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第276話

Author: 花咲 錦
もうすぐ人殺しとして刑務所へ叩き込まれる女が、わざわざ民事裁判を起こして財産分与を争う余裕などあるはずがない。

都子の強気な言葉を聞いて、亜季もようやく溜飲を下げた。

「そうよね……でも、警察はなんでまだあいつを捕まえないのかしら?

こっちが通報したんだから、すぐに連行されてもいいはずなのに」

まさか、まだ啓介が裏で手を回してあの女を庇っているのだろうか?これまではともかく、今回の事件は赤ん坊が死んでいるのだ。

いくら啓介でも、人殺しを無条件で守りきれるはずがないのに。

啓介が星歌を気にかけているという事実だけで、亜季の胸の奥には黒い嫉妬が渦巻いていた。

「焦らなくても大丈夫よ。あいつが赤ん坊を殺したんだから、刑務所に入るのは時間の問題よ」

都子は鼻で笑った。

赤ん坊の死は紛れもない事実。

あれほど大きな事件の証拠を、そう簡単に隠滅できるはずがない。

星歌が警察から逃げ切れる可能性など、万に一つも存在しないのだ。

そう考えれば考えるほど、一千億の現金も、不動産も、星歌にくれてやる必要など一ミリもないと都子は確信した。

「さあ、くだらない話はおしまい。夏蓮の様子
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Comments (2)
goodnovel comment avatar
はるまき
ここまで来ると、生まれた子も翼の子じゃない気がする!!
goodnovel comment avatar
leopardess
どうせ聞かれてないから。
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