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ジャン、村に貨幣経済を導入する

Author: 結城慎二
last update publish date: 2026-08-07 18:00:07

 そうだ、崖の上に滑車かなんかを取り付けてつるというかエレベーター的な運搬装置を取り付けよう。

 人が登る用の階段とかハシゴ的なものも作れればいいんだけど、ちょっと大工事すぎだよねぇ……。

「また、的的言ってる」

 うっさいなぁ、リリムのやつ。

 そうだ。

 冬の間に村に少しづつ貨幣を流通させ始めた。

 これまで村は復興のために配給制度にしていた。

 均等に食料を分配し、それ以外の必需品は基本自給自足。

 お隣さんと物々交換ゆうずうしあって暮らしてきた。

 そこにキャラバンが冬ごもりを始めたのを機に、ジョーにお願いして貨幣も配給することにしたわけだ。

 配給というか、給金と言うべきかな?

 今年の秋までは村の経費として持ち出しになる。

 村の資産である農作物を貨幣にしてもらってその貨幣を食料と一緒に村人に渡しているわけだ。

 ただし、貨幣は食料と違って、均等じゃない。

 ベーシックインカム的に最低額は設定し
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  • 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない    ゆけ! ゆけ! ジャン・ロウ探検隊!!

     三人の行方不明から三日、僕らは捜索隊を編成して主の森に入ることになった。  昨日、捜索隊を投入する旨を発表して、今日朝早くに町を出た。  捜索隊長は当然僕。  お館派からは村の主戦力五人とカシオペアの五人を。 反お館派からはドブルたち行方不明者の親族ら七人と、反お館派の中心人物とみられるギラン、エギュー、ジャミルトの十人を選抜した。  急先鋒の彼らを御していれば、僕の町長の地位はとりあえず安泰だ。  反お館派の十人には全員に帯剣させている。  剣はジャリの打った数打ちの短剣だ。  防具は残念ながら用意できていない。  対男爵を想定した大事な防具をこんなところで消費するわけにいかないんだ。  そもそもまだ五領も作られていないから全員に支給ってわけにいかないし、誰かに与えると不公平だしね。  お館派は全員自分の装備を持っている。  まぁ、彼らはそもそも荒事専門だし。  ちなみに僕はその貴重な革の胴鎧を着て、ドブルとの稽古で改良した僕専用の木刀型の剣を持っている。  胴鎧は贅沢にも胸部装甲を鉄板で補強している。  剣の剣先は刺突できるように尖らせているけど、斬れる刃のないモデルだ。  どうもまだ刃のある剣を振ると軌道がぶれるんだよね。  前世では何度か真剣で試し斬りさせてもらったことがあるんだけど、あれは剣道をかじった程度の人間がやっちゃダメなやつだ。  午前中いっぱい雑木林の中を捜索。  当たり前だけど手かがりはなかった。  そりゃそうだ。 三人が森に入ったことはサビーが確認しているし、主が咆哮したのを聞いている。  念のために腹ごしらえをして、三人が侵入した場所から主の領域に踏み入る。  主の森は雑木林と違って鬱蒼とした原始林だ。  当たり前ながら手付かずで、腰の高さほどもある下草も生え放題。  だからどこから入ったのか見当がついたわけだ。

  • 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない    考えてもみなかった

     こう言っちゃうのは傲慢と取られるだろうけど、所詮小規模な農民の反乱だ。  反乱自体はおそらく苦もなく鎮圧できると思う。  問題は、そのあと村をまとめて秋を迎えられるかと言うことだ。  一致団結できなきゃとてもじゃないけど男爵の正規軍とは戦えない。  参ったな……キャラバンが残っていれば頼もしいんだけど、ギラン派もそこまでアンポンタンじゃないだろう。  まず間違いなく、いないときを見計らってことを起こすはずだ。  僕ならそうする。  それにしたって、ジョーはギランをどう言う意図でもって村にスカウトしたんだろう?「どうするつもりですか?」「ん?」「反乱です。速やかに粛清しますか?」 ……怖いこと言うね。「粛清はよくないな。恐怖政治は町人が萎縮するし、進んで協力してくれなくなる。なにより不満が募って反乱が連鎖しかねない」 とはいえ、反乱するに任せるなんて無策も統治能力を疑われるし、今後の僕の計画に町人を巻き込む際の障害になる。「……さて、どうしたものかなぁ……」「いっそのことその主とやらを倒してしまうと言うのはどうですか?」 …………はっ!?「いやいや、相手は主だよ?」「しかし、帰ってきたものがいないわけでもないのですよね?」「五体満足で帰ってきた人はいないんだよ?」「でも、村人ですよね?」 …………確かに。「仮に倒せなかったとしても、主の正体が判れば今後の対応も適切にできるのではありませんか?」 一理ある。「でも、町の主戦力に死なれちゃ今後の計画が……いや、反乱が起きてもダメージはでかいわけで……。んーん…………」「新しく町に来た五人は請負で怪物退治などもしていたそうじゃありませんか」 そういえば、そんなこと言ってた言ってた。  ある種の傭兵ってところだな。  オルグの襲撃から村を守った話を数日前にカイジョーに聞いたわ。  そんな実力者たちなら、いくらでも金儲けでき

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  • 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない    森の主

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  • 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない    五日ぶりの温かい飯

    「で、僕のステータスはどうやったら確認できるの?」「なにそれ、美味しいの?」 え?「うそうそ、そんな便利機能現実世界にあるわけないじゃない」 だよねー。「数値が知りたいなら体力測定とかIQ検査でもしてみる?」「それって実際あてになるの?」「参考程度には」 だめじゃん、そんなの。「まぁまぁ。ホラ、そろそろ準備始めなきゃまた木の上で寝ることになるよ」 リリムに言われて気がついた。  お日様がだいぶ西に傾いているらしく、僕の影

  • 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない    都市伝説は真実だった

    「じゃあ次は概要ね」 と、リリムは言う。「世界の概要は現世の知識があるから割愛ね」 あらま。「あなたは転生の際にDNAってやつに細工されていてね、神様曰く人よりちょっと優秀になってるそうよ」 え? ちょっと?「そこはとても優秀になってんじゃないの? テンプレ的に」「いくら世界に干渉できる環境にある神様だってそんなことホイホイしたら世の中のバランスが狂っちゃうでしょう?」「異世界転生は世界のバランスを崩さないのか?」「崩すわよ。それなりに。そもそも

  • 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない    さゔぁいぶ-後篇-

     村に戻った僕は村人の埋葬をする。  人の死には慣れている。  現世の僕が、だけど。  この世界は前世の世界と違って文明水準が高くない。  当然医療水準も高くない。  田舎だからってのはあるかもしれない。  大きな街はもしかしたらすごく発展しているのかもしれない。  魔法のある世界だから、当然治癒魔法もあるはずだ。  でもそれがどれくらいの効果があるかもわからない。  だからこの村はよく人が死んだ。  子供は特によく死んだ。  僕にも姉と妹がいたらしい。  妹の方はかす

  • 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない    さゔぁいぶ-前篇-

     僕は十五歳の朝を木の枝の上で迎えた。  この世界の元服、つまり成人の儀式が行われる日だ。  確かに一生忘れられない日にはなったけど……切ない。  あまりにも切ない。  秋とはいえ、昼頃になればそれなりに暖かくなる。  今日は天気もいいので昼頃にはむしろ汗ばむほどの陽気になった。  慎重にあたりの気配を確認しつつ、木から降り集落に戻ると、まだプスプスとくすぶっている焼け跡の中を歩く。  あたり一面、嫌な臭いが立ち込めているのは、村人の焼けた臭いだろう。  昨日から何も食べてないのに込み上げてくる胃液を吐き出し

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