『こんなつまらん雑誌、誰も手に取らんわ!』 

 そして連載をフェードアウトさせ、作家と編集を洗い直し。なぜか営業の俺に声がかかった。

『こういうのはな、作家が仕事したくなる面構えじゃなきゃダメだ』 

 そう言い放った三木編集長の言葉を聞いて周りを見ると、確かに男女とも見た目がグレードアップしていた。くたびれたオッサンズは、どこへ飛ばされたのか……。  

『俺はジュエリーノベルのジュエリーを研磨しに来た。君たちもガッツリ研磨するぞ!』  

 メガネを上げてギロリと睨む目が、めっちゃ怖えのなんの!  

『ジュエリーノベルの読者層は今まで中高年向けだったが、幅をもっと広げる。専用のホームページを作って作品を掲載、続きは雑誌で読んでもらう仕様にする。それと同時にコンテストを開いて、読者の心に響く作家を発掘。これでいく!』  

 その運営で、休刊寸前の雑誌を2年でトップに押し上げた。まさにミラクル編集長と言える。

「いろんな意味でやり手だな、三木編集長」  

「でも、ダメならサクッと突き返してくれりゃいいのに、変なことを言って押し返されるから困るんすよ」  

(――確かに。かけられる言葉が励ましだと気づくのに、1年もかかった)  

「元高校教師だから、諭し方がそうなる。奥さん、元生徒らしいし」  

「うわ、そっちでもやり手! それで教師を辞めたんすか?」  

 ムダ話してると涼一が食事を終え、じっとこっちを見ていた。話しかけてほしい感が満載だったので、微笑みながら問いかける。  

「どうした? まだ足りねえか?」

「ううん、美味しかった。ごちそうさま。あの、郁也さん」  

 あからさまに、わくわくした表情を浮かべていることで、頭の中に疑問符がわいた。  

「なんだ?」 

「その編集長さんに会わせてほしい。お話がしたい」  

 涼一のいきなりの発言に、鳴海と顔を見合わせる。これまでの話で、どうして三木編集長に興味を抱いたというのだろう?

「小田桐センセ、引っ張られますよ。俺みたいに」  

(――いつも編集部は、人手不足だが……)  

「鳴海は3ヶ月前まで、宅配の配達員だったんだ」  

「お届け物ーすって先輩にハンコをもらってたら、三木編集長に肩を叩かれたんすよ」  

 締め切り直前の修羅場で、ゾンビみたいな編集部に現れたイケメン配達員。鴨がネギ背負ってきた感じと言えよう。  

『なぁ、君。自分の可能性、考えたことある?』

「はい?」  

『俺、三木。君の仕事ぶり、いつも見ていたんだ』  

(――嘘をつけ、見た目で判断しただけだろ) 

 『荷物を正確に届ける仕事を、ウチで発揮してほしい。愛想の悪い連中に、君のサービス精神が必要だ』 

(言いながら俺を指すな! こき使われたら誰だってこうなる!)  

『ね、給料上げるから、お願い!』  

 そうやって鳴海は三木編集長の口車に乗せられた結果、中途採用された。  

「三木編集長に逢いたければ、出版社の新年パーティに出りゃいいだけだな」  

 しかもこれは、来年の話だったりする。 

「あー、なるほど。あの場でスカウトされても逃げられますね」  

 編集部の修羅場を見たら、責任感の強い奴ほど飲み込まれる。

  こっそりため息つきながら、鳴海の企画書に目を通した。  

「ふぅん、そっか。じゃあ来年の新年パーティ、頑張って出るよ」

(へえ、涼一ってばそんなに編集長に会いたいのかよ!)  

「小田桐センセ、編集長に可愛いって言われて、頭を撫でられそうっすね」  

(これは、鉄壁のガードが必要だな)  

「三木編集長のタッチは置いといて、これ、なんとかなるんじゃね?」 

  来年のガード方法を考えつつ、鳴海に企画書を返した。

「うそ、早! もう見てくれたんすか?」  

(――邪魔されたから、半分流し読みだけどな!)  

 そのことがわかっているのか、涼一が疑惑の目で俺を見る。

 「鳴海、この後、用事があって出かけなきゃならないんだ。悪いが帰ってくれ」

 「すみませんでした。手土産なしで急に来ちゃって」  

 鳴海が俺と涼一に頭を下げて、慌てて立ち上がった。バタバタ足音を当てて玄関に向かう鳴海を、二人並んで玄関で見送る。  

「お忙しい中、ありがとうございました! 失礼します!」  

「企画提出、頑張れよ」  

「鳴海さん、お疲れ様でした……」 

 笑顔で見送る俺らの前で、ゆっくり玄関の扉が閉まる。

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