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第749話

Author: おミカン
絵里はハッと息を呑む。

まさかこんな朝早くから誘拐劇に出くわすとは。驚きから立ち直ると、すかさず声を張り上げる。

「何者なの?その人を離しなさい」

数人の男たちは帽子とマスクで、目元しか見えないほど厳重に顔を隠している。

彼らは絵里に視線を向け、その目にギラリと欲望の光を宿す。

こいつは、後で捕まえる予定だった女ではないか。

上からの指示では、南だけでなく、絵里も連れ去ることになっていたのだ。

しかも、絵里の側には四人しかいない。

彼女の他には、丈裕と二人のボディガードだけだ。

こちらは六人いる。好機と見た彼らは、南をバンの中に放り込んでドアを閉めると、刃物や鉄パイプを手に、凶悪な形相で絵里たちへと襲いかかってくる。

絵里は目を細める。その横顔は氷のように冷ややかで、微塵の恐怖も浮かんでいない。

ちょうどいいわ!

黒幕が自分の予想通りの人物かどうか、確かめてやろうじゃないの。

「絵里様、ここは逃げてください」

丈裕が慌てて絵里の前に立ち塞がり、彼女を庇うように両手を広げる。

絵里は目を丸くする。彼にこれほどの度胸があったとは。

退院したばかりで、まだ本調
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