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こんなトントン拍子でいいのかしら?

Penulis: 結城慎二
last update Tanggal publikasi: 2026-06-21 06:00:09

「で、今作っているのは?」

「ジャリとジャスが住む予定の家で二人の寝室の他にジャリが使う作業部屋も作っています」

「なんの作業をするんだ?」

「さぁ? 彼は職人志望なんだそうで、ルンカー作りも彼が親方ですし……あ・ホラ、この水袋。皮を鞣すところから彼がやってくれたんです」

 と、まだ水の入ったまんまの背負い水袋を見せる。

「なかなかいい仕事してるじゃないか」

「でしょ? 高値で取引してくださいね」

「村長もなかなか商売上手だな」

 ……照れる。

 朝食が始まる。

 今日は山菜スープだ。

 食べながら今日の予定を話し合う。

 昨日から村人になった三人とジョーも打ち合わせに参加する。

 今日の午前中はヘレン親子とジャスが食物採集。

 これにはオギンもついていくことになった。

 畑はルダーとガーブラが、今日から火入れのルンカー作業にはユーミン姉妹とジャリが行く。

 ザビーは僕と僕の小屋から商材
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  • 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない    楽しい読書で判ったこと-後篇-

     いずれにしても科学技術を基礎にした前世文明の恩恵を得られる僕は戦略戦術で勝負ができそうだ。  なにせ神様のおかげで数千年の戦いの歴史が頭の中に入ってる。  伊達に歴史オタクじゃないぞ。  専門分野は日本史だけど。  それから文明を持っているのは人族だけじゃないようで、ナルフ、ドゥワルフ、タルル、グフリ、オルグなどの亜人がいる。  ちなみにどれもその種族の言葉で「人」を指す単語だ。  「アイヌ」がアイヌ語で「人間」を意味する単語なのと一緒だ。  僕ら人族は彼らにとって亜人という位置付けになるんだね、ちょっと混乱しちゃうかも。  ちなみに大陸を八つの国に線引きしているのは人族なんだけど、それぞれの種族で別の線を引いて国や地域が分けられているらしい。 …………。 複雑だね。  人種以外に知性を持ったグループがいて、魔族ってカテゴライズされているようだけど、外見的に一定のパターンがないらしく、人型の親から鳥型の子が生まれたりするんだって。  デビルマンのデーモン族的なアレなのかね?  そうそう、僕が前世の記憶を思い出した時リリムが言ってた神様の話。  基本的に一つの種族に一柱か二柱の神様が存在しているようだ。  他にも火の神様、水の神様みたいな存在があるようで、ここら辺りは八百万な感じだけれど、大きく違うのは実際に現世利益があることだ。  各種族は仲が良かったり悪かったりで普段はあまり交流がないらしい。  人族と一番友好的なのはドゥワルフ族で、魔族は敵対的。  その魔族とグフリ、オルグ族はある種の同盟を結んでいると文献に書かれている。  魔族とは別に魔獣という存在もあって、これは通常の動物と違って魔法と密接に関わっている存在を指すようだ。  具体的にはドラゴン(やっぱりいた)なんかがそれにあたる。  と、まあこれが五軒の家が建つ頃までに仕入れた知識だ。  その間ジョーは約束通り一度、新しい村人を連れてきて村の住人は二十人を超えた。  家が建つスピードと住人が増えるスピードがミスマッチで

  • 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない    楽しい読書で判ったこと-中篇-

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  • 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない    楽しい読書で判ったこと-前篇-

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     ジョーから送られてきた荷物の中には松明はあったけれど、ランプの類いはなかった。  これはこの国にはまだそんなものはないってことなのか、それとも普通には手に入らないほど高価なのか。  油が希少でランプだけあっても仕方ないってのも理由として考えられるよな。  ああ、考えるのは明日にしよう。  寝床で横になるとさすがに肉体労働者。  すぐにぐっすり眠りこけ、あっという間に朝が来た。  僕は日課の水汲みをして、昨日選り分けた文字表だけを持って村へ出勤。  いつもの朝礼とミーティングの時に文字表を広げる。「この中に文字の読める人はいますか?」 すると、案の定最初の七人からは誰も手が挙がらない。  判ってたよ。  田舎の識字率なんてそんなもんだ。  で、新規組五人の中で手が上がったのはなんとびっくり、ザイーダ一人。  こりゃ驚いた。  いや、まったく。「じゃあ、悪いが僕に文字を教えてくれないか」「ほんと悪いね」 ほんと君も口が悪いね。「まぁ、仕方ない。ジョー様とやりとりするのに村長が文盲じゃ話になんないからね」 できればあと一人二人読める方がいいなぁ……よし。「ついでに子供たちも一緒に頼む」「え? 教えてもらえるの!?」「やたー!!」「アニーもやるぅ!」 おーおー、食いつく食いつく。  クレタもカルホもアニーも目がキラッキラだよ。  日本でも小学校に入学するくらいまではみんな勉強大好きだからな。  息子も入学前にひらがなカタカナ覚えてた。  すぐ嫌いになるんだけど。  あれは教え方の問題だよな。  学習指導要領ってのがびっくりするくらい子供達から学習意欲を奪っていくんだ、きっと。  僕も歴史と国語以外は嫌いで嫌いで仕方なかった。  特に英語が駄目だったなぁ。  でも、社会に出てから必要に迫られて日常会話レベルなら普通に話せるようになった。  

  • 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない    魔法の恩恵

     宴がおひらきになり、僕は自宅に戻ってきた。 …………。 ぼろっちい小屋だけど。  寝床にあぐらをかいてため息ひとつついたら、久しぶりに薪を囲炉裏に焼べる。  炎が上がって部屋の中が明るくなったのを確認して、僕は書物を漁り出す。  村の復興が始まってからこっち今までほとんど家の中で仕事してなかったし、あんまり気にしてなかったけど、室内の灯りは必要だよな。  村が襲われる前はどうしてたっけ?  ああ、日暮れとともに寝てたかも。  そして日が登るとともに起き出して農作業だった。 …………。 今とほとんど変わってないや。  あれ?  冬の夜長はどうしてたかな?  そんなこと気にもしないで暮らしてたな。「僕も灯りの魔法くらい使えればいいのにさ」 と、愚痴を言っても始まらないかと思いきや。「仕方ないなぁ」 と、天使の声……いやいや、妖精の救いの声が。  リリムがよく聞き取れない声で呪文を唱えると、パッと部屋の中が明るくなった。「すぐ消えちゃうけどね」 イヤイヤ、謙遜しなくていいよ。  魔法が使えるだけですごいことじゃないか。  転生者なんて都市伝説級の存在なんだろ? 魔法使いって。  今日はもう夜も遅いし、明日も早い。  なにがあるのかざっと確認するだけだから。  まだ文字の読めない僕に判ったのは手習い用の五十音的な文字表と地図くらい。  あとはたぶん絵本というか絵物語的な巻物だな。  この辺はたぶん伝説とかの類だと思う。  伝説伝承ってのは大抵子供に語って聞かせる教訓話や歴史的事象だからね。  いわゆる覚えやすい物語に脚色した歴史のお話だ。  あまりに脚色しすぎて現実とかけ離れちゃって教訓が伝わらないものが多いのだけどね。  前世での話だけどここでもそう変わらないだろ。  ってことでまずはこれからってとこだろうな。 …………。 ところでこれを使ってどう覚え

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     指差すだけかよ!  仕方なく僕も彼らのところへ歩き出す。「なるほど、少年が村長やってるって聞いちゃいたけど、本当に少年だな」 口悪いな、ザイーダ。「ジャン・ロイです。一応十五歳」「十五になったから『ハイ、大人です』とはいかないんだよ? 少年」 いちいち一言多いな……まぁ、元服してないからそう言う意味でも間違っちゃいないんだけど……。「ワタシはイラード・タン。この口が悪い女はザイーダ・ベックです。今日からお世話になります」 しっかりした人だ。「こちらこそよろしくお願いします」「早速ですが、荷物を降ろす場所は?」「ああ……」 僕は村に残っている住人を集めてみんなで僕の小屋へ移動する。  ルンカー作りをしていたジャリたちにも手伝ってもらって、小屋に積んでいた炭を一度出し、荷車の荷を小屋の中に運び込む。  目立ったのは書物だ。  いわゆる本の形で綴じられているものは全体の一割くらい。  あとは巻物だった。  その大半が皮紙でわずかに紙と呼べるものが混ざっている。  ここから類推すればやっぱり近代には到達していないようだ。  他には日用雑貨と農耕具。  これはあれだ。  ホルスを農耕動物として使えと言うジョーの配慮があるようだ。 あ・農耕具はしまわなくていいよ。 他に金床や槌、フイゴなんかがあった。  ジャリが目を輝かせている。 …………。 判ってる。  判ってるから。  使わせてあげるよ、いずれ。  その他には斧、鋸、鉈といった開拓必需品と丈夫な縄や袋など。  なるほど便利道具がいっぱいだ。  空になった荷車には炭を載せる。  次回のルンカーを焼く分を残して村に持っていくんだ。  基本的に村で煮炊きに使ってるからね。  今まではここと村とを往復する人が抱えて持って行ってたんだけど、これで手間が省ける。「今度ルンカーを焼いたら、そ

  • 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない    田舎じゃ文明の進化は感じにくい

    「ジャンは何を作ろうとしているの?」 カルホが疲れからか満腹からかは判らないけれど眠そうに目をこすりながら聞いてくる。「最初のルンカーで焼き窯を、その焼き窯でより強度の高いルンカーや食器なんかを作る」「食器?」 今世の村では食器は木製だった。  今使っている食器もみんなが持ち寄った木製の皿だ。  匙も木製。  もっとも、僕のは冬の間に自分で作った不恰好なものだけど。  これは推測だけれども陶磁器が生まれていないか普及していない文化水準であるということだ。  作れるなら商売にな

  • 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない    天使か悪魔か

     詳しく説明を求めると、ルンカーで家を作れるのは法律で決められた一定額の税を納めた者だけということになっているらしい。  まじか……。  いや、そんなもん無視だ無視。  そもそも、ここはすでに棄てられた廃村だから王国の法律なんて知るか。  戦国時代に突入した世界で自衛の手段を手放すなんて自殺行為だ。「ま・オレも畑仕事よりモノ作ってる方がいいからそれで行こう」 いいんかい。  いや、こっちもありがたいんだけど。「どれだけ作ればいいんだ?」「とりあえず十日間で作れるだけ」

  • 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない    新しい仕事

     村長生活一週間。  伐採した木は百本を超えた。  僕が冬の間に切ってきた木と合わせて百二十本はある。  何本かはすでに炭と炭焼きの燃料に使っている。  日本では成長の止まる冬の間に木を切るのを良しとしたとか。  芽吹き始めたこの春に切ったのはまぁ仕方ないとはいえ残念だ。  本来なら最低でも一年は寝かせるべきなんだろうけど、そんなことも言ってられないのでこれをこのまま使う。 …………。 そういえば、僕は日本家屋をイメージしていたし、実際暮らしていた村は木造家屋ばかりだったけど、レンガの家の方がいい

  • 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない    長と七人の村人-後篇-

     売買が成立すると、キャラバンはそそくさと店仕舞いを始める。  例年だともう二、三日留まるんだけど、こんな村じゃこれ以上は商売になんないし、仕方ないね。「じゃあな、少年。一応来年も来るからな」 一応か。  来るって言ってくれただけマシかもね。  ここは襲われた村だし(もう半年も前だけど)ここに居続けるより移動した方がいいという判断なんだろう。 去り行くキャラバンを手を振って見送る八人の村人。「さて」 と言ったのはジャリだ。「村長を決めよう」

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