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第348話

Author: タマタツ
絃葉はきっぱりと首を横に振った。

「いいえ。とっくに吹っ切れてるわ」

景の眼差しが一瞬で和らいだ。だが、すぐにまた険しくなる。

「なら、どうしてあいつからの物を受け取った?」

「その前に答えて。どうして楠原優奈を退院の迎えによこしたの?」

絃葉は顔を上げ、まっすぐ彼の目を見つめ返した。

景は彼女を胸に抱き込み、背中を撫でていた指を腰まで滑らせると、いきなり強く引き寄せた。

「君がどんな反応をするか、確かめたかった」

絃葉の肌にぞくりと震えが走る。

景は身を屈め、彼女の唇を強く噛んだ。

「なのに君は、電話もメッセージもよこさなかった......」

絃葉は顔を背けて逃れ、口元を押さえた。

「さっきお鍋食べたばかりで、まだ歯を磨いてないの」

「鍋を食べる余裕はあったのか?」

苛立ちを宿した目で彼女を見据え、景は彼女の腰を抱き上げて壁際に押しつけた。

「もし俺がいなかったら、次はあいつを家に招き入れるつもりだったのか?」

「そんなことしないわ」

絃葉の声にはわずかな動揺が滲んだ。

景はそれ以上問い詰めず、荒々しく彼女の唇を塞いだ。

その口づけは性急で熱く、
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