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第566話

作者: おミカン
雪枝は母親でありながら、一度も裕也を愛したことがなかった。

……

絵里が病室を出ると、梨乃がまだ残っていることに気づく。

梨乃は彼女の姿を見て目を輝かせる。

「絵里、出てきたのね。疲れたでしょう、まずは病室に戻って休んで」

絵里は素直に頷く。

「うん」

梨乃はわざわざ介護士に食事を買ってこさせていた。絵里はまだ味の濃いものを食べられないため、あっさりしたものを買うようにと特別に頼んでいたのだ。

絵里は食事をしながら、篠が急用で先に病院を出たことを梨乃から聞いた。

隆と章は話し合いがあるとのことで、章のオフィスへ向かったらしい。

今回の件を経て、梨乃にも彼らと裕也の絆の深さがはっきりと見て取れた。

「彼たち、案外仲がいいのね」

「確かに仲は良いわ。もう何年もの付き合いだもの」

梨乃は絵里を気遣うように言った。

「とにかく彼たちがいてくれるんだから、あなたは安心して休んで。藤原家からはまだ誰も来てないみたいだけど、きっと雪枝の件で緊急対応に追われているのよ」

絵里はゆっくりとまぶたを上げる。

「お爺さんは昨日来なかったの?」

昨日は高熱が引かず、ずっと昏睡
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