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第207話

Author: かおる
勇は聞いた話をさらに誇張して、翔太に吹き込んだ。

翔太の顔には、傷ついた怒りが浮かんでいた。

――ママは本当に怜に惑わされてしまったんだ。

やっぱり、ひどい母親だ。

勇は畳みかけるように言う。

「前にお前の母親が清子に勝てたのも、偶然の産物だ。

ジュースを浴びせかける卑怯な手を使った上に、あの世界的名楽器、夏の夜の星まで使ったんだぞ。

有利な条件をあれだけ揃えても、清子との差はたったの0.1ポイント。

威張れるほどのことか?」

翔太の瞳が暗く沈んでいく。

――ママはすごいんだと思っていたのに。

でも清子おばさんや山田おじさんの言葉を聞くと、ただの運にすぎなかったのかもしれない。

なぜなら、母が清子にジュースを浴びせた場面を、この目で見ているのだから。

清子はそんな翔太の心の動きなど意に介さず、やわらかな声で問いかけた。

「翔太くん、お父さんとお母さんは......どこに行ったの?」

翔太は首を横に振る。

「知らない」

「じゃあ翔太くん、お父さんとお母さん......本当に離婚するの?」

清子の声がひそやかに揺れる。

「そんなわけない!」

翔太は即
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