Share

今必要なのは武器より情報かな-前篇-

Penulis: 結城慎二
last update Tanggal publikasi: 2026-06-21 18:00:42

 こちらから提供する商品は「黒炭」「デヤールの革」「デヤールの毛皮」「ラバトの毛皮」「ファルクスの毛皮」「干しピサーメ」「干しダリプ」「デヤールのハム」「デヤールのベーコン」「デヤールの燻製」「ラバトの燻製」それに「デヤールの角」

「干しピサーメは食うだけならいいけど、売り物にはならないな」

 あ、やっぱり。

「さて、欲しいものはなんだ? それなりのものが買えるぞ」

 まずは野菜の種。

 二週間から一ヶ月で収穫できる葉物野菜や根菜をいくつか見繕う。

 それから大工道具、着替えを作るための生地と裁縫セット、それと調味料。

「──それと、護身用に武器が欲しいんですけど……」

「さすがに人数分は無理だな。武具防具は考えている以上に高価なもんだからな」

 うん、知ってる。

「それに扱えるのか?」

 他のみんなは知らないけれど、僕はこう見えて前世で剣道の有段者だった。

 今の体では子供の遊びでチャンバラごっこをやっていた程度で、一度もち
Lanjutkan membaca buku ini secara gratis
Pindai kode untuk mengunduh Aplikasi
Bab Terkunci

Bab terbaru

  • 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない    常識から逸脱していた

     村に着くとオギンがテキパキと来訪を告げ、いかにも村長って感じのおじいちゃんが出てきた。「すいません、こんな夜中に訪ねることになって」 一通りの挨拶が終わって村長の家に腰を落ち着けた僕が開口一番発した言葉だ。「なんのなんの。噂には聞いておりましたが、これはまたえらくお若い村長ですな」 うん、もう村の規模じゃないという自負があるんだけど、元の村のイメージを引きずってるだろう村長にはそのままの認識でも仕方ないかと諦める。「で、このたびはどういった要件で?」「はい、村の復興が一段落いたしましたので、ご挨拶に伺うべきかと思いまして」「それはそれはご丁寧なことで」 などと互いに社交辞令を交わす。  夜も遅いということで、その日は挨拶だけで寝ることになったんだけど……。「…………」 僕が無言で立ち尽くす中、黙々とオギンが客室で荷物の片付けやベッドメイクを行なっている。「……あー……いいかな?」「何か?」「一応ツインルームになっているけど、一緒の部屋で寝るってこと?」「『ついんるうむ』というのがどういうものかは知りませんが、同じ部屋で寝るということで間違いありません」「あ・やっぱり」 頭の上ではリリムが腹を抱えて笑っている。  いや、家の規模からいって部屋数は想像できたか。  あまりにも今の館に慣れてたもんで、すっかりこの世界の村ってものの水準を忘れてたよ。  なるほど、オギンが同行をなんとなく嫌がっていたのはこれが原因だったか。  キャラバンの野営でも、男女は別々のテントで休むっていってたもんな。「お館様はそのようなことはなされないと思いますが、なさるつもりならお覚悟なさってください」 しねーよっ!  あ、いや……不自由してるから間違いが起きる可能性も否定はできないけど、キレイだとは思うけどタイプじゃないし、おっかないからやらないよ!  うん、たぶん……。(どーだか?) うるさい!

  • 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない    お館様は気配感知を覚えた。 弓の命中精度が上がった。 いつの間にかじゃない、努力は実を結ぶんだ。

     僕はちょっと目を閉じて深くゆっくりと呼吸を繰り返すと大自然の音に耳をすます。  葉を揺らす風の音。  虫の鳴き声。  ホルスが草を食む音。  遠く、せせらぎも聞こえる。 あれ?「これは人の気配?」「え?」 小川の側かな?  ってことはオギン?「あれ、僕結構すごくない?」「本当に感じているんだったら確かにすごいわね。他にも感じられる?」 リリムに促されて、再び心をすます。  小さな気配がせわしなく動くのが判るぞ。  リリムの言ってたラバトってこれか?  だとしたら近づいてきてるな。  僕は、弓を取り出し矢を番え、気配のする方角へ向ける。  林の奥に目をこらすと……うん、ラバトだ。  僕だって神様から少しは優遇されているらしいじゃないか、当たるさ、絶対。  きりきりと引き絞って狙いを定めると、ヒョウと矢を放つ。  狙い違わず命中する。  よしっ!  草をかき分けラバトを取ってくると、オギンが戻ってくるまでの間に血抜きなどをする。「お館様」「おかえり」「どうしたのですか? そのラバト」「たまたま近くに来てたんで仕留めた」「村へのいい手土産になりますね」「ん? そうだね」 すっかり忘れてたよ、礼儀がなってないと思われるところだった。「でも、だったらあと二、三羽は仕留めたいかな?」「欲張りですね」「そうかな?」 休憩は半時間ほどで終わる。  ホルスが水を飲み干したら出発だ。  移動と休憩を何度か繰り返して進むと、途中で野営の跡が何カ所かに見て取れた。  この何カ所かを全部宿にするのは無駄だな。あんな奥の村には早々用もないしね。  ま、それもこれも男爵との戦が一段落してからだけど。  もしかしたら男爵が道を整備してくれるかもしれないし。  道々そんなことを考えたり、オギン

  • 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない    無知は罪

     道はデコボコの砂利道でとりあえずキャラバンが通った轍が草の中に見えている程度。  最近は人の往来がそこそこあるっていうのにこれが道かという有様だ。  一応、原生の森を切り開いて作られた「道」ではあるけど、ここまで獣道然としたものだとは思ってなかった。「これを徒歩で歩くのか……そりゃあ三日はかかるよなぁ」 下手したら迷子だよ。「この辺りはモンスターが出ないのでマシな方です」 と、オギンが答える。  そうか、この世界はモンスターもでるんだよね。「悪いことしたな」「何がですか?」「あー……いや、ちょくちょくオギンを一人で行かせてるじゃない? こんなだと思ってなかった。僕は元々村で生まれ育って村から出たことがなかったし、野盗に襲われて以降は村の復興で手一杯だったのもあるんだけど、これからは町の外のことも考えていかなきゃダメだ。うん」「……具体的にはどうなされるんですか?」「ん? そうだね……もう少し往来を増やすのがいいかな? 片道三日は遠すぎるから間に二箇所、駅を作るのが先かな?」「……エキ?」 ん?  ああ、そうか。  駅伝制度があるならこんな道路事情な訳がないよな。「ええと……宿場?」「道の半ばに宿を作るのですか?」「そうだよ。野宿は大変だろ?」「確かにナルフやバヤルなどの獣におびえながら夜を過ごすのは神経をすり減らしますから、宿があるのなら助かりますね」 ホント、ごめん。 しばらくすると道脇の林の下草がやたらとハゲ散らかした感じのところに出くわす。「お館様、そろそろ休憩の時間です」「休憩?」「はい、ホルスを休ませる時間です」 ああ、なるほど。  ホルスをおりて木に繋ぐと、オギンが桶を持ってこういった。「水を汲んできます」「一緒に行こうその方が早いし……」「いえ、一人が水を汲み、一人がホルスの番をする。

  • 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない    新しい悩みのタネふたつ……やれやれだぜ

    「それ!」 と飛ばすと、玉はこちらも町から提供した鉄の板の的に命中する。  距離は百カルほどだろうか。「これ、この通りめり込むだけなんじゃよ。もっとこう……威力を上げられんものかの?」 なるほど。「どれくらいの距離なら貫通できますか?」「五十シャルというところかの。これでは『石の弾丸』と変わらん」「オギン」「はい」「この威力はどうなんだ?」「はい、概ね想定通りの威力です」「何? この程度なのか?」「はい、現代の戦において『鉄の弾丸』は主将の警護にあって最接近を許した際の一撃必殺手段ですから」「つまらんの」 僕もそう思う。  というより、魔法使いが接近戦なんてしちゃダメだろうよ。  だからちょっと地球知識を持ち出すことにした。「射出速度を上げることはできますか?」「速度?」 前世知識は地球の単位を前提にしているのでこっちの世界に丸々持ってくるのは難しい。  特に速度計算に必須な時間の単位が変換不能だ。  こっちで使われているのは一年=十三ヶ月、一ヶ月=二十五日、一日=二十時間までだ。  時間に関していえば正確な時を刻む装置がないんでおおよそだ。  この世界は地球でいう春分が新年で、新年の正中から翌日の正中までを二十で区切っているだけ。  人の手指が十本あることから、昼を十時間、夜を十時間で数えているわけだ。  さて、以上のことから数字で語るのは難しい。  そこで僕は落ちている大きめの小石を二つ拾い上げ、一つを軽く投げてみるとコツンと壁にぶつかる。  そしてもう一つを野球選手よろしくビュンと投げる。  カツンと鋭い音がした。「ふむふむ、気づかなんだ。矢ほどの速さがあれば十分と思っておったが、確かに矢も弓の引き手によって威力が違うことがあったやもしれん。そうか……ぐふふ。速さの……どれほどはやめれば良いと思う?」 魔法の弾丸は、サイズにもよるけど、なんとか視認できる

  • 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない    生まれのせいで考えたこともなかった

     例年、育つのを待つだけの夏から収穫までというのはそんなに忙しくない。  ……はずなんだけど、この町はもうずっと忙しい。  農作物の育成を見守り、新たな開墾を進め、収穫後に来る男爵との対決のための軍事調練とやることが多いからだ。  人口規模が百人を超え、みんなで作業を手分けできるようになったので、ここを乗り切れば楽になる……なんて楽観視していたのは会議まで。  僕は、ここだけじゃ忙しさが緩和されることはないんじゃないかと思い始めていた。「オギン」 暑さも和らいできた晩夏、僕はオギンに隣村まで行ってもらうことにした。「何を見てくればよいのでしょうか?」「畑の広さ、村の様子、周辺の地形あたりかな?」「ご自分で視察なさるというのはいかがですか?」 ……そいつぁ気がつかなかった。  僕は転生してから一度も村を出たことがない。  おぉ!  いいじゃん、いいじゃん!  それ最高!!「じゃあ、明日朝一で出発だ」「明日はラバナルに会いに行く日ですが」「そうか。じゃあ明後日だ。イラードに連絡しといて」「イラードを連れて行くんですか?」「いや、町をイラードに任せんの」「供は?」「え? オギンだろ?」「…………」「何か、問題でも?」「……いえ、お館様の仰せのままに」「道程三日って言ったっけ?」「歩いて行けばそれくらいですね」「じゃあホルスに乗って行こう。今時期なら畑仕事には使っていないし」 ということになって、翌日ラバナルを訪ねて隣村に行く件を話す。「──で、今後そういうことも増えると思うんで、十日に一度に変更してもらえませんか?」「む? ふむ……お主が村にこもっておっては見聞も広がらん。よかろう」「ありがとうございます」「いやいや、ワシもお主との話で新しい魔法の思案に時間を使いたくなっておった頃合いじゃ。等価交換じゃよ」

  • 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない    農業大臣

     これは領地経営の問題だ。  その都度、町をあげての防衛戦を余儀なくされる。  食糧生産は継戦能力の根幹だ。  日本は太平洋戦争中、南方戦線でひどい目に遭っている。  ニューギニア戦線など実に死者の九割が餓死という話があるくらいだ。  それを考えていると、籠城戦は町にとってジリ貧の悪手なんじゃないかと思い始めている。  進むも地獄、戻るも地獄とはこのことか。  進んで修羅の道に入るなんて、聞いてないよ!  神様ヘルプ! だよ。 それはいい。 僕は食料生産計画をルダーに一任する案を出す。「そんなに食料生産って重要なのですか?」 と、ピンと来ていないイラードに答えたのは、戦争経験者(ただし前世)のジョーだった。  必要性の詳細な説明をしてくれたんだけど、こりゃもうどう聞いても南方戦線に従軍していた経験談だべ。「当たり前のように食事を支給していただいていましたから、キャラバンではそんなこと全然気にしていませんでした」「嫌ってほど身に染みてるからな。食料だけは儲けを削ってでも確保していた」「俺も小さい頃、ひもじい思いをしたからよく判る。食うもの食ってないと腹に力が入らないんだ」 と、同じく(前世で)戦争体験のあるルダーがいうので、圧倒的に説得力がある。「冬の間に後背地の開墾をしたいところだけど、ここは山間地でもあって雪深い。防衛線の合間合間に開墾ってのは難しいだろうな」「合間は狩猟と雑木林の手入れだな」「ああ、それは俺も気になっていた。貴重な山林資源を村の復興のために随分と利用したんだろ?」 確かに。「牧畜の方は?」「クッカーの卵はもう売ってるだろ。配給するには数揃わないけどな。クッカーの食肉出荷は早くて三ヶ月後。こっちも配給品にするほどの数は無理だ。もっとも、各家庭で飼っているところもあるから、商品としては割に合わないかも。来年にはジップの乳が出荷できるくらいにはなると思う。肉はあと二年先かな?」 クッカーは復興前の僕ん家でも飼ってたからな。

  • 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない    朱夏-ある中年のつぶやき-

    「人生やり直せたらなぁ……」 そう思っていたことが僕にもありました。 ありましたが……。 だからってこれはないんじゃないでしょうか? こんな状態で前世の記憶が蘇るとか、神様の仕業だとしたら「あんたバカぁ!?」って罵ってやりたい。 いいや、一発殴らせろ。 こんな切羽詰まった状態だが、現在の状況を冷静に確認分析だ。 まず、ここは村はずれの雑木林をちょっと入

  • 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない    さゔぁいぶ-前篇-

     僕は十五歳の朝を木の枝の上で迎えた。  この世界の元服、つまり成人の儀式が行われる日だ。  確かに一生忘れられない日にはなったけど……切ない。  あまりにも切ない。  秋とはいえ、昼頃になればそれなりに暖かくなる。  今日は天気もいいので昼頃にはむしろ汗ばむほどの陽気になった。  慎重にあたりの気配を確認しつつ、木から降り集落に戻ると、まだプスプスとくすぶっている焼け跡の中を歩く。  あたり一面、嫌な臭いが立ち込めているのは、村人の焼けた臭いだろう。  昨日から何も食べてないのに込み上げてくる胃液を吐き出し

  • 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない    泣ぬれるは枝の上

    「逃げたのはガキ一匹か」 と、僕の真下で傷だらけのごつい男が言っている。  こいつが盗賊団の頭目と見た。「へい、多分」「多分だと!?」「へ、へ……」 あたふたした下っ端が頭目にぶん殴られ、仰向けにぶっ倒れる。  気絶してろ!  盛大に気絶してろよ、でなきゃここにいることがバレる。  僕の祈りは天に通じたのか、そいつは白目をむいて動かない。「このさらに奥に行ったかもしれませんぜ」「ならいい」 頭目は、一言吐き捨てて踵

  • 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない    晩秋の枝の上で八方塞がり

     さて、ここからは前世の記憶をフル活用だ。  襲ってきたのは、十数人の盗賊団。村には女子供を含めて三十人ちょっと。ここは本当に農村の一集落だった。  ん? この世界は前世知識的にどれくらいの文明水準なんだ?  くそっ、ど田舎の未成年じゃ参照知識がなさすぎる。  異世界転生ものならそれなりの環境に生まれ直させろっての。  ──って言っても仕方ないわけで、そもそもテンプレの神様にあった記憶がない。  現世の記憶を手繰り寄せてもなろう系のお作法である知ってるゲーム世界的な場所でもなさそうだ。  あ、もっとも僕、

Bab Lainnya
Jelajahi dan baca novel bagus secara gratis
Akses gratis ke berbagai novel bagus di aplikasi GoodNovel. Unduh buku yang kamu suka dan baca di mana saja & kapan saja.
Baca buku gratis di Aplikasi
Pindai kode untuk membaca di Aplikasi
DMCA.com Protection Status