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第369話

مؤلف: 玉酒
教室内は水を打ったように静まり返った。

忠弘は学生たちを順に見渡し、やがて視線を深樹に定めた。「陸川さん、君が説明してみなさい」

深樹はすぐに立ち上がり、背筋を真っすぐに伸ばした。

ノートに目を落とすこともなく、落ち着いた口調で話し始める。「主なボトルネックは、耐干渉性能と伝送距離です。既存のアルゴリズムは強磁場環境下ではデータの偏移が生じやすく、同期時の誤差率も――」

深樹は要点を押さえながら三つの核心的問題を挙げ、さらには発表されたばかりの海外論文を二本引用した。

忠弘の目に、満足げな光が宿る。「いい。教科書をしっかり理解しているだけでなく、最先端の動向にも目を向けている。座りなさい」

深樹は席に戻りながら、そっと横目で美穂を見た。唇の端に、はにかんだ笑みが浮かぶ。

一方、チョークを置いて振り返った忠弘も、遠くから彼女に視線を投げた。春風が湖面を撫でるような、穏やかで柔らかな眼差し。

美穂は一瞬だけ視線を止め、思わず唇を上げた。

その笑みには、彼らだけが分かる親しみが潜んでいる。

――チャイムが鳴り、授業が終わった。

学生たちは一斉に教室を出ていく。

深樹は素早く荷物をまとめ、犬のようにきらきらした目で言った。「水村さん、近くのラーメン屋さん、すごく美味しいんです。一緒に行きませんか?」

美穂は淡々と答える。「遠慮するわ。まだ用事があるの」

「そうですか……」深樹の表情から一瞬で輝きが消えたが、それでも素直にうなずいた。「じゃあ、また今度時間があるときにご馳走しますね」

「ええ」

美穂の背中は、廊下の突き当たりへと消えていった。

深樹は少しの間その場に留まり、リュックを肩に掛け直すと、無表情のまま人混みを抜けていく。風にあおられ、コートの襟がめくれ、その下に黒いハイネックが覗いた。

校門を出て角を曲がると、ハザードランプを点けた黒いセダンが停まっていた。

運転席の窓がゆっくり下がり、濃い化粧を施した横顔が現れる。

「深樹、乗って」と楽しげに笑った。

深樹はドアを開けて乗り込み、リュックを無造作に後部座席へ放り投げる。

車外では木の葉がざわざわと鳴り、彼はバックミラーに映る、次第に小さくなる校門を見つめた。その瞳には、先ほどまでの青さなど、微塵も残っていなかった。

――午後は特に急ぎの仕事もなく、美穂は雑務を片付けた後
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