Masukまったく足りない給食を食べ終え。
少ない時間でもと外に出て行く者達を横目に5限の数学で出されていた宿題を写させてもらおうとノートをひろげる。 「須崎くん、なんか2年の子たちが呼んでる」 机の前に立ったクラスの女子がそう伝えて教室後方の入口を指でさす。 1度さされた入口に顔をむける。 「おぉ。結構可愛い子達じゃねえ?いいな〜うらやましいな〜須崎ってばモテるなぁ」 横に座っていた友人がひやかしをいれる。 うらやましいと言われてもまったく嬉しくもない。 ただただ面倒なだけだ。 「早く行ってやれよ」 立ち上がる気配がないので友人はニヤニヤと促してくる。 ハァ…。 わからない位の小さな溜息をついて立ち上がると視線の先の女の子達は赤くなって1人の子に何かを言いながらパンパンと肩などを叩いている。 「何のよう?」 前まで来て一言だけできく。 さっさとそちらの用事を済ませて欲しい。 「ほら、マリちゃん…」 横の子に促された「マリちゃん」は真っ赤な顔で廊下に出て話ていいですか?ときいてきたので友人達から少し離れた場所まで移動する。 「私…2-3の安藤真理子って言います。須崎先輩のコトが好きです!付き合ってくれませんか!」 真っ赤になっての直球な告白にも微塵もココロは揺さぶられない。 「ゴメン」 返事の言葉に傷ついた瞳がみかえしてくる。 「彼女いるんですか?」 小さな声がたずねる。 「いないよ」 「…じゃあ、好きな人。いるんですか?」 泣きそうな顔をしながら、でもたずねる。 きっとここで「いないよ」と再び返事をしたらまだ諦めなくてもいい可能性はあるなどと思うのだろう。 だからキッパリと言う。 「いる」 「…」 涙が流れださないように必死にたえているのだろうか。 流れだそうとした瞬間に「マリちゃん」はクルリと向きを変え廊下をかけていってしまう。 少し離れた場所に取り残された友人達は慌ててその後を追いかけて行った。 周囲にいた人の目も気にすることなく席に戻りノート写しを黙々とはじめる。 「須崎ってモテるのに誰とも付き合わないよな、もったいねー」 ノートの提供主は再び隣の椅子に座る。 「可愛い子なんだから付き合っちゃえばいいじゃん。俺なら即OKする」 「彼女いないってことは告白されたことないんだな湯浅くんは!」 「うるせーっお前も告白されたことなんて無いだろ!」 ノートの提供主、湯浅と俺も写させて!と駆け寄ってきた水谷は同類の哀れみに肩を落とす。 「何で付き合わないの?」 「なぁ」 2人の疑問に無視していて食らいつかれるのが面倒なので。 「好きな人いるから」 アッサリ応えたコトが逆に悪かったのだろうか。 「マジ!」 「須崎、好きな人いるの!」 2人の瞳は好奇心の塊になってしまう。 「誰?」 合唱になりながらたずねてくる。 「同級生?この学校?」 因数分解問題 -a(1 -x) +1 -xの解答が何故(1 -a)(1 -x)になるのか訳もわからない、だいたい湯浅の解答があっているのかもわからないままノートにそのまま書き写す。 「違う…」 ただただ視線に入る数字の列を書きながらこたえる。 「誰?」 「告白とかしないの?」 「…しない。どうせフラれるし」 フラれる…どころではないかもしれない。長年かけて作りあげた今の関係もゼロになるかもしれない。 自分には絶対必要な人間であっても相手から自分は何の価値もない存在だろうから。 「学校一モテる須崎がフラれるって」 「マジで誰、教えろよ」 最後の解答も書き終えシャープペンをしまいノートをとじる。 「教えない。それよりお前も早く写さないとそろそろ予鈴鳴るよ」 「!」 言うなり5限5分前を知らす予鈴が響く。 「やばい」 水谷は慌ててノートをひろげ急いでペンをはしらせていく。 一応話の流れは途切れ小さな溜息をついた。部活を終え、自転車のペダルをこぎつけて帰宅する。車庫の隅に自転車をとめて玄関へ行くと何時もはガランとしている地面には複数の靴が散乱していた。
翔央の頭の中に浮かんだのは以前からよく家に来ていた2人。だが靴の数は1組分多い。 誰だろう? そう思いながら靴を脱ぎリビングへむかうと空腹な胃を刺激するいい香りが鼻をかすめる。 今日は金曜日。平日のこの時間は某局でニュースを読み上げている母が料理をしているわけが無い。父は週末に解説の仕事がある為もう現地へ出張しているはずである。 彗が料理をするとは絶対に考えられない。 「…ただいま」 リビングのドアを開いて言うと。 「おかえり〜」 テレビ前でコントローラーを操りながら彗と海斗が揃って返す。 ソファの上からみかんが桃のようなかわいらしいお尻を振ってかけよってきて足にしがみつく。ちょうど頭が手にとどく場所なので「ただいま」と2度3度その頭を撫でてあげる。 キッチンの方へ顔をあげるとダイニングテーブルで問題集をひろげている亮哉が目にはいる。 「あぁ、帰ってきたのか。おかえり」 翔央に気づいた亮哉が顔をあげる。 そういえば亮哉の顔をみるのはどの位振りだろう。1ヵ月以上はみていなかった筈だ。 「久々だね、家に来るのも…」 嬉しさが微かに口もとに出かけてしまう。 「あー。君が噂の彗の弟クンか!」 「…」 知らぬ声に亮哉を越したキッチンに視線をむけると見知らぬ男が我家のキッチンを占領していた。 「未来のJリーガー、スーパースターの卵?」 「…」 初対面、ほんの数秒で翔央の凌太への格付けは決まった。 「会うのはじめてになるな。俺は田中凌太。凌太でいいから、先輩だけど」 「はぁ」 軽く返事だけしておく。この先呼ぶ機会も無いはずだ。 「今日はウチで勉強?」 視線を亮哉に戻す。 「勉強、のはずなんだけどね…。海斗はサッカーの録画観たくて勉強なんて頭に入らないから先に観るって。夕飯は凌太がカレー作ってくれているから時間はあるしね。俺は自分の課題だけ先に片付けてる」 「翔央もテスト期間あるんだろ?ついでに勉強みてもらっておいたほうがいいぞ…」 ソファから立ち上がりキッチンへむかってきた彗が真面目な顔で言う。 いつも赤点ギリギリな翔央のことをよく知っている。確かにテスト結果が悪すぎでは特別推薦といえども高校入学が危ぶまれる。 「一緒に勉強させて…」 亮哉の邪魔にならない程度でみてもらおう。 勉強が口実でも久々一緒にいられるのは嬉しいと翔央は微かに口元を緩ませる。 「弟くんも一緒に食べるだろ?」 キッチンからの声に再びキッチンへ視線をむける。 凌太とバチっと視線があう。 「……」 ドキリと、翔央の鼓動が打つ。一瞬だけ確かに合わさった視線同士に何故か動揺してしまった。 「マジで美味そう」 彗が凌太の背後から肩越しに覗き込む。 「料理だけは得意だから期待していいよ」 ニコリと笑顔でこたえる。 「そろそろできあがるから食べようか、皿は?」 ピッとコンロの火がとめられた。この夜はじめて5人は一緒の時間を過ごした。
クラブチームへの愛着はなくなったが今更チームを変えるのも面倒だと思った。だからこのクラブに所属を続けてはいたが、U12の成績はクラブ創設以来の最低記録を更新していた。勝つために翔央を出しはするが翔央のプレーに意思疎通ができず、負ければ翔央のせいにされる。メンバー間の信頼など皆無だった。つまらない。このままU15に上がってもあのメンバーなら更につまらないだろう。そんな事を思っていた夏のユース選手権大会直前で彗がU15チームから抜けた事を知った。練習にはずっと行っていなかった事は知っていたがチームを抜けるどころか、サッカー自体をやめてしまうとは思っていなかった。「夢は兄弟でJリーガーなること」などと幼い頃から夢みていたものがだいなしにされて少しの間は彗に散々悪態をついた。彗の話を聞く事もなく責めたてた翔央を止めたのは亮哉だった。彗が亮哉には辞めた経緯を話していたのか、彗を責めないで欲しいと言う亮哉に翔央は否を言えなかった。彗の事を心配する亮哉、亮哉に話や相談はするが心配されるのは嫌がる彗。翔央は普段は冷たく見える亮哉が彗を心配する姿が気に入らなかった。「亮哉は兄貴の心配しかしてくれないの?」ある日、ボソッとそんな事を口にした。彗にみせるように心配してほしい。亮哉が自分に対して些細なことでも気にかけて欲しい。彗に対するように。「何だ、それ」亮哉は呆れた様に返す。「僕の心配はしてくれないの?」「翔央にも心配しないといけない事があるのか?」「沢山」真面目に答えたけれど亮哉はプッと小さく吹き出した。ここは普通なら怒る場面だろうけれど亮哉の笑い顔が見れたので翔央も笑った。「でも、そうだな。翔央は皆の期待値が高いから悩みは多いよな」「……」「勝手に期待されても困るよな……」「僕たち似てるよね」亮哉の両親も祖父母も「亮哉」に関心など全く持たずにいるけれど亮哉の成績だけには期待が大きい。赤の他人達に期待されているだけの自分よりも普段は愛情もみせない両親達から成績だけ期待される亮哉の方が悩みは大きいかもしれない。「俺と亮哉は似ている、か」うんうんと頭を縦に振りながら亮哉は亮哉なりにそれに納得したらしい。「そうだな」ポンポン、と頭を軽く叩かれる。「今度はゆっくり聞いてやるよ、翔央の悩みを」亮哉の顔は普段より幾分柔らかな
かっこいいプロサッカー選手の父。何でもできるヒーローの兄。翔央にとって2人は憧れだった。2人の様になりたい、そう思って背中を追いかけていた。現在。父は元人気サッカー選手、元日本代表のバラエティータレントとなっている。たまに試合の解説をするけれど最早「かっこいい」ではなかった。兄はただただ平凡な学生となっていた。翔央にとって大事な家族だったが。2人の様にはなりたくない、そう思ってひたすらに努力をしていた。心変わりしたのは小学6年になった時。彗と共に強豪で知られた地元クラブチームに通っていた。彗はU15に、翔央はU12に所属しそれぞれチームの主力として期待されていた。6年になる直前の春休み。翔央に声をかけたのはクラブの上層部の1人だった。「春休みの間U15に体験で練習参加しないか?」翔央は舞い上がった。上のカテゴリーで練習できる事も嬉しかったが何よりも彗とボールが蹴れる事が嬉しかった。U15への練習参加初日。先日までU12で一緒にプレーしていた彗も含めた1つ上の知り合いとボールを蹴り楽しく過ごした。U15への練習参加2日目。U15の選手に混じりミニゲームをした。負けたくなくて必死に食らいつきプレーした。U15への練習参加3日目。紅白に分かれてのTRM。主力が出るはずの1本目、MFで翔央の名が呼ばれた。U15への練習参加4日目。「おはようございます」彗の後に続き挨拶しながらクラブハウスに入るとザワザワしていた室内が静まりかえった。U15への練習参加5日目。「親が代表選手だったからって生意気なんだよ!」キレた先輩の1人がそう声を荒らげた。翌日は練習が休みの日だった。悪い事をした覚えはなかったのにも関わらず言われた言葉は翔央の心に重く積まれた。U15への練習参加6日目。その日は彗が練習を休んだ。1人で行った翔央に話しかける人はおらずボールを蹴り合う相手すらいなかった。見かねたコーチの1人がパートナーになってくれた。U15への練習参加7日目。「今日も行かないの?」翔央の問いかけに「行かない」と素っ気なく返して彗はソファに寝転がり漫画本を開いた。「僕も行きたくない」そう言いたかったが口からでたのは「行ってきます」という言葉だった。U15への練習参加8日目。最終日。近隣で活動している複数チームが集まりTRMがおこ
凌太の作ったカレーは大変好評だった。それだからか皆の時間が合う日は集まって勉強をしてご飯は凌太が作ってくれるようになっていた。凌太の父は飲食店を経営していて母は某アパレルの日本支店をまかされていて忙しく、彗と翔央の両親はTVの仕事が忙しく、亮哉の父は証券マン、仕事で帰宅は夜中になる事が多く、母は家事をしない人間だった。それぞれ家だとご飯は適当な物になってしまうので4人には都合のいい状況だった。海斗は普通に家でも食べられるけれど勉強をみてもらえるからと部活がよほど遅くならない限り率先して皆に付き合っていた。「なあ、明日の土曜日親が法事に出かけてウチの店が休みなんだ。カレー以外作ってあげれるから店で勉強しない?」海斗と翔央の部活が終わる午後からという事にし、提案は皆が賛成した。「何て読むの?これ」店の看板を見て海斗が頭をかたむける。「Mi vient nostalgia(ミ.ヴィエネ.ノスタルジーア)、懐かしい思い出がやって来るって意味」凌太が教えるけれど海斗にはやはり読みづらくて覚える事もやめた。凌太が鍵を開けて木製のドアを開く。「好きなテーブルに座っていてくれる?飲み物持っていくから」「あぁ」彗が返事をして先に入ると亮哉が続く。「おじゃましまーす」海斗が入ると最後に翔央が続きドアを閉めた。キッチンからとりあえずオレンジジュースを入れたコップをトレーにのせて行くと亮哉がいつも来店すると座る奥のテーブルで壁側奥に彗、その隣に亮哉が座り彗の前の席には海斗、その隣の椅子に翔央が座っている。彗と亮哉は既に教科書とノートを開いていたが海斗と翔央は先にスマホをいじりだしている。対岸でまったく別れた光景だった。「はい」4人の前に飲み物を置いてから凌太もカバンから教科書とノートを取り出した。「今日のご飯何を作ってくれるの?」海斗がスマホをいじりながら聞いてくる。その質問は皆気になったようで4人が顔を凌太に向ける。「やっぱりパスタでしょ、カルボナーラ!」「オレ好き!」海斗がやった!と喜んだ横で、「カルボナーラって難しいんでしょ?大丈夫なんですか?」翔央が敬語を使いながらも不審な目をしながら凌太にたずねる。そんな翔央にフフっと笑って言う。「イタリアではさ、彼女を家に誘うのにパスタを作ったり料理を材料にする事があるって言われて俺も
まったく足りない給食を食べ終え。少ない時間でもと外に出て行く者達を横目に5限の数学で出されていた宿題を写させてもらおうとノートをひろげる。「須崎くん、なんか2年の子たちが呼んでる」机の前に立ったクラスの女子がそう伝えて教室後方の入口を指でさす。1度さされた入口に顔をむける。「おぉ。結構可愛い子達じゃねえ?いいな〜うらやましいな〜須崎ってばモテるなぁ」横に座っていた友人がひやかしをいれる。うらやましいと言われてもまったく嬉しくもない。ただただ面倒なだけだ。「早く行ってやれよ」立ち上がる気配がないので友人はニヤニヤと促してくる。ハァ…。わからない位の小さな溜息をついて立ち上がると視線の先の女の子達は赤くなって1人の子に何かを言いながらパンパンと肩などを叩いている。「何のよう?」前まで来て一言だけできく。さっさとそちらの用事を済ませて欲しい。「ほら、マリちゃん…」横の子に促された「マリちゃん」は真っ赤な顔で廊下に出て話ていいですか?ときいてきたので友人達から少し離れた場所まで移動する。「私…2-3の安藤真理子って言います。須崎先輩のコトが好きです!付き合ってくれませんか!」真っ赤になっての直球な告白にも微塵もココロは揺さぶられない。「ゴメン」返事の言葉に傷ついた瞳がみかえしてくる。「彼女いるんですか?」小さな声がたずねる。「いないよ」「…じゃあ、好きな人。いるんですか?」泣きそうな顔をしながら、でもたずねる。きっとここで「いないよ」と再び返事をしたらまだ諦めなくてもいい可能性はあるなどと思うのだろう。だからキッパリと言う。「いる」「…」涙が流れださないように必死にたえているのだろうか。流れだそうとした瞬間に「マリちゃん」はクルリと向きを変え廊下をかけていってしまう。少し離れた場所に取り残された友人達は慌ててその後を追いかけて行った。周囲にいた人の目も気にすることなく席に戻りノート写しを黙々とはじめる。「須崎ってモテるのに誰とも付き合わないよな、もったいねー」ノートの提供主は再び隣の椅子に座る。「可愛い子なんだから付き合っちゃえばいいじゃん。俺なら即OKする」「彼女いないってことは告白されたことないんだな湯浅くんは!」「うるせーっお前も告白されたことなんて無いだろ!」ノートの提供主、湯浅と俺も
KAITO KASE」いつもはまだ賑やかな放課後の教室。 しかし今現在は重い空気に包まれたった3人が机を挟み対面していた。 「はぁぁぁ」 深い溜息に隣に座る制服姿の男子生徒はいたたまれずに頭を垂らした。 対面に座るいつもよりも上品なスーツ姿の女性教諭は机に置かれた数枚の資料を手にとり。 「お母さん、大丈夫です!」 声をあげる。 「公立でもギリギリ行けそうな高校はあります!諦めずに頑張りましょう!」 「先生…」 励ます女性教諭に母親は隣に座る息子をチラリと見やり、はあぁぁ…と再び溜息をはいた。 「海斗は手先も両親に似て不器用で…機械音痴のおっちょこちょいなんです。工学なんかには通えると思えないんです!馬鹿な子の唯一のとりえがあるとすれば去年全国までいけたサッカーくらい…。一か八かでスポーツ推薦狙う事も…」 「スポーツ推薦ですか…」 女性教諭は少しばかり眉根を寄せた。 去年の夏の大会で海斗が所属しているサッカー部は全国大会に出場した。そのサッカー部の中で海斗は1年から選手に選抜されてもいたし全国までフルで出場もしていた。 しかし。 1番肝心な高校からのスカウト推薦はもらえていない。 自己推薦で受けるしかないのだ。 「自己推薦になると学力テストも少しですが難度があがりますし受かったとしてもどの割合で免除されるかはわかりません。先ずは公立を一つ決めて…」 生徒を思った発言である。 「先生…半年も家庭教師をつけて今の成績なんですよ?行きたいと思わない高校を受けて通ったとしても海斗の為になるとは思わないですし」 「…オレはできれば高堂を受けたいです」 県内では文武に有名な私立、高堂学園。もちろんサッカー部も夏冬共に全国大会への出場経験を有している。 平サラリーマンの父だけの収入では生活が成り立たない!と自らも薬局へパートに勤めている母の口からは絶対に高校は公立にいってもらわないと困る。と常日頃言われていた。 憧れた高校のユニフォームは夢のまた夢だったのだ。 母の口から先にそんな言葉が出てくるなど思いもよらなかった。 ならばあとは自分が最大限の努力をするしかない。 「オレ、高堂のスポーツ推薦受けます!」自ら宣言したものの。 「おふくろ、いいの?」 隣で歩く母に問うてみる。 「もう1つ私立受けておかないと心配よねぇ。推