Share

2 再会したあなたは……

Author: けいこ
last update Last Updated: 2025-12-23 16:27:12

***

数日後、私は久しぶりに彼に会った。

あれだけみんなにイケメンと言われてた彼を見たけど、何だか不思議――

嬉しいという感情が全く湧いてこないし、全然カッコいいと思わない。

いつだって、会えば自然に出ていた笑顔も、今は無理やり作ってしまってる。人は、こんなにも気持ちを変えられるものなんだ。

「暇だし映画でも観ようか」

「えっ、あ、うん。そうだね……」

彼がチョイスしたのは、特に観たいと思ってなかったアクション映画。半年一緒にいて、私がこの手の映画が好きじゃないってこと、全然理解してくれてなかった。

スクリーンを見ていると、まぶたにオモリでもついているのかと思うほど、しだいに重くなる目を無理やりこじ開けているのがつらかった。

見終わった後、食事をするためにイタリアンレストランに入った。

テーブルに向かい合わせで座わる。

大好きなイタリア料理の匂いも、いつもみたいに食欲をそそらない。

この人は今、私のことをいったいどんな思いで見てるんだろう?

明らかにいつもと違うテンションの私を――

「面白かったよな、あの映画。ヒーロー、ちょっとバカっぽかったけどさ。あの俳優の演技が笑えたよな」

Continue to read this book for free
Scan code to download App
Locked Chapter

Latest chapter

  • 再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~   2 深い愛情がゆえに~坂井先生side~

    「坂井先生? 顔色が悪いですよ」医師としての言葉か?そんな心配はいらない。「愛莉ちゃん、君のマンションはどこなの? 僕はね、君に会いにここまで来たんだよ」「さ、坂井先生……」菅原先生を遮り、僕は愛莉ちゃんに話しかけた。「坂井先生、止めて下さい。彼女は……ここで俺と一緒に暮らしています」「え?」一瞬、時が止まった。愛莉ちゃんが、菅原先生と一緒に暮らしてる?そんなこと、理解できない。耳を疑うような馬鹿げたカミングアウトに不信感を覚える。ただの幼なじみで、なぜ一緒に住むのかと。「愛莉ちゃん、本当に? 本当に彼と2人で住んでるの?」僕は、その真偽をどうしても確かめたかった。「……はい」彼女は、小さくうなづいた。到底受け入れ難い、衝撃的な事実だった。「愛莉ちゃん。この前、入院してたあの夜に……2人で月を見て語ったよね。僕の気持ちをちゃんと伝えたはずだよ。なのに君は、よりにもよって幼なじみの菅原先生と……」そんな僕を見て、彼女は後ずさりした。そして、菅原先生は、愛莉ちゃんを守るかのように1歩前に出た。「坂井先生。あなたは愛莉が好きなんですよね?」「知ってたのか……ああ、好きだよ。好きなんてもんじゃない、愛してるんだ。誰よりも僕は、愛莉ちゃんを見てるんだよ」「い、嫌……」ねえ、どうしてそんな怯えた顔をするの?君がそんな顔をしたら悲しいよ。「あの月の綺麗な夜、僕は、愛莉ちゃんに好きだと伝えた。そして、キスしたかったのに邪魔が入った。それから、愛莉ちゃんが病院に来なくなって……ずっと寂しかった。だから、今日、こうして会いに来たんだよ。菅原先生より僕の方が君を幸せにできる。だから……こっちにおいで」手を伸ばし、愛莉ちゃんに近づいたら、菅原先生がそれを阻止しようとした。「どいてくれ、お前には関係ない! 僕と愛莉ちゃんの問題だ」「止めて下さい! 坂井先生、冷静なあなたがいったいどうしたんですか? しっかりして下さい!」声を張り上げる菅原先生。僕にそんな言い方するなんて、後輩のくせに……

  • 再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~   1 深い愛情がゆえに~坂井先生side~

    「会いたい……」 ただそれだけの思いで、僕はここに来た。 この辺りのマンションだと、以前、看護師達が話してるのをたまたま聞いていたから……決してストーカーになるつもりはない。 でも…… 愛莉ちゃんが病院に来なくなってから、1度も顔を見ていないことが、僕にはどうしようもなくつらかった。 空を見上げたら、いつもの月が見える。 ただ、ここからの眺めは、あまり好きじゃない。 やっぱり…… あの病室から見える月が1番美しい。 妖艶な光を放つ、あの月が。 あの日、愛莉ちゃんがすぐ側にいたのに、僕の気持ちを受け入れてもらうことができなかった。 なぜだ―― そう考えて、いつも頭に浮かぶのは菅原先生のこと。 彼は、愛莉ちゃんの幼なじみ。 子どもの頃からの知り合いというだけなのに、どうしてか、2人の繋がりが無性に気になってしまう。 今日、愛莉ちゃんに会えたら確かめてみたい。 彼とは何の関係もないって……そう言わせたい。 その時、遠くの方に、愛莉ちゃんによく似た人が現れた。 こちらに近づいてくる。 いや…… 似た人ではない――愛莉ちゃんだ。 ん? 隣に立つ男性は? 僕は、その人を見て愕然とした。 菅原先生…… 2人はただの幼なじみのはずなのに、ニコニコ笑いながら、さらに近づいてくる。 そして、愛莉ちゃんは僕に気づいた。 「えっ……どうして?」 驚きをまとったその表情。 そうやって怯える顔さえも愛おしい。 「坂井先生、どうしてここにいらっしゃるんですか?」 「菅原先生、君こそなぜここに?」 「ここは、俺のマンションです」 彼は、すぐ前の豪華なマンションを見上げた。 ここに菅原先生が? だとしたら愛莉ちゃんはどこに住んでるんだ? 突然2人で現れたことに、僕は戸惑いを隠しきれなかった。

  • 再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~   1 花が繋いだ夫婦の絆

    次の日、私は、「ラ・フルール」で思わぬ出会いを果たした。「こんにちは、お久しぶりです」「あ! あなたは!」「先日は、大変お世話になりありがとうございました」奥様と喧嘩して、薔薇を11本買ってくれたお客様。あの時の顔色とはずいぶん違ってる。もしかして……「奥様は、薔薇の花束、喜んでくれましたか?」答えを待つ私の心臓がドキドキし出した。「……」少し、うつむき加減で黙る男性。嘘……悪い方に考えたくはないけど……「あれから、家に帰ったら、妻は……どこにもいなくて。心配で、あちこち探し回りました。結局、2人が初めてデートした公園にいたんですが……」「奥様、見つかったんですね、良かった……」ホッとして安堵のため息が出た。「はい。彼女がいないとわかって、必死に探してる時に思ったんです。僕には彼女が必要だって。もし、このまま会えなかったら……そう考えたら、ものすごく怖くなりました。最悪のことも想像してしまって……情けない程慌てて、探しながら泣きました」最悪のこと……この男性にとっては奥様、私にとっては瑞。それぞれの大切な人が、もし自分のせいで居なくなったら……そんなつらいことが本当に起こったら、絶対に耐えられない。「妻に会えた時は、とても安心しました。そして、もう二度と離したくないって思ったんです」「そうですか……それは本当に良かったです。でも……奥様は許して下さったんですか?」「妻に、公園で薔薇を渡しました。そしたら、相当泣かれました。つらくて悲しくて死にたくなったって。それを聞いた瞬間、本当に俺は何てバカなことをしてしまったんだと激しく後悔しました。死にたくなるくらい妻を苦しめたんだって……心の底から反省しました。あの時は、自分のことしか考えられなくて、気づいたら他の……」「……」「あっ、いや、す、すみません。でも、大好きな薔薇を11本も贈ってくれたから……って、妻は何とか許してくれました」「奥様、許してくれたんですか……。良かったです……本当に」奥様が許したなら、それでいいんだよね。私がとやかくいうことじゃない。このご夫婦が仲直りできたことが、まるで自分のことのように嬉しくて、涙がこぼれる。「すみません、あなたを泣かせるつもりはなかったんですが。本当にいろいろお世話になってありがとうございました。妻は、11本の

  • 再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~   8 あなたとひとつになる夜

    そっか……だからあんな電話があったんだ。「ああ、信じてくれ。これから先は、何があっても俺を信じろ。俺は、お前だけを見てるから。悲しませるようなことは断じてしない。絶対に……」そう言って、瑞はまた私にキスをした。小川先生のこと、少しは驚いたけど……でも、もう周りに振り回されないようにするって、ちゃんと決めたから。「瑞、私も言うね。私……賢人君と……坂井先生にも告白されたの」「さ、坂井先生にも?」「えっ?」「山下君とは、病院でたまたま会った時に聞いたんだ。愛莉に告白してフラれたって。でも、まさか、坂井先生にも……」「う、うん。入院した日、坂井先生に言われて……。だけど、先生には瑞とのことは何も話してないよ。ただの幼なじみだと思ってるから」「そうなんだ……」「ごめんなさい、黙ってて」「いいんだ、そんなこと。でも、今からは何でも話し合っていこう」「うん、私もそうしたい」その日は、シャワーを浴びてから、朝まで同じベッドで一緒に眠った。ねえ、瑞。好きな人の横で眠るって、こんなにも幸せなことなんだね。私、初めて知ったよ。今夜――瑞とずっとこうしていられることが、私のこれからの「1番大切な願い」になった。

  • 再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~   7 あなたとひとつになる夜

    「瑞だって意地悪するでしょ? だから私も……瑞に意地悪したくなる……」私は、挿入されたまま、瑞の乳首の辺りを舌で舐めたり甘噛みしたりして刺激した。「はぁぁ……愛莉、だ、ダメだ、俺、そこは……」「瑞の弱点だね。だったら、もっとしてあげる……」「年上の俺の弱点を狙うなんて、生意気だ」ニコッと笑う瑞。「その笑顔、可愛い」私がそう言ったら、瑞は顔を赤らめた。たまらないよ、その素敵な笑顔……本当に大好き。願わくば……他の誰にもこの笑顔は見せないでほしい。私だけの「特別な笑顔」にしてほしい。私達は、夜中を回っても、抱き合うことを止めなかった。何度イッたかわからない。絶頂を迎え、狂った声が部屋中に放たれる。私は……もう、瑞としかできない体になった。この先ずっと、瑞に全てを捧げると誓う。約束通り、簡単に――私は瑞の色に染められた。官能的な一夜は終わりを迎え、2人共クタクタになり、ベッドに倒れ込んだ。裸のまま、包むように抱きしめられ、瑞は私を離さなかった。私は、その腕にしっかりと守られてる気がした。幼なじみだった頃のことを思い出すと、こんな美しい肉体に抱かれたことが、やっぱり恥ずかしい。だけど……もう、子どもの頃からの「幼なじみ」という縛りを払拭したかった。だって私はもう……大人の女なんだから。自信はまだ持てないけど、それでも、瑞に愛されてることをちゃんと信じたい。瑞が私を愛してくれてる限りは……このままずっと一緒にいたいと、心の底から思った。「愛莉、俺達は恋人同士だ。これからは本当に隠し事は無しにしよう。俺も、ちゃんと言う」「えっ? 何か……あったの?」「この前、小川先生に告白された。もちろん、愛莉が好きだからって断った。だから何も気にするな。いいな」「そうなんだ……小川先生に……う、うん、わかった。私は瑞を信じたい」

  • 再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~   6 あなたとひとつになる夜

    そう言いながら、いたずらっ子みたいに笑う顔…… その妖艶さに思わず身震いする。 体中がゾクゾクして、瑞の愛撫が欲しくてたまらなくなる。 「お願い。私をいっぱい愛して……あなたしか見えなくしてほしい」 「その望みを叶えるのは――とても簡単だ」 全裸になった2人。 瑞の滑らかで繊細な彫刻のような体が、私には恐ろしい程、豊麗に見えた。 顔も体も、何もかも、全てが完璧で…… 女の私が言うのは適切では無いかも知れないけれど、私は……瑞の男らしい肉体に性的興奮を覚えた。 「綺麗な顔……」 「綺麗なのは愛莉だ。それに、この艶めかしい体……俺は、いつだってこの体に触れたくて仕方ない」 私達は、指と舌でお互いの敏感な部分を攻め合った。 私も…… 恥ずかしがってばかりはいられない。 瑞を気持ち良くするためなら、精一杯できることをしたい。 瑞も私も、我慢なんてしなかった。 私は、感じ過ぎて淫らに濡れた場所に、瑞の存在を感じたくなった。 「瑞のが欲しい……」 おねだりを受け入れ、瑞は硬くなったものを私の中に滑り込ませた。 ああ、瑞を感じる。 私はこれが欲しかったの…… 「ああんっ……み、瑞の……熱くて大きい……」 腰を上手く使って激しく動かされた途端、一気に快感が体中に広がった。 全身の細胞が悦び、私はその行為に夢中になった。 「ひとつになれて嬉しい」 「私も嬉しい。嬉しいよ、瑞」 「愛莉の中……とてもキツく締まる……」 「……あなたの、すごく熱いの。私の中でどんどん大きくなって、いっぱい擦られて、もう……すごく……気持ち良いの……はぁっ……ああんっ」 卑猥な表現が、理性が無くなった私の口からサラサラとこぼれ落ちる。 「可愛い愛莉も好きだけど、こんないやらしい大人の愛莉も大好きだ。俺をムラムラさせ続けて……悪い子だな」

More Chapters
Explore and read good novels for free
Free access to a vast number of good novels on GoodNovel app. Download the books you like and read anywhere & anytime.
Read books for free on the app
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status