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第二十話「副作用」

Author: 4時間移動
last update Last Updated: 2025-11-11 19:00:27

 暴走したジュリアンと老いさらばえたハデスとの闘いは未だ続いていた。

 本気になったスルトは、跨る8本脚の軍馬スレイプニルと下半身を同化させ、半人半獣、人馬一体、まさに黒い獣人ケンタウロスとなり、頭部には深紅の長い角が二本生えて、より邪悪で悪魔らしい姿に変貌した。

 白金色に光る伝説の輝剣ジョワユーズを構え猛スピードで駆けてセーラに斬りかかる。

 箱庭神の加護を受けているセーラの目にも残像が残るほどの速さで剣が振り下ろされ、セーラは避けられずにギリギリ鉞の柄の部分で受ける。

 追って更に第二の斬撃が来る。

(殺られる!)

 この悪魔に負ける気がするという焦りと悪寒がセーラに距離を取らせた。加えて天使の術『御霊の盾』で防御と回避の準備をする。スルトの周りの空気の流れを遅くする術もかけているのにまるで効果がないようであった。

 逃げるセーラを目で追うスルトは剣を止めた。

「お前は戦闘向きではないな。技や動きでも分かる。しかし天使が鉞とは…」

 くくくっと笑うとスルトは剣を前方に突き出して飛び道具・ソニックブレイクをセーラに向けて放った。

 残響音がこだまする衝撃波を盾と術で受け止めるセーラ。その隙にスルトは背後に回り、セーラの喉元に脇差を当てる。

「仇敵セーラ。死が見えてきたな、これまでだ」

 ──待てい!

 そこに幽霊のように緩慢な動きで左右に揺れながらバグったカイが降り立った。

 妖しい気を放ちニタニタ笑いながら現れたカイの周囲には、ピシッと空気が軋む音が鳴り、画面ブレが多く入る。

「カイ…なの?」

 激しく老化したカイの見た目に、一瞬セーラは本人だと分からなかった。

 遅れてマリアに抱かれたミニオルドがテレポートで到着する。

「ヘラヘラしおってカイの奴、どんな副作用があるかわからんのに…」

「カイ……あ、あんなんで戦えるの」

「仲間か。何を笑っている? 気でも触れたか?」

 スルトはセーラの喉元に当てていた刃を収め、いったん退いた。不自然に笑うカイにただならぬ雰囲気を感じていた。

(氷羅よ 気に満ちよ)

« 結晶封滅獄(フリージングコフィン) »

 カイはいきなりスルトに向けて氷系の封獄呪文を唱えた。

 空気中の水分が一瞬で凍結し、あっという間に悪魔を封じる氷の監獄が出来上がった。スルトは愛馬スレイプニルと共に避けることも、声を発する暇もなく、決して溶け崩れるこ
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