LOGIN真っ暗だ。
今俺はどうなってるんだ? 目を開いてるのかどうかもわからない。 黒い。思考も体も心も黒い。 何もかも黒い。 (ソレガ貴様ノ本質ダ) 誰だ。誰かいるのか。 (我ハ貴様ダ。ソシテ貴様ハ我ダ) 俺自身? (ソウダコノ世界ヲ破滅サセ滅ボスノダ) 滅ぼす?何故だ? (貴様ガ心ノ奥底デ望ンデイルコトダロウ) そんな事は無い。全てを滅ぼすってそしたらハルも…。 (自分ノ物ニナラナイノナラト考エテイルノダロウ) それは…それでも…でも! (力ヲ求メロ、ソシテ飲マレロ、全テ滅ボセバラクニナレルゾ) …楽に。 この黒い、真っ黒なモノに身を委ねて… 「…!…ウキ!」 この声は… 「ユウキっ!ユウキっ!!」 …ハル! (邪魔ガ入ッタナ、マァイイ我ハ貴様とトモニアル) 〜〜〜 目を覚ますとハルの顔が目の前にあった。 「ユウキ!目を覚ました!?ユウキぃ!!」 めちゃくちゃ号泣してるじゃないか。誰だ泣かしたのは。 「ハル…?あれ?俺は?」 「俺は?じゃないぃぃぃ!何か凄い音がして目を覚ましたらユウキ居ないし、1人だし。何か凄い建物揺れてるし、もう怖いしユウキ居ないし!」 俺が居ない事何故2回言う? あー。段々意識ハッキリしてきた。 そうだ。力のコントロールの練習で水晶触って… 何か黒い感覚で…。 その後…? 「ユウキ様申し訳ございません。」 声のする方に顔を向けると深々と頭を下げる大神官がいた。 「ルーナさん。何が起こったんだ?」 「恐らく…ですがユウキ様の力を水晶が吸い出した際に、一度に力が表面に出てきてしまい、暴走してしまったのではないかと。」 暴走…。周りを見渡して見ると修練場は見るも無惨に壊れていた。…屋根無くなってるじゃん。 「ルーナさん。申し訳ないです。建物壊してしまって…」 「いえ。お気になさらずに。そんなに畏まらないで下さいませ。先程までのお話し方で構いません。今回の件につきましても、まさかあの水晶でこんな事になるとは思いもしませんでしたので。」 「ユウキぃぃぃ!」 号泣お姫様が抱きついてくる。 「心配したんだからねぇ!!来てみたら部屋は凄いことになってるし、ユウキは何か黒いモヤモヤに覆われてるし!」 「黒いモヤ?」 「そうだよ!何か凄く怖い感じがしたの…。このままユウキが壊れちゃうんじゃないかって…」 黒いモヤ…。意識がない間に何か黒いってのは何となく覚えてるんだけどな。 「ルーナさん。黒いモヤって…」 「恐らくお考えの通りかと」 「なぁに?何かわかるのっ!?私にも教えて!!!!」 あ。何かめっちゃ怒ってないこのお姫様? 「ハル。落ち着け!落ち着けって。」 「落ち着けないっ!!ユウキが…なんか凄くヤバそうだったんだから!目を覚ましたら居ないし!!1人は嫌だって!言って…るの…にぃ、グスッ…」 あ、怒りながら泣き出した。 めっちゃ可愛いじゃないか…。って違う違う。 「ごめんな」 「グスッ。ユウキが無事ならいい…」 「あぁ。大丈夫だよ。ルーナさんも申し訳ない。暴走止めてくれたんだろ?」 「いいえ。ユウキ様。暴走を止めたのはハル様なのですよ」 「え?そうなのか?ハルが?」 「はい。あの時黒い力が暴走している状態のユウキ様を助けたのはハル様のお力です」 〜〜〜 「ユウキ様!手を離して!力が暴走しています!!」 全身から黒いモヤが出ている状態。 そのまま水晶を手に持ったまま宙に浮いていく。 「う。ァァァァァ!」 「ユウキ様!!こんな、こんな力が!?」 「ガァァァァァァッッ!!」 吠えると同時に黒い力が全身から真上に向かって放たれる。 激しい音ともに建物の天井が吹き飛ぶ。 「この力はマズイですね…。封印を施すしか…」 その時扉を激しく開けてハルが入ってくる。 「ユウキっ!!え。これは…?」 「ハル様!?危険です!離れてください!」 「ルーナさん?!これはいったい?ユウキはどうしちゃったの!??」 「ユウキ様の力が暴走してしまっているのです!こうなっては封印するしか…」 その間もまた黒い力が高まっていく。 「封印っ!?それってユウキはどうなるの!?」 「…封印の水晶の中で眠って頂きます」 「それって…処理するってこと?」 「…ハル様はお部屋へお戻りください。私はこの世界を守る役目がございます」 「ダメっ!ユウキを封印なんてダメっ!」 「ハル様…。時間がありません!このままでは世界が…世界が滅んでしまいます!」 「世界が…滅ぶ?ユウキの力のせい…で?」 「…お下がりください。後ほどどのような叱責もお受け致します」 「ダメっ!ユウキの力が世界を滅ぼしちゃうなら…私が救う!私の役割ジョブは救う者なんでしょ!?」 そう叫ぶとユウキに向かって走り出す。 「ハル様っ!?ダメです!あの力は止まらない!」 そのまま黒い力に包まれてるユウキへ向かいユウキの胸へ飛び込み抱きしめる。 「ユウキっ!ユウキっ!私が…私が助けるから!私に救う力があるなら…ユウキを助けてっ!!…助けるのぉぉ!!」 ハルから眩い光が放たれる。 「これは…。ハル様の力?修練もせずにいきなり発動させたと言うのですか…」 ハルから放たれる眩い光と、ユウキから放たれる黒い力がぶつかり合う。 「ガ…グガァァ…」 「ユウキ!ユウキっ!!封印なんてさせない!世界を滅ぼさせたりしない!」 ハルの身体から眩い光が放たれ、ユウキの黒い力を飲み込んでいく。 「ユウキ!ユウキィ!!ユウキィィ!!!」 光が収まると黒い力は消えていた。 「ハァハァハァ…ユウキ?ねぇユウキ?」 ハルの呼び掛けに応えるようにユウキが目を覚ます。 〜〜〜 「なるほど。そんな感じだったのか」 ハルとルーナさんから意識を飛ばしてからの話を聞いた。 「ありがとうハル。ハルに助けてもらったな」 「ううん。いいの。でもユウキのアレは何だったの?」 「…。」 …どうするか。こうなった以上話さない訳にもいかないんだろうけども…。 いやしかし俺の役割ジョブをハルに教えるのはなぁ。世界を滅ぼすモノは流石に…。ハルにとってのラスボスなのは…。 と。答えられず黙ってしまっていると…。 「ユウキがどんな力を持っていたって、ユウキはユウキだよ?私はユウキの事…、ユウキの事…す、ううん。信じるよ?一緒に居たいよ?」 「す?…ハル。ありがとう」 「それに今回も私がユウキの暴走止められたってことはこの先も私が居れば大丈夫ってことだよ!私は世界を救う者だよ!世界ってことは人も動物も何もかも全てでしょ?だからユウキも含めてだよ!…きっと」 「ハル…」 その世界ってのはきっとこの世界のことで、俺はこの世界の人間ではない。って言ったら…泣くな。いや怒るか?でもそう言ってくれるのは嬉しいな。 「ありがとうハル。そうだな。ハルが居れば大丈夫かもな」 最終的に俺がラスボスだったとしても今回ハルの力が俺の力より優ったのであればきっと俺を倒してくれる。俺が力をコントロール出来なかったとしても…。 「ハル…。俺の本当の役割ジョブは…」 ハルに伝えようとすると… 「待って!役割ジョブはいいの!」 まさかのハルからストップがかかる。 「ハル?」 「いいの!聞かないの!」 「いいのか?」 「…ユウキが本当の事を話さなかったってことは何か意味があるんでしょ?聞いたら今まで通りで居られなくなるかもしれない。一緒に居られないのはイヤ。イヤだから聞かない。聞かなくても一緒にいる!何かあっても私が止める!!」 「それでいいのか?」 「いい!…ユウキが一緒に居てくれるなら」 「わかったよ。ハルありがとう。でも一つだけ伝えるね。」 「うん。なぁに?」 「…きっと俺の中にはさっきの黒い何かがいる。…あるって方が正しいのかな。自分でコントロール出来るように努力はしてみる。…暴走させておいてできるのかって話ではあるけど。また迷惑かちゃうかもしれないけどな」 「いいよ!全然いいよ!私が助けられるならいくらでも助けてあげる!今までいっつも頼ってばかりだったから!いつも相談に乗ってくれてたでしょ!」 「そんな頼りになってたかは自信無いけどな…。でもまぁよろしくな。」〜〜〜ハルサイド〜〜〜 皆で話をした後宿屋に戻ってきて休むことになった。 もう今はベッドの中。 エルバに来てから起こったこと考えてたら寝れないんだよね…。 まぁユウキを説得して同じベッドで寝ることにしたせいかも?一緒のベッドだと私もドキドキしてるんだよ?その分安心して寝ちゃう時は寝ちゃうけど…。 今日はユウキが先に寝ちゃった。 寝顔眺めながら、ユウキの事を考えてたの。 ユウキが魔王の因子ってやつを持ってるって初めて知った。 この世界において、魔王って悪い存在で、 世界を滅ぼそうとする存在らしい。 すごい昔に、人、エルフ、精霊が協力して封印したんだって。その時の封印しきれなかった一部をユウキが持ってるんだって。 ユウキ…魔王になっちゃうのかな。 でも、あのミナトって人が魔王の魂を持ってるって言ってた。錬成したとかなんとか。 それがどういう物なのか分からないけど、 あの人も魔王なんだとしたら、 きっと悪い魔王はあの人で…ユウキは…良い魔王のハズだよね。 良い魔王なら一緒に仲良くしても良いよね? 倒す必要なんてないよね? 今のユウキは人ともエルフとも精霊とも仲良くしてるんだから。 でも、魔王の事もルーナさんやジュリアさんは知ってた。私は知らなかった。意地悪された訳じゃない事は分かってる。きっと心配かけたくなかったんだってわかってる。 だけどね。やっぱり私に頼ってはもらえないのかな?ってちょっと寂しい気持ちになるよ。 こっちの世界に来てユウキとずっと一緒に過ごして、ユウキのことをずっと見てるおかげか、最近ユウキが何かを隠してるのがわかる気がする。 昨日もそばに居るよって言ってくれた。あの時も何かを隠してる感じがした。 一瞬だけど寂しそうな目をしてた。 魔王の因子の事は話をしてくれた上で他にもきっと何か隠してることがあるのかなって。 隠し事……つまり、 …本当は一緒にいれないってこと? この世界に来た時に与えられた、 私の役割は世界を破滅から救う者。 世界を救ったら元の世界に戻れる。 …ユウキの役割は聞いてない。 一度話してくれようとしてたけど聞けなかった。 自分でも理由は分かんないけど、それを聞いたら一緒に居れない気がした。 もしかしたら、私が役割を果たしてもユウキは役割を果たせないって事なのかな? だ
「まぁゼノンは頑丈そうだもんな」 「ユウキまでそんな事言うのか?」 そう言って皆で笑い合う。 「でもゼノンが一緒なのが心強いのは本当だよ。…さて次は土の精霊かってそういえば水の精霊も契約してないよな?」 「あ、そうだね。気を失ってたもんね」 あの時ハルの力で操られてたのは解除できたようだけど、そのまま意識は無かったはず。 マリクさんがついていてくれたんだっけか。 「ハル、マリクさんは?召喚したのは解除されてるのか?」 「んー。特に何もしてないよ?」 「ワシはここにおるぞー」 マリクさんの声が聞こえ、部屋の隅に光が集まる。 その中からマリクさんが現れる。 「ちょうど良かった。水の精霊…アクアの様子はどうだ?契約まだしてなかったって話をしてたんだ」 「うむ。消耗はしておるが、大事には至っておらんのぅ。今は精霊の泉で休ませておる。迷いの森の中の本来アクアがおる場所だのぅ」 「そうか。そうすると契約するなら会いに行かないとダメか」 「そうじゃの。まぁ元々そこには行かなければいけない訳だからの。後数日は休ませておいた方が良さそうじゃがのぅ」 まだ消耗した分回復はしてないってことか。 「数日ってどれくらいだ?」 「まぁ三日もすれば契約するのには問題ない程度にはなるであろう」 となると、俺達も数日はここに留まる必要があるか。 まぁ急ぐ旅ではないしなぁ。 「そういえばマリクさんの召喚ってこんな長くいられるものなのか?」 何となく戦闘中だけってイメージあるんだよな。 元の世界のゲームとかの影響か。 「普通の精霊だと数時間程かのぅ。召喚されてる間も魔力は消費するからのぅ。ワシは魔力の精霊じゃからの、その辺は普通とは違うのじゃ」 さすがは大精霊って所か。 「もちろん戻ってもいいのじゃが、今回の件で思うところがあるのでな、しばらく共に行動することでハルちゃんとの繋がりを強くしておこうかとな」 「繋がり?昨日の戦闘でも言ってたな。それが強くなるとどうなる?」 「ワシ本来の力を出すことができるようになる。本体として来てるのに近づく訳じゃな。……昨日も本来の力が出せればアクアをもっと早く助けてやれたかもしれん」 マリクさんが少し落ち込んでいるように見える。 語尾も普通だしな。 「とはいえ今回ハルちゃんの力で助けてもらったからのぅ。改
「もしかしたらってのは?」 「私も昔聞いた事がある御伽噺なんだがな。昔魔王を封印した勇者と呼ばれたものが、扱ったとされる力に女神の光というものがある」 「女神の光?」 「あぁ。たしか、闇を払い、闇を打つ。そして人々を癒し救う。だったかな。今回の話を聞く限りぴったりではないか?」 なるほど。確かに今回スケルトンを倒して、俺が闇に呑まれるのを止めてくれて、アクアを助けたか。 「確かに結果はしっくりくるが……御伽噺なんだろ?」 「それはそうだが…そもそもユウキの魔王の因子…要は魔王の魂だな。それだって御伽噺でしか聞いた事ないんだぞ?」 あー。そーか。既に俺がそうか。 今更、増えた所で不思議ではないか。 それにここは異世界だったな。 一人で納得して、ふとハルの方を見てみると… 「つまり私とユウキは御伽噺の存在?…お揃いってことかな?」 「お揃いって言うか…どちらかと言うと真逆の存在じゃないか?」 「えー?そうなの?」 「うん。だって魔王と女神だろ?」 まぁそもそも世界を滅ぼすモノと世界を破滅から救う者だからな。そう考えれば魔王と女神なんてしっくりくる所か、それしかないじゃないかって話だよな。 「えー。それじゃ私ユウキと戦わなきゃいけないの?イヤだよそんなの。絶対イヤ」 ハルが暗い表情になる。 「ハル…。大丈夫だよ。あくまでお互いそういう力を持ってるだけだって。それに俺の力をコントロールできるようにしてくれたじゃないか。敵対するのであれば、そんな事はできないだろ?」 魔王と女神としては……な。 「そっか。そうだね!それに…魔王と女神だったとしたって仲良くしちゃいけないなんて事も無いよね!」 「フフフ。ハルのそういう考え方私は好きだな。その通りだ。魔王と女神が仲良くしてはいけない理由などない。むしろ仲良くすることで世界が平和になるのかもしれないな」 ジュリアさんが笑いながらそう言う。 「問題はミナトの野郎がこの先どうするつもりなのかだな」 ここまで沈黙していたゼノンが発言する。 「ミナトの狙いか…。魔力のダンジョンの時はスケルトンを進化させて、タリスを狙った。その時は人々の魂をと言ってたか」 「その時にユウキの力を知ったって事だよね?」 あの二回目のダンジョンで遭遇したのが、偶然ではない可能性もあるって事か。 「そして今
「マチスさん!そっちは大丈夫か!?」 駆け寄ってくるマチスさんに声をかける。 「あぁ!さっきの光はなんだったんだ?あの水の化け物が水になったぞ」 なるほど。ハルの光でアクアが悪霊じゃなくなり、気を失ったから、アクアの生み出したあのミズノムカイも消えたってことか。 「怪我人はいないか?」 「多少傷を負った者はいるが、命に関わるようなやつはいないな」 そうか…。良かった。 「しかし何が起きてたんだ?」 「水の精霊が何者かに操られていたようだ」 ここでミナトの事を話していいのか分からなかったので、そこは濁して伝える。 まぁ必要であればジュリアさんが話すだろう。 「そうか。詳しい話を聞きたいがここでって訳にもいかんな。とりあえず街へ戻ろう。二人はまずは休んでくれ。話は明日で構わん」 「いいのか?」 「あぁ。二人はこのエルバを救ってくれた英雄だ。まずは休んでもらわないと…な」 「英雄なんてもんじゃないよ。今回の件だって俺達のせいで街を巻き込んだようなものだ」 「そうなのか?まぁそうであっても撃退してくれたのは事実だろ?英雄に違いないさ」 英雄か…タリスでもそうだけどなんか… 「むず痒いねぇー」 ハルも同じ気持ちのようだ。 とは言えここでゴネても仕方ないので、お言葉に甘えて宿屋に向かう。 戦闘の後だったこともありそのまますぐに寝てしまった。 〜〜〜 翌朝起きてからギルドを訪れた。 中に入ると… 「お。来たな!昨日はありがとうな!」 マチスさんが迎えてくれた。 「あっちの部屋で待っててくれ。先客もいる」 「わかった。…先客?」 部屋へ入ると、ジュリアさんとゼノンがいた。 「おー。お疲れ!すまんな。まさかこんなに早くミナトが次の行動を起こすとは思わなかった。こんなことなら一緒に行動するべきだったな」 ゼノンが頭を下げる。 「いや、ゼノンに責任はないだろう?まぁこのタイミングで水の精霊を操って来るとは思わなかったよ。今回のアイツの目的は…」 話をしていると扉が開きマチスさんが入ってくる。 「待たせた。そのミナトってのがジュリアさんから報告が上がっていた、魔力のダンジョンで起こった件の黒幕だな?」 「そうだ。タリスの時はアイツの目的は街を襲うことだったようだな。今回は…おそらくユウキだろう」 「俺か?今回も街じゃな
ハルから発せられた光にその場の全員が包まれる。 「これは…!」 光が収まる。俺達の前に小さい青い髪の少女が倒れていた。 「アクア!無事か!」 マリクさんがその少女の元へ飛ぶ。 この子がアクア…水の精霊の本来の姿か。 「ユウキ…大丈夫?」 「あぁハル。ごめんまた助けられちゃったな」 「…なんだ?今の光は、闇を打ち払ったとでと言うのか…?」 少し離れた所でミナトが驚愕の表情を浮かべている。 「マリクさん!アクアは?」 「大丈夫じゃ。今の光は…」 どうやらアクアも無事のようだ。 俺も意識が落ちかけたが問題ない。 ハルの光は…以前暴走した俺を助けてくれたのと同じ…いやその時よりも… 「なんなんだ!その娘は!今の光は!…ボクの計画を台無しにしてくれたな………そうか…まずはお前からどうにかしないといけないと言うことか…」 ミナトが激高し魔力を高め始める。 「何をするつもりだ!ハルには指一本触れさせない!」 ハルの前に立ち塞がり声を上げる。 「僕の計画の邪魔をするものは…殺す!…【錬成】来たれスケルトンども!」 ミナトの言葉共に地面からスケルトンが現れる。 「またスケルトンかよ!芸が無いな!」 「ふん。そんな軽口叩いていられるかな?」 地面から現れたスケルトンは前回と同じく漆黒のもの。大きさは以前のように大きくなく人のサイズ。 しかし今回は一体では無かった。 「な!この数は…」 「君達には質より量で攻めた方が良さそうだからね。あぁ。と言っても性能は前回より上だよ?」 現れた漆黒スケルトンはざっと四十体ほど。 コイツらはどっちだ?魔法効かないやつか?物理効かないやつか? 「ユウキ…。多いね…」 「あぁ。ハル…俺が守る!って言いたい所だけど、今さっき助けられたばかりだからな…二人で乗り切るぞ!」 「うん!…そういえばユウキのその剣は?」 言われて自分の剣を見る。 あれ?これは? 先程行った闘魔融合の際に漆黒に染まった後、ハルの力で収まったと思ったが… 刃の部分のみ未だ漆黒のままになっていた。 「ユウキ?それ大丈夫?」 ハルが心配そうに聞いてくる。 さっきのような身体の重さも無ければ、消耗も感じない。 「あぁ。なんでかわからないけど、問題は無さそうだ。これならあのスケルトンも切れる!」 「無理はダメだから
「くっ。精霊と戦うことになるなんて!」 「ユウキ殿!精霊に物理は効果が薄い!魔法主体で戦うのじゃ!」 水の大蛇はゆっくりとこちらに近づいてくる。 「魔法なら私!」 ハルがファイヤーアローを放つ。 ボシュンッ!ボシュンッ! 「あれ?」 「ハルちゃん!相手は水じゃ!火の魔法は相性が悪い!風を!」 そりゃそーだよな。 多少の属性不利はハルなら何とかなりそうだけど、 相手は水の精霊。 ハルの火の魔法が強いとはいえ、格が一緒なら属性不利は大きくなる。 「うー。風かぁ。…ウインドダート!」 適正属性でないため力ある言葉が必要なハル。 飛んでいく風の矢がが大蛇に当たる。 「効果が薄いか…。ならこれで!」 俺は適性があるため力ある言葉無しで放てる。 俺の放ったウインドカッターが大蛇を切り裂く! 「どうだ!?」 胴体を切り裂いたに見えたが、直ぐに元に戻ってしまう。 「精霊は魔力そのものじゃ!見た目にダメージはないと思え!こちらの魔法が当たることで向こうの魔力が減っていく!…要は削りあいじゃ!」 マリクさんがそう言いながら、 大蛇の放つ水の刃を相殺してくれる。 「マリクさん!水の精霊相手なら、格的に大精霊の方が上なんじゃないのか?」 「普段ならな!だがコヤツ何かに操られながら魔力を高められておる!それに今のハルちゃんとワシの繋がりはまだ最低限じゃ。今のワシは本体ではない。向こうの攻撃を捌くのが限界じゃ!」 なるほど。召喚ってそういう事なのか。 ってそこを詳しく聞くのは後だな… 「ハル!とにかく打つぞ!魔力はハルは今打ち放題だ!」 「うん!…でも…」 ハルの顔が曇る。 「どうした?」 「あの子悲しい、助けて欲しいって…」 そういえば最初からハルはそう言ってたな。 それに相手は魔物じゃない…精霊だ。 「マリクさん!アクアを助ける方法はないのか?」 「むぅ。操っている方法がわかれば…」 操ってる方法か。そもそも…操ってる奴は… アイツしかいないか! 「くっ。…ミナトォッ!!居るんだろ!」 大きく息を吸い大声で呼びかける。 まぁバカ正直に反応してくれるとは… 「フフフ…」 あ。いた。 「本当に出てくるとは思わなかったぞ!?」 「ちょうどそろそろ挨拶していこうかと思ってね…」 大蛇の後方の空間からフードの